« 金ちゃん「にら玉」「たまねぎ」「焼豚」ラーメンを実食 | トップページ | 味のマルタイの「マルタイカップラーメン 醤油味」を実食 »

新書「免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか」を読了

B210315_3 
講談社ブルーバックスの「免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか」坂口志文 塚﨑朝子 著を読みました。

タイトルの通り、制御性T細胞が何かについて解説している本ですが
本文中ではほとんどは「Tレグ」と略して書かれています。
もちろん、Tバックのことでもハイレグのことでもありませんよ、そこのお兄さん(笑)

TVアニメの「はたらく細胞」や「はたらく細胞ブラック」を観ているので
T細胞という名称は耳にしてますし、でなくとも免疫にはよく出てくる名称ですが、
Tレグや制御性T細胞というのは初めて聞きましたし
それが免疫の守護者だというのですから特にこの時節では知っておきたいと考え読んでみました。

2020年10月発行の本ですから、新型コロナ関連で書かれた本かと思ってしまいましたが
新型コロナに関してはほんの20数行触れられているだけで
基本的には著者である坂口氏がTレグを発見するに至るまでの研究経緯と
免疫系におけるTレグの働きとその臨床現場での応用の可能性について説明されています。

なので著者の坂口氏は免疫学の研究者ということでTレグ研究の第一人者なのですが、
一方の小さく書き添えられている著者の塚﨑氏は元新聞記者というライターのようで
どこまでこの本の著者として関わっているのかまったく不明でちょっと謎でした。

 

そもそも、T細胞ってのは免疫に関するリンパ球というのは知っていましたけど
T細胞のTは胸腺=Thymusからの意味だというのを初めて知りました。
というか、心臓の前にリンパ球を作る胸腺という臓器(リンパ器官)があることすら初耳でした(恥)
なので骨髄から作られるリンパ球がB(Bone)細胞、胸腺で作られるリンバ球がT細胞というわけです。
正確にはT細胞も骨髄で作られた後に胸腺で分化成熟されるということのようですが。

そして、そのT細胞は分化成熟したものなので幾つかに分類することが可能で
ウイルスに感染した細胞などを殺すキラーT細胞、そのキラーT細胞を活性化するヘルパーT細胞など
様々なT細胞があるわけで、そのT細胞全体を制御している、
正確には活性の閾値を制御しているのが本書が扱うTレグ=制御性T細胞というわけです。
制御する・調節する=Regulatoryということから略してTレグと呼ばれるそうです。

 

そして、このTレグが少なく働きが悪いとキラーT細胞などが暴走して自身の正常な細胞まで攻撃し
その結果、関節リウマチ、多発性硬化症、1型糖尿病、クローン病などの自己免疫疾患を発症してしまう。
自身の正常な細胞まで攻撃しないまでもTレグが少ないことでキラーT細胞などが活性化し過ぎると
花粉など実質無害なタンパク質などに対しても過剰反応しアレルギー症状が出てくる。

また、臓器移植などでは非自己の細胞と認識して攻撃してしまうことで拒絶反応が起きるのだが
そこにもTレグが働いていてTレグを増やせれば拒絶反応を抑えることが出来そうだと。
一方で、Tレグが多いとガン細胞に対して正常な細胞との区別が出来ずに攻撃・排除が出来ずに
結果的にガン細胞の増殖を許してしまうということのようです。

ただ、ガンの話となるとノーベル賞の本庶佑氏というか超高額がん治療薬オプジーボの話題と
一見すると同じことかと思ってしまいますけど、それとはまた視点が異なることのようです。
本庶氏はTレグの発見やそれによる免疫系のメカニズムとは関係なく
T細胞の表面分子を標的として狙い撃ちする免疫チェックポイント分子PD-1を発見し
それを阻害することで免疫が活性化することが分かったということのようです。

まぁ、正直なことを言うと、この本読んでも分かったような分からない状態なんですけどね。
そのくらい中身はかなり専門的で理解が難しかったです。
もっとも、下手に擬人化とか比喩などで単純に分かったような気になるより
免疫系は非常に複雑で難解なものであると理解していた方が良いのでしょうけどね。

 

いちおう、新型コロナウイルス絡みの話もしておきましょう。

(以下引用)                     加齢に伴って免疫を担うリンパ球の反
応性が落ちる半面、Tレグは増加してくるので、高齢者の免疫反応が抑え気味になるのは、無理
からぬ面もある。
 また、COVID-19が重症化した結果として、サイトカインストーム(免疫の暴走)が起き
ると、致死的になることが知られている。慢性的な炎症反応であれば、Tレグは免疫の行き過ぎ
を抑えて鎮静化し、バランスを保つ方向へと持って行くことができる。しかしながら、サイトカ
インストームのような急性期の炎症の場合、Tレグはその場に駆け付けはしても、多勢に無勢
で、力負けしてしまい、暴走を抑えることができない。            (引用終わり)

だそうで、ちょいと拍子抜けな感じもありますけどTレグはじわじわ制御するものということですかね。
だからこそ、逆に自己免疫疾患、アレルギー疾患、がんなど長期にわたる疾患に対しての
治療という意味では効果が期待できるし副反応などの心配も少ないと言えるのかもしれないです。

 

もっとも本書を読む限り著者は治療法や治療薬の開発に関してはほとんど興味がなさそうで
純粋に免疫系の仕組みを解明したいという興味のみで研究しているような印象です。
まぁ、治療法や治療薬の話となると途端に金儲けの道具になりそうできな臭くなりがちですから
興味本位で研究している人の方が信頼できるとも言えますけどね。

しかも、著者は以下のように長らく異端扱いされていたような人のようですから少し共感も覚えます。
                                      (以下引用)
 科学は、本当のことは本当だと皆が認めなくてはならない世界である。しかし、やはり、その
時代の空気がある。一時期は私の仮説を支持するのは危険だという空気が出来あがってしまって
いた。あれから何十年も経って、「あの時、お前を研究室に採っておけばなあ」などという米国
の免疫学の大御所もいる。                         (引用終わり)

このような、Tレグの発見と免疫のメカニズム解明など著者が苦闘してきた経緯も書いてあり
その流れについては特に専門用語を理解できなくても興味深く読むことができる本になってました。

|

« 金ちゃん「にら玉」「たまねぎ」「焼豚」ラーメンを実食 | トップページ | 味のマルタイの「マルタイカップラーメン 醤油味」を実食 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 金ちゃん「にら玉」「たまねぎ」「焼豚」ラーメンを実食 | トップページ | 味のマルタイの「マルタイカップラーメン 醤油味」を実食 »