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新書「『池の水』抜くのは誰のため?」を読了

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新潮新書の「『池の水』抜くのは誰のため? 暴走する生き物愛」小坪遊著を読みました。
著者は朝日新聞の記者だそうですから、生物学などの研究者ではないのですが
取材の中で見聞きしたことなどを中心に本書をまとめたのでしょう。
本書が初の単著ということになるようです。

内容的には、タイトルからも分かるように某テレビ番組の批判的なものも入っていますが
それらも含めて生物多様性などについて書かれています。
その生物多様性については以下のように定義されているそうです。

(以下引用)  定義としては、1992年に採択された、国連の「生物多様性条約」に
記された内容が一般的に広く使われています。
 それによれば、「『生物の多様性』とは、すべての生物(陸上生態系、海洋その他の水
界生態系、これらが複合した生態系その他生息又は生育の場のいかんを問わない)の間
の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む」と
されています。生物多様性とは、全ての生物の間にある変異性(まさに個性と考えると
分かりやすいです)のことです。                  (引用終わり)

なんだか小難しくてすんなり頭に入ってこないですが
まぁ色んな人が色んな意見をするのが良いのと同様に
色んな生物が色んな生態をしているのが良いってことですかね。

そして、むやみな放流、餌やり、外来種の持ち込みも外来種一掃も
多くの場合、その生物多様性に反してしまう可能性があることを例を挙げつつ説明しています。
とはいえ全てが悪いわけでもなく人間が一切関与せずにほったらかしにすべきなのではありません。

そもそも何故生物多様性が必要なのかというと、以下のように書かれています。
                                  (以下引用)
 多くの専門家らが恐れているのは、こうした生き物や自然の姿をゆがめることが、い
つか人にしっぺ返しとして降りかかってくることです。
 生物多様性を保全するのは、単に生き物がかわいいからではありません。生物多様性
の恵みは「生態系サービス」といい、私たちの暮らしを支え、豊かにしてくれる、必要
不可欠なものだからです。                     (引用終わり)

まぁ、人間の傲慢だエゴだと言われるかもしれませんが
結局は環境、環境といっても人間自身のためにどうするかということですからね。
だから、感情的になって、放流したり、餌やりしたり、外来種を敵視して一掃したりせず
専門家がしっかり調査して科学的に計画的に放流や保護や駆除をしなければならないとのことです。

 

本書のタイトルにもなっている「池の水を抜く」=「かいぼり」について次のように説明しています。
                                  (以下引用)
「『かいぼり』とは、稲の収穫期後の冬に、ため池の水を抜いて干し、底にたまった泥
を取り除いて、ため池にひび割れや水漏れがないか等を点検する作業のことです」
                                 (引用終わり)

つまり、かいぼりは元々は外来種退治のためにやるものではなかったんですね。
それに、かいぼりは何度も定期的にやるべきものであって、そうやって継続的に調査し
専門的知見と科学的知見により必要に応じて駆除や放流などをすべきなのだそうです。
そして、続けてその外来種退治についても以下のように書いてあります。
                                  (以下引用)
 また、そもそも「外来種は悪者」というような番組の見方も、分かりやすいようで間
違っているところがあります。外来種とは、人間の活動によって他の地域から持ち込ま
れてきた生き物であり、それ以上でもそれ以下でもなく、善悪とは関係のない概念です。
                                 (引用終わり)

ボクもこの番組は最初は面白がって観てましたけど
その外来種を徹底的に悪者にして「でたー!」とか大騒ぎしている構図に疑問を感じ観なくなりました。
なので、このような説明はすんなりと納得できるところです。
こちらの本でもその辺りは問題視してましたし。

 

あと、不謹慎ながらもちょっと笑ってしまうのは、著者が「ネコバス問題」と名付けた事象です。
もちろん、となりのトトロは無関係ですし、園児送迎用のネコ型バスとも無関係で
野良ネコとブラックバスは感情的かつ悪質な人が問題を大きくして炎上しやすいという意味です。
釣りを楽しむために意図的にバスを「ゲリラ放流」する「一部の悪質なバサー」が居るんですね。
そして、「バサー」という言葉を初めて耳にしましたよ。
どうせ造語だからいいですけど、一般的に「名詞+er」はないので低能さが感じられる言葉ですね。

最後に絶滅危惧種については、著者はその保護は必要という立場であり次のように書かれています。
                                  (以下引用)
 車の記事などでも「絶滅危惧種」などという表現が時々出て来ます。そこに出てくる
のは、多くの人は乗らなくなったけれども、失われるのは惜しい車ばかりで、「かっこ
いい」「希少価値の高い」ものです。そうした車に乗り続けることは、車の文化を豊か
にするかもしれませんが、生き物の絶滅危惧種を取引し続けることは、絶滅の恐れを加
速させることにもつながります。決して「かっこいい」ものではありません。むしろ、
犯罪に近い行為だといってようでしょう。              (引用終わり)

例えで車が出てきますけど、MT車、ホットハッチ、純ガソリン車など絶滅危惧種に乗ってる身には
そのことで「かっこいい」とも「希少価値の高い」とも思ってはいないんですけどねぇ。
まぁでも生き物の絶滅危惧種の取引は犯罪に近いというよりほぼ犯罪行為でしょう。

 

本日のおまけ

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地元・群馬県前橋市の桝澤酒造の「絶滅危惧 レッドリスト」です(笑)
スーパーとりせんで税別ジャスト1000円(720mL)なのでさほど高くはないです。
ラベルにはこんなことが書かれています。少し長いですが引用します。
                              (以下引用、改行位置変更)
生物のある種が絶滅すること自体は、地球の生命の歴史においては無数に起きてきた現象です。
しかし、人間の経済活動がかつてないほど増大した現代では、人間活動が生物環境に与える影響
は無視できないほど大きく、それによる野生生物の絶滅はこれら社会の影響にもよるものと考え
られている…地酒の味も似ている。
本来、地酒というものは、その地域の生活環境、食生活にともない長い時間をかけて独自の酒質
を形成してきたものである。しかし現在、都会でも田舎でも均一化していく食生活にともない独
自の酒質が生息していくのは厳しい状況に置かれている。今の時代だからこそ、地酒本来の味も
知ってほしい。数年後には無いかもしれない味だから。            (引用終わり)

確かに、もち米を使ったり伝統の独自の製法などもあるようですが
端的に言って今の「辛口・大吟醸ブーム」の中にあって絶滅危惧されるお酒という意味と理解しました。
円やかで芳醇な味のボクの好みのお酒でした。
と辛口・大吟醸嫌いとか言っているボク自身がもう絶滅危惧種なのかもねぇ。。。

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