森会長の女性蔑視発言は論外だが問題はそこに留まらない
まぁニースで騒がれてますなぁ。女性蔑視発言は論外ですし、
発言したのがオリンピック組織委員会会長であり元首相なのですから日本の恥なのも確かでしょう。
という意味では、建国記念の日に記事にする話ではないのかもしれませんね。
もっとも、組織委員会会長も首相も我々国民が直接選んでいるわけではありませんけどね。
本人が本心でどう思っているかは別問題としても
そういうことを言えば今は問題になるという想像力も自制心も働かないというのが不思議ですね。
あまりにも時代錯誤だし自分の立場も理解できていないのでしょう。
ただ、あの人の失言はなにも今回だけではないし今に始まったことでもないのも事実です。
なのでそういう人を会長にした時点でいつかはこうなる可能性が高かったわけですから
組織委員会全体にも問題があったといわざるを得ませんよね。
そして、おそらく本人は女性蔑視として発言したのではなくポロッと本音が出ちゃっただけでしょう。
だから余計に根が深いというわけなんですけど。
しかし、そもそもどうして「女性は会議が長い」というのを本音で感じていたのかからして違和感です。
確かに、人にも寄りますが、ガールズトークはエンドレスなイメージがあります。
それは若い子だけでなくおばあちゃんまでどの世代を通じてもそうでしょうし
男性と女性を比較すれば少なくとも日本では女性の方が日常会話が長いというのは
まぁ別に女性蔑視や女性差別というわけでもないし多くの人が納得できるのではないでしょうか。
でも、それはやはり日常会話などの話であって
ある目的を持った会議という場では特に女性が話が長いというイメージはないし
男性目線でも女性目線でも「女性は話が長い」とはならない気がします。
ボクが現役サラリーマン時代を思い返してみても
女性社員は少数派でしたけど話が長いというイメージはなく
むしろ簡潔明瞭な人が多くて男性の方が話の長い人が目につく感じでしたしね。
まぁ人にもよるのでなんとも言い難いですけどね。
政治家などの挨拶や答弁など聞いていてもだいたい話が長い人は男性に多い気がしてます。
昔、労働組合の幹部をやっていた人がオフレコの時に
ああいうのは「言語明瞭・意味不明」で喋り続ければいいだけだから簡単だよと言ってましたが
まさしく意味不明で中身のない話をするのはその手の男性によくありがちです。
もっとも日本の(男性)政治家には「言語曖昧・意味不明」な人も多いのでなんともですが……
なお、森会長発言を受けて女性で話が長いのは私のことではと名乗りだした女性がいますが
実際には森会長は「女性は競争意識が強いから発言したがる」ようなこと言っていて
1人の女性が長々と喋り続けるというより皆が発言したがるので時間がかかると思っているようです。
でも、これまたなんか違和感を持ちますね。
こういうことを書くとボク自身が女性差別とかステレオタイプの価値観だと指摘されるかもですが
むしろ男性の方が競争意識が強くて女性の方は協調性が高いというイメージがあります。
どうやらこれも社会環境の影響が大きいようなので昔ながらの日本社会ではという限定になりますし
競争意識と協調性は必ずしも対立しあうものでもないですけどね。
そもそも会議をしているのだから発言が多いことを非難するのはナンセンスで
逆にほとんどもしくは全く発言しないような人こそ非難されるべき存在であるはずです。
もちろん自説を頑なに曲げず反対者と延々とやり合うようなのは議論ではないので排除すべきですが
こういうことをするのもボクの経験では女性よりも圧倒的に男性の方が多い印象ですね。
ということは、つまり森会長がやっている会議とやらはほとんどの男性は発言しないんでしょうね。
だとしたら、それは議論を交わして合意形成してよりよい結論を得ようという“議論”ではなく
すでに結論めいたものがあってただそれを確認するという単なる形式的な場でしかないということです。
あるいは、会議形態そのものがひと握りの権力者の意見にただ周りの人(男性)たちが忖度するだけ、
まぁ忖度というのはもともと悪い意味の言葉ではないので長いものに巻かれろ的な
同調圧力が働いているだけの場なのかもしれませんねぇ。
同調圧力と協調性はまったく違いますからね。
ちなみに、ボクが富士重工の現役サラリーマン時代はさすがに民間企業なので
あまりに露骨な結論ありきの会議はほとんど無かったですけど
それでもその場の一番偉い人の意見が空気を形成して反対意見が出にくいことはありましたね。
でも、森会長(森郁夫 2006年~社長、2011年~会長)時代になると
そんな雰囲気はあまりなくなりましたけどね。
と、なんだよ結局は“森会長”繋がりで冗談めいたこと書きたかっただけかよと思われるかもですが(笑)
さて、新型コロナ禍でオリンピック開催が危ぶまれているこの時にも
森会長は「何が何でも開催する」的な意気込みを見せていて
まぁそれ自体は最終的には科学的・論理的に判断するべきでしょうが
今の段階では開催を前提に準備を進めるというのは妥当な考えだとも思います。
それでも、開催に向けて非常に多くの障害があるのは火を見るよりも明らかなわけで
そんな時にまともな議論もされない形式的な会議モドキをしているのでは
開催できるものも開催できなくなってしまうんじゃないでしょうか。
おそらく日本の政治も分科会とか委員会とかいう会議のほとんどはこのような会議モドキなのでしょうね。
だから元首相もそれが当たり前だと思っているから
女性に限らずですが発言者がいて本当の議論の場になることを嫌う。
というかちゃんとした議論ができないから戸惑って文句だけ言いたくなるんでしょう。
そして、会長擁護に走る政界トップの人達がいることからしても今現在もそのような状態なんでしょうね。
だから、単に女性蔑視だけではないしオリンピックだけの問題ではないということです。
ということは、単に森会長だけの問題ではなく日本という国・政治・日本人としての問題ということですね。
まことに情けないことですが……やっぱり建国記念の日に書く記事ではなかったかなぁ。
P.S.:あら森さん辞意表明ですか。まぁそうなりますね。
ただ、上述のように辞任したからそれでお終いというわけにもいかない問題ですけど。
| 固定リンク
コメント