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ジャレド・ダイアモンド著「危機と人類」(上・下)を読了

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日経ビジネス文庫の「危機と人類 上」と「危機と人類 下」ジャレド・ダイアモンド著
小川敏子、川上純子訳を読みました。上下あわせて650ページほどのボリュームです。

著者のことはこちらの本も読んでいるしTV番組にも出演しているので顔も知っていますが
いちおう進化生物学・社会人類学の教授ということだと認識していたので
このタイトルを見て何百万年という進化の人類史における危機対応の話なのかと考えてしまいましたが
原題は「UPHEAVAL: Turning Points for Nations in Crisis」となっているので
直訳すると「激動:国家危機についての転機」ということになり
人類史とかそんなものでなく国家・国民・政治が危機に対してどう対処したかという内容でした。

なので何百万年の話ではなくせいぜい数百年の話でしかありませんし
人類の進化とか遺伝子とかそんな話でもありませんでした(汗)

 

しかも、人類全部の危機について網羅するのは不可能ですから、この本では著者がよく知る
国家危機に陥った/陥っている幾つかの事例について紹介・論じるという形式をとっています。
著者はそれを「比較論的研究」であるとし、かつ「叙述的スタイル」とするとしています。
なので、現時点で世界的に危機的な状況になっている新型コロナ感染は基本的に触れられてません。
ただ、冒頭に「日本語版文庫化に寄せて」の中で少し触れられているにはいますが、
人類文明に対する真の脅威はコロナ禍ではなく、気候変動、資源枯渇、地球規模の不平等だ
として一蹴しています(笑)
まぁ、ある意味ボクも新型コロナ騒動は“騒動”であって人類危機とは全く考えてませんけど
本当の危機は隕石衝突、大規模カルデラ噴火、巨大太陽フレアなどだと思ってます。
人によっては異星人侵略も含まれるかもしれませんが(笑)
いずれも今の人類ではほとんどどうしようもないでしょうけどね(惨)

では、この本で扱っている国家危機は何かというと以下の6つの過去の国家危機です。

・フィンランドの対ソ戦争と綱渡り外交
・日本の黒船襲来と明治維新
・チリの軍事クーデターと民主化
・インドネシアの独立、クーデターと大量殺人
・戦後ドイツの再建と東西統一
・オーストラリアの英国からの独り立ちとアイデンティティ確立

ひとつひとつこと細かくここで紹介はしませんが
正直いうとボクは明治維新とドイツ統一以外はほとんどその史実を知りませんでした(恥)
書かれていることは叙述的で著者の主観に基づくものでありますが
いちおうは史実に沿って書かれているので、へぇーそんなことがあったんだと驚いてました。

フィンランドはノキアと1000湖ラリー、チリは安くて美味しいワイン、インドネシアは観光地バリ、
オーストラリアは色々あるけど牛肉やコアラくらいのイメージしか無かったですから(恥)
ずいぶんと勉強になったかなと思いますし、面白かったです。

 

それらの国家危機に続いて、最後には今危機に陥っている国家として
日本とアメリカが取り上げられていて、その中身の解説がされています。

アメリカの危機はどうでもいいんですが(汗)、日本の危機の中身として
国の借金、女性差別、人口減少、高齢化、移民(抑制)、隣国との関係などが挙げられています。

まぁ、国の借金は不安定性要因にはなるし、女性差別はもっと問題視されるべきですしょう。
ただ、著者は人口減少、高齢化はあまり問題ではないというか強みにもなるとの考えのようで
個人的には完全に賛成できないもののその考えが成り立つのであれば歓迎かなという感じです。

隣国との関係は確かにいろいろと問題はあるのは認めざるを得ないところですが、
著者の「日本がドイツと同様と対応をすれば、」という主張には
戦争に至った経緯・戦中・戦後の状況は日本はドイツと違うのであってそんな単純なものではないし
そもそもアメリカ人の著者にそんなことを言われたくはないわ、という感情も出てしまいますね。
まぁでも単純なものではない故により総合的に複合的に問題解決を図る必要があるのは事実ですな。

とはいえ、それもこれもひっくるめて日本の政治が変わらなければ何も解決に向かわないでしょうね。

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