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新書「コロナと生きる」内田樹・岩田健太郎を読了

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朝日新書の「コロナと生きる」内田樹 岩田健太郎を読みました。
二人が3回に渡って対談したものを文字起こしした本です。
岩田健太郎氏は医者でありかつ感染治療の専門家であり
新型コロナウイルスの真実」や「『感染症パニック』を防げ!」を読んでボクも知っていて
その専門的見識や歯に衣着せない物言いで個人的には反骨心のある面白い人との印象です。
一方の、内田樹(たつる)氏は知りませんでしたが大学名誉教授でフランス文学者で武道家だそうです。
立憲民主党パートナーということでちょっとどうかなという面もありますが
少なくとも本書を読む限りは左寄りというより自分の意見をしっかり持っている人という印象ですね。

3回の対談は、今年の5月14日、6月10日、7月6日に行われたことになっているから
まだ安倍政権の時ですし、GOTOトラブルやそれによる第2波については対談されてませんが
それでも初期対応の振り返りとして考えるには興味深いものと言えるでしょう。


それでは、対談の中から興味深い部分を紹介していきましょう。
まずは5月14日の第1回目の対談からです。

                                 (以下引用)
岩田 (前略)
 でも結局、日本人みんな示し合わせたように自粛モードになって、事実上のロックダ
ウンになりましたよね。日本という国はやはり良くも悪くも、「空気」を醸成すること
が大切なんだな、と感じました。   (中略)
 でも逆もまた真なりでして、「もう大丈夫じゃないか?」みたいな空気が醸成される
と、今度はいっきに街に人が出始めて、感染が増えていくはずです。僕は多分、再来週
あたりから、東京の感染者数がまた増えていくと予想しているんです。
内田 そうですか……。                       (引用終わり) 

                                  (以下引用)
岩田  (前略)
 コロナの感染が広がる一番の原因は、「同調圧力」なんです。みんなが一つの場所に
集まるから、どんどん感染が広がっていく。逆に言えば、「人と違うこと」をやり続け
ていれば、感染リスクはどんどん減っていくんです。ところがこの「人と違うこと」に、
今の日本人の多くは耐えられない。 (中略)
内田  (前略)
これは、限られた環境世界のなかで複数の生物種が生き延びてゆくために、生態学的ニ
ッチを「ずらす」という線損戦略と同じだと思うんです。  (中略)   岩田先生
も僕も、「人と同じことをする」ことが大嫌いですけれど、そういう人って、たぶん感
染症に強いんですよね。                       (引用終わり)

引用ばかりになってしまってちょっと申しわけないところですけど
日本人特有の「空気」や「同調圧力」について触れています。
そういうものが感染予防に効果的であってり逆に感染を広げる圧力になってしまうし
また自粛ポリス、マスクポリスなどを生む原因にもなったりするんでしょう。
けどパニックになった諸外国なんかは
もっと酷い「空気」や「同調圧力」に支配されてるようにも見えますからねぇ。
それにしても、ボクは「人と違うこと」大歓迎なので感染しにくいと言えますかね(笑)

 

6月10日の第2回目の対談では安倍政権の政策について議論しています。
先ずはアベノマスクです。さすがにこの政策を肯定的に捉えている国民は少数派でしょうが……

                                  (以下引用)
岩田 少なくともアベノマスクはコロナの感染を減らしたり、経済を立て直したり、
病院関係者の士気を高めたりといった効果はゼロです。うちの夫婦は「2枚布のマスク
が配られます」と聞いたときに、ずっこけました。何かの冗談かと思って、怒りを覚え
るというより、脱力しましたね。
内田 僕はかなり怒りがこみ上げましたね。限りある予算を優先配分する先として、布
マスクを全所帯に配るのって、費用対効果が悪すぎます。政治家というのは、危機的状
況に際して、どこから先に手当てするのか、物事の優先順位を決めるのが仕事なのに、
その仕事がまったくできない。
岩田 旧日本軍のインパール作戦みたいなもので、費用対効果とかどうでもいいんでし
ょうね。                              (引用終わり)

                                  (以下引用)
岩田 じつはアベノマスク以降、専門家会議も厚労省も、マスクについてはほとんど何
の発表もしてないんです。 (中略)
内田 アベノマスクへの忖度ですか?
岩田 首相肝いりの施策に対して、「布マスクはつけても意味がありません」とか言え
ないじゃないですか(笑)。
内田 それでマスク自体、話題にしないことにしたわけか。       (引用終わり)

あはは、本当に忖度したのかどうか分かりませんが
本当だとしたら富岳での計算結果の発表なども忖度が入っていても不思議はないですわな。
そして、どうしてそういう“忖度”がはびこるのかというと、次のような議論につながります。

