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新設部署のAWD-CoEでのボクの立ち位置は?

このシリーズも前回前々回と少々脱線というか時系列から外れましたしまた少々間が空きましたが
この記事の続きとして2000年初頭に「時を戻そう!」(笑)

さて、AWD-CoEということになったスバルに対してGMが期待していたことは
なんとなくおぼろげながらも想定できたわけですが、
ではAWD-CoEという新設部署に異動となったボクとしては
その部署の中でどういう立ち位置でどういう役割をすればいいのか?
これも誰も指示も指示も説明も助言もしてくれません。
というか社内の誰もそれを分かってないし考えてもいないから当然でしょう。

いちおうAWD-CoEという組織内にもボクの上司に当たる人はいたわけですけど
職位がボクより上であるため形式的にボクの上司という立場になっているだけという感じで
人事査定とかはするけど業務の指示は基本的に何もしない/何もできないという状態でした。
そういう状態からしても異常な状態なわけですけどね(呆)

つまり、自分のことは自分で考えて行動しなければならないわけです。
まぁこういうのは慣れているというか
指示待ち人間というタイプではないのでボクには性が合っていたとも言えますが。
というわけで、自分の立ち位置とテリトリーは何かを自分なりに考えてみたわけです。

 

ボクは操安乗り心地の研究実験部からAWD-CoEへと異動したので
その意味では操縦安定性の専門エンジニアとしてAWDを捉えるということは可能です。
けれども、AWDとして影響がある性能は操安性だけではありません。
トラクション、登坂性能、悪路走破性などもAWDに期待される性能になりますが
燃費、ドライバビリティ、ブレーキ(ABS等も含む)、振動騒音なども影響の大きな性能です。
さらに間接的にはもっと様々な性能に影響があるものです。
また、AWD化して使用環境が変わってくればそれに合わせて要求性能が変わってくるものも多いです。
例えば、降雪地域で使われるようになれば暖房性能、デフロスタ性能などは強化する必要が出てきます。

AWD-CoEのメンバーの中で車両の研究実験部の経験がある人間はボクしかいないので
操安性だけやっていればいいというわけにはいかないでしょう。
もともとボクはなるべくクルマ全体に関わる仕事がしたいという思いも強かったので
操安性だけというより性能全般に関わるというのも自分の意向に合うものでしたしね。

ただし、AWDに影響する性能・実験の全般をテリトリーにするといっても
例えばトランスファー、センターデフ、LSDなどのAWD機構の部品について
それらの単品の耐久性、信頼性、振動騒音等の性能・実験などは除外することにしました。
あくまでも車両全体としての性能・実験の中でAWDに影響する性能・実験の全般ということになります。

 

しかし、性能・実験の全般といったって、AWD-CoEは何ひとつ実験設備・計測機器など持ちません。
さすがにテストコースの走行ライセンスは剥奪されませんでしたけど
テストコースを走行する手続きでさえ完全にアウェイ状態になってしまったほどです。
そもそも、実験対象となる試験車だってスタート時は一切ありませんから
ボクが直接性能評価や実験することはほとんど不可能に近いわけです。

結局、自分でAWDの実験をすることはほとんど限られてしまいますから
やれることは実験部署の窓口的な立ち位置になることくらいかなと。
本当は単なる窓口ではなく実験部署のAWDに関する業務を横断的に総括するような
そんな立ち位置がとれればやりやすいのですが、そんな権限は与えられてませんし
そんなGMから押し付けられたような仕事に積極的になってくれる人(部署)もほぼいませんし
他の部門である技術開発部からあれこれ指示されるのを快く思わない人がほとんどでしょうからね。

 

では、そのAWDに関する実験部署の窓口的な立ち位置ちとはもう少し具体的にはどんなことなのか?
まぁ、その辺はおいおいとボクが具体的に何をやり始めたのかを次回に書いていくことにしましょう。

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