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新書「宇宙飛行士選抜試験」を読了

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SB新書の「宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶」内山崇著を読みました。
著者は2008年からの第5期JAXA宇宙飛行士選抜試験に応募し10名のファイナリストまで残ったが
最後の最後で宇宙飛行士(2名+補欠1名)には選ばれなかったという人です。
従ってこの本は受験した候補生目線の宇宙飛行士選抜試験について書かれている内容になります。
なので、選考理由など選抜委員・試験管側の視点ではありませんし
選抜試験の仕組みなどについても全て事細かに書かれているわけではありませんので
これを読んで宇宙飛行士選抜試験の傾向と対策ができるわけではありません。

もっともこの本を読むほとんどの大人は宇宙飛行士を志して読むことはないですし
ましてやもうジジイのボクが宇宙飛行士になりたいとは微塵も想いませんし
それどころか将来的に宇宙旅行が可能にになったしても頼まれても行きたくないですが……
外宇宙への全遺体の宇宙葬ならやってもらいたい気もしますけどね(笑)

 

なお、帯に「この試験、残酷過ぎる!!」と大きく書かれてますけど
この本を読み終わってもいったい何が残酷なのか共感できませんでした。
確かに応募総数963名の中から10ヶ月に渡って選抜試験を受けて徐々に10名まで絞られて
最終的に2,3名しか選ばれないというのは超難関であるのは事実ですが
応募者のほとんどはパイロット、自衛隊員、企業エンジニアなどのバックグラウンドがある方々で
いくら宇宙飛行士になる夢を抱いて人生を賭けてきているのだとしても
選考から漏れたとしてもその人の人生がそれで終わるという崖っぷちなわけでもないですからね。

今までの職業を捨てて、貯金を叩いて、さらに多額の借金して、家族を捨てて
やっと選抜試験を受けれて落ちれば何も得られずただ路頭に迷うだけというわけでもないですし
ましてや生死を賭けての試験というわけでもないですから。

特に著者の場合は、子供の頃から宇宙飛行士に人いち倍に憧れていたとは言え
JAXAに勤務していて宇宙船「こうのとり」のフライトディレクタとして働きつつ
宇宙飛行士選抜試験への挑戦ということなので宇宙との関わりはどのみち絶たれないわけですから。

ただ、前回から10年ぶりの応募であり次またいつあるか不透明(実際には13年後)な中では
人生に一度切りのチャンスという人がほとんどでしょうから
著者本人も相当な挫折感・喪失感を味わったであろうことは容易に察することができますけど。

 

 

そして、実際の選抜試験は以下のように何段階かで徐々に人数が絞られいきます。
                                   (以下引用)
 宇宙飛行士選抜試験は、次の2つの手法の組み合わせで行われている。
   セレクト・イン  集団から基準を満たす適格者をずばり選び出す
   セレクト・アウト 集団から基準を満たさない不適格者を外していく
  (中略)     まず、最低限クリアしておくべき基準でふるいにかける「セレク
ト・アウト」を早い段階で行い絞り込んだ後、より詳細な選抜(試験や検査)を行い、最
終的に「セレクト・イン」で適格者を選び出すという手法だ。      (引用終わり)

これはなんとなくイメージできますけど、セレクト・イン/セレクト・アウトという言葉は初耳です。
そして、結果的にどのような人が選抜されていくのかというと
一概には言えないのでしょうが以下のように抽象的に書かれています。
                           (以下引用、一部改行位置変更)
宇宙飛行士選抜試験を密着したNHKは、この試験のことをこう表現した。
 「どんな苦しい局面でも決してあきらめず、他人を思いやり、その言葉と行動で人を動
かす力ががあるか。その『人間力』を徹底的に調べ上げる試験」(中略)この求められる「人
間力」は、企業での採用や昇進で求められる資質と本質的には同じもので、特別なもので
は決してなかった。宇宙飛行士は超人などではなかった。   (中略)
 ぼくが宇宙飛行士選抜試験を通じて、宇宙飛行士になるために最も大切なことだと痛感
した2つのこと。それは、宇宙飛行士として生きる「覚悟」と、ミッションを共にする仲
間と築く「信頼」だ。                        (引用終わり)

まぁ抽象的に書くと確かに普通のサラリーマンに求められる資質と本質的には変わらないでしょうが
その求められる総合的な人間力というものは桁違いに高いものでしょうし
ひとつひとつの最低限のレベルもとんでもなくハードルの高いものとなっているんでしょう。

ただし、著者は「覚悟」と「信頼」と抽象的な言葉で書いているものの
それでもパイロットとしてのスキルや経験がなかでも最も重要ではないかと想定しています。
というのも、最終的に宇宙飛行士として選ばれた2名はパイロット出身であることと
著者が落ちた最大の理由が乗り物酔いに弱いという点ではないかと自己分析しているからのようです。

 

その乗り物酔いの耐性検査では回転椅子に座って回される最中に頭を傾けるなどのものもあるようですが
興味深かったのは、その前に次のような検査があることです。
                                  (以下引用)
    エアーカロリック検査という、耳に温風(44度)・冷風(30度)を交互に1分
間ずつ吹きかけることでめまいを誘発させる検査を行った。      (引用終わり)

エアーロリック検査という言葉も初耳でしたけど
温風・冷風の繰り返しでめまいが起きるなんてことも初めてしりました。
自分でヘアドライヤーでやってみようなんて思わないですけどね(笑)

ただ、おそらくボクは案外この手の検査ではすぐに撃沈してしまうんじゃないかと思ってます。
サラリーマン時代ではタイヤ鳴らして限界走行している試験車両の助手席や後席で
下向いてパソコン弄ってるなんてことも平気でしていましたし
学生時代でもラリー車の後席でナビとしてポケットコンピータと格闘していても平気でしたけど
それはクルマという挙動に慣れてまたそのような経験を何度もしていたからだけのことでしょう。
だって予測もできないような妙な運転する人に同乗するとすぐ酔うし、船でもすぐ酔いますから(汗)

他にも一般的な人間ドッグの3倍以上もかける健康診断&身体検査があったり
1週間・24時間の集団隔離生活モニタリングがあったりそこで千羽鶴を折らされたり
圧迫面接まがいの面接があったりと実に様々な試験があるようですが
それらを全部書くのはやめておきましょう。ネタバレにもなりかねないし。

 

なお、選抜試験そのものに対する話ではないのですが
前述のように著者はJAXAでこうのとりみミッションと併行して選抜試験を受けていたのですが
となると一般人では想像できないような寝る暇もないほど超多忙な生活を送っていると思いきや
                                   (以下引用)
 就寝(消灯)は24時、起床は6時と決められていた。ふだん7~8時間寝るのが習慣の
ぼくにとって、6時間睡眠が続くのはちょっときつい。         (引用終わり)

と書いているには意外だなと思いました。
著者はその当時は30歳代ですから日本人男性の平均睡眠時間よりかなり長かったわけです。
もちろん、睡眠を削って仕事や勉強の時間を稼ぐというのは非効率にもなるから良いわけなく
そんな無理せずに仕事も試験準備もこなしていたのは著者の能力の高さと言えるでしょうね。

ちなみに、30歳頃のボクは1日3時間睡眠にチャレンジしたけどこりゃぁ無理だと挫折して
普段は1日4時間半睡眠をしていた時期ですね。
今はだいたい7~8時間たっぷり寝てますけど。というか惰眠を満喫してますけどね(笑)

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