                                  (以下引用)
内田 (前略)
 安倍政権下では実際に8年間国民を敵味方に分断して、敵の意見はすべて無視、味方
の意見は優先的に採用、「身内」はさらに厚遇という粗雑な政権運営をしてきました
    (中略)                   棄権率が50%なら、30%
くらいのコアな支持層のためだけの政策を続けていれば、受益者は今の政権の存続を願
いますから、選挙には勝ち続ける。巧妙な手口だと思います。
岩田 そうですね。今の自民党支持率が三十数%で、各野党の支持率がそれぞれ5%以
下ぐらいですからね。
内田 でも、感染症対策はそうは行かないでしょう。感染症では「自分の支持者だけに
いい思いをさせる」という手が使えませんから。(中略)でも、「国民が等しく受益できる
仕組み」というのを構想するのが今の政権は苦手なんです。自分の支持層だけが受益で
きる政策の立案には長けていますけれど。だから、感染症対策でさえ、つい「身内がそ
れで利益を得る政策」を優先的に考える。それが習い性となっているので、今さら方向
転換ができなくなっている。アベノマスクをはじめ、下手を打った政策は全部そうです
ね。                                (引用終わり)

まぁ分かりやすいと言えば分かりやすい構図ですね。
「身内がそれで利益を得る政策」ばかりを提案しているのは官僚でしょうけど。
いずれにしてもトランプ大統領と大差はないってことでしょうね。
さらに、新型コロナ騒動とはあまり関係ないですけど次のような話題は面白かったです。

                                  (以下引用)
内田 官僚がワイドショーを観て、世情を視察してるんですか……。
岩田 「神戸大の岩田が何月何日に『ミヤネ屋』でこう言ってた」とか全部パソコンに
打ち込んで記録してるそうです。
内田 なんと。でも、その記録採っているのって、在京のテレビキー局だけだと思いま
すよ。何年か前、総選挙のときに、テレビ局に対して政府から「政治的中立性を保つた
めにすべての政党の主張は公平に扱え」という通達があったじゃないですか。あのとき、
ちょうどMBSでラジオの収録してたんですけど、あれが示達されたのは東京だけで、
大阪のテレビ局には来てないと教えてもらいました。東京以外のテレビ局は政府からは
「存在しない」ことになっているらしい。               (引用終わり)

内閣情報調査室がそんなこと調べて内閣から圧力かけて言論統制しようなんて
ほんとにどっかの独裁国家と似たようなやり口ですねぇ。
でも東京以外のテレビ局は対象外というなら関東以外に移住しようかな(笑)

 

7月6日の第3回目の対談では専門家会議の廃止について議論しています。

                                  (以下引用)
岩田 (前略)                         要するに日本は、
問題をどう解決するかよりも、その場をどう丸く収めるか、というのを会議の目的にし
ているんですね。
 今回の専門家会議廃止も、事を荒立てるよりは……えーと大体、僕も含めて専門家っ
て事を荒立てるので(笑)、「もっと後ろに引っ込んでなさい」と言われたわけです。あ
なたたちはデータを我々にこっそり教えてくれればいいので「表に出るな」と。(引用終わり)

                                   (以下引用)
内田 専門家会議も廃止されましたし。
岩田 そうなんです。最大の問題点は、専門家がこれから多分、積極的にコメントをし
なくなることです。     (中略)
 専門家は「私の耳に心地よく響くようなことだけ言ってろ」という隠れたメッセージ
を政治家の目配せに読み取り、忖度する。データにしても、「気持ちいいものだけ出
せ」と。気持ち悪いデータは出さない。                (引用終わり)

まぁ、専門家会議があった時でもその専門家にコメントさせていたのは
政治家そのものが責任取りたくないから専門家にコメントさせて責任転嫁させてただけでしょうし
だから専門家会議の議事録も全く作らなかったんでしょうしね。
議事録作っちゃうと都合が悪くなって廃棄しましたのワザはもう通用しないし(笑)

最後はワクチンの話題となっていきます。
岩田氏はそんなにすぐに有効なワクチンはできないと予想しているみたいです。
また、仮にワクチンが出来た場合、優先順位をどうするかが議論になるだろうということで
岩田氏は感染拡大を抑えるなら若者優先、死亡者を抑えるなら高齢者優先、
そして子どもは最後という考えのようです。
確か政府は高齢者優先と言い出したと理解してますけどどうなんですかね。

まぁボクはその高齢者には含まれないのでどうでもいいんですけど
あんまり慌ててワクチン認可されてもすぐにワクチン打ちたいとは思わないですね。
新型コロナに感染して死ぬ確率とワクチン副作用で死ぬ確率のどっちが高いかは比べようないけど
新型コロナに感染して死ぬのは運命だと受け入れやすいけど
ワクチンの副作用で死ぬのは死んでも死にきれない思いがありますからね。
まっ、どっちも死んじゃえぱ同じなんですが。

なんにしても、なる早で安全で有効なワクチンが十分な量できればそれにこしたことないですけど。

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