« 今月開店の「手打ちラーメンほそや」のりラーメン | トップページ | 自称・自動車評論家は道交法の知識も常識もない人間だな »

文庫「知的複眼思考法」を読了

B210227_1 
講談社+α文庫の「知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ」苅谷剛彦著を読みました。
この本は1996年発行の単行本に加筆・再編集し2002年に文庫化されたものです。
著者紹介ではオックスフォード大学社会学部教授となっています。今現在もそうみたいですね。

内容的には少し古いとも言えますけど、思考法について書かれているものなので
10年、20年昔だからと言ってそれほど思考方法に決定的違いがあるわけでもないでしょう。
ただ、喩えに出てくる話題は少々時代を感じさせるものもなくはないです。
それでも、教育関連の話題が多くて、進学塾、いじめ、偏差値教育、学歴社会などなど
まぁさほど今と大きな違いもないかなというところも多い感じはします。

なお、ボクが手にしているこの本は2014年の第31刷発行のものですから
ずいぶんと長きに渡って何回も重刷しているものですね。
それだけ内容が廃れないとも言えるし長く売れているということなのかも。

そして、たぶん、ボクはその2014年ごろにこの本を書店で買ったのだと思います。
最近になって中古本を手に入れたのでないような気がします。
つまり、現役サラリーマン時代になんか目的があって買ったのだけど
読む機会を逸して積読状態になって今に至ってしまったのでしょう。
なんとなく、いつでも読めるという気持ちと、でも総400ページほどと少しボリュームがあり
ついつい避けてしまっていたのかもしれません。
もっとも、読み始めると小難しいところはほとんどなくすんなりと読み終わってしまいましたけど。

 

この本の内容は以下のところを読めばすぐに分かるかと思います。
                              (以下引用)
 とくにこの本で目指したのは、ありきたりの常識や紋切り型の決まり文句、
つまり「ステレオタイプ(決まりきったものの見かた)」にとらわれずに、あ
なた自身の視点からものごとをとらえ、考えていくための方法です。
                             (引用終わり)

で、単眼思考でなく複眼思考をしなさい、ということが展開されていき
そのためのテクニックというか例題を挙げての具体的なやり方や訓練のしかたが説明されていきます。

まぁその辺の具体的で細かい話はここでは紹介しませんし
ボクもそのような複眼思考は必要だと思いつつもこれから突き詰めて鍛錬したいとまで思わないので
あまり真剣に訓練とまでいかずに適当にそうだよなぁという程度に読み流してしまいました。

 

ちょっと面白いなと思ったのは、著者が日本の大学(大学生)に苦言を呈している部分です。

(以下引用)              大学というところは、「考える力」
をつける場所なのに、教師のいっていることや本に書かれたことから「正解」
を探せばよいと思っているようなのです。
 教師が教壇から話したことを、丹念にノートに取る。試験やレポートのとき
にはそのノートに書かれたことをほぼそのまま繰り返す。   (中略)
                 答えを知ることと、考えることとの違い
をはっきりさせないまま、正しい答えさえ知っていればそれでいいんだとい
う、「正解信仰」が根強くあるからでしょう。受験勉強のしかたも、こうした
正解探しの発想を強めているようです。      (中略)
           そして、この正解信仰を突き詰めてしまうと、「唯一
の正解」を求める、かたくなで原理主義的な態度にもつなかってしまいます。
                             (引用終わり)

少し前ですが東大卒の人が勉強法をテレビかなにかで語っていたのを聞いたのですが
彼曰く「数学の問題を解くのは時間の無駄、最初に答えを見て解き方を覚えろ」だそうで、
まぁ受験勉強としてはそれもありかもしれませんが
それでは社会では通用しないだろうと思いましたね。

このような考え方では数学者はもちろん科学者やエンジニアとしては三流どまりでしょうけど
たとえ理系ではなくてもそのような考え方では正解のない実社会では行き詰るでしょう。
もっとも、答えをどんどんと見て解き方そのものを覚えるのではなく
大量のデータを頭にインプットしてAIのディープラーニング的に相関を読み取って
そこから最適解を導き出しているのであれば凄いことですけどね。

東大に入れるくらいの地頭がいい人ならもしかしたらそんなことが可能かもしれませんが
それを普通の頭の人にアドバイスしても上手くはいかないでしょうね。

それとも、それはあくまでも受験テクニックだと割り切っていたのかもしれませんし
そういう割り切りの良さと要領の良さで世渡り上手になれるかもしれません。
あるいは東大卒というその肩書きだけでそこそこ生きていけるのかもしれませんし
日本の官僚などはそういう生き方をする人が得をするようになっているのかもしれませんけど。

ボクなんかは大学受験の勉強だとしても数学や物理は絶対に答えを見ることなく解いていました。
なので丸1日かかっても解けないこともあって、
その時は一度寝かして別の問題を解いたりして後日再挑戦するなんてことしてました。
ほとんどパズルを解くのと同じ感覚でしたからゲームと一緒ですね。

効率悪いかもしれないし、だから世渡り上手にはなれなかったのでしょうけど、
それでも数学的に科学的に考える力はそれなりに身に着けられたかなと自負してますが……

|

« 今月開店の「手打ちラーメンほそや」のりラーメン | トップページ | 自称・自動車評論家は道交法の知識も常識もない人間だな »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 今月開店の「手打ちラーメンほそや」のりラーメン | トップページ | 自称・自動車評論家は道交法の知識も常識もない人間だな »