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脱ハンコ加速? 無職にはあまり関係ないか

脱ハンコの動きが加速しそうですね。
新型コロナ騒動でのテレワークが進んでもハンコを押すためだけに出社するなんてのが
問題視というか嘲笑のネタになったりしましたし、
菅新政権では行政改革のひとつの象徴みたいになってますからね。

 

ところで、ボクが現役サラリーマン時代だったころは会社では4種類のハンコを使っていました。
①職番付ゴム印、②認印、③日付印、④電子印です。(〇秘印など個人名のないものは別)

①職番付のゴム印は、社員番号とフルネームがセットになったゴム印で会社から支給されるもので
社内で個人的に物品を注文したり旅費を申請したりするときに使うものでした。
ただ、慣例的に職場毎にまとめて保管するようになってましたから
使おうと思えば誰でも他人のゴム印を勝手に使える状態にあったのでほとんど無意味ですね。
まぁ他人のを勝手に使ってもすぐに足が付くのでそんな悪さする人はいないでしょうけど。

②認印は、個人で用意して旅費精算など給与振込以外で貰うお金の領収などで使用してました。
年末調整や共済保険などにも使用してましたが
教育履歴の確認印など日付印では大き過ぎる時にも代用してましたね。

旅費精算などで認印を押すのは普通の感覚ですけど押すののは受け取った時でなく申請時なんですよね。
申請時にまだ受け取ってないのに領収の意味であらかじめ押印するわけですから変ですよね。
実際に受け取ったかどうかは口座振り込みなので記録は残るから心配不要なのですが
たぶん税務処理なども絡むので役所仕事としてともかく押印が必要なのでしょう。
この辺りは昨今の行政改革での脱ハンコによって必要なくなるとすっきりするのかなと思います。

これも慣例的に個人個人のデスクの引き出しの見やすいところに置くことになっていて
誰でも勝手に使用できるようにしていたのでセキュリティの観点では問題ですよね(笑)
まぁ長期出張や入院中などでも代行でそれらの処置ができるようにということですけどね。
だから、ボクはこのハンコは会社以外では絶対に使用しないようにしてました。
これを銀行印にするなんてのはいくら同僚を信頼しててもやはり危険極まりないですね。

この後に出てくる日付印も含めてハンコってハンコそのものをその持ち主以外が
絶対に使えないようにしないとセキュリティに問題がでるシステムですよね。
ハンコそのものが他人が使える状況にあればなりすましの危険性がありますし
シャチハタは三文判ならほぼ同一の印影でなりすましの危険性があります。
だから、実印・印鑑登録というさらに面倒くさいシステムが必要になっているわけですが。

そして、こういうセキュリティが脆弱なものなので完成検査不正問題の手口になるわけですし(汗)
この点はすでに改善されているとは思いますが……

 

③日付印は、日付と姓がセットになったゴム印で係長以上に会社から支給されるものでした。
最初は差込式でしたがその後ダイアル式になりました。老眼には差込式は辛いですから(汗)
この日付印が飛びぬけて使用頻度が高くて、一日に何十回、時には百回以上も押印してました。
ですから、朝出社した時にまずは日付印をその日の日付に合わせるというのが日課となってましたね。

どうしてそんなに日付印を押印しなければならなかったかというと
ISO9001からみで配布されてくる文書に受領印が必要ということになっていたからです。
官によって決められているわけではないけれど品質確保のために定めているルールですから
面倒だからと勝手にやめるわけにはいきません。
実質的にはほとんど内容確認せずにポンポンと事務的にハンコ押してるだけなんですけどね(汗)

数日遅れて押印しても構わないし、代理の人がその人の日付印で押印して“代”とか書いてもOKですが
いずれにしても誰かがどこかのタイミングでハンコを押す必要があるというわけです。
また、受領に対して数は少ないですが自部署から発行する文書にも承認印として日付印を押します。
ですから、テレワークしていてもハンコを押すために出社しなければならない事態はあり得えます。

そして、ハンコを無くしてその代わりに署名して日付も記入していたらかえって面倒です。
ハンコならポンポン押せるから効率が良く時短にもなりますから(笑)、ハンコは有用です。
つまり、紙の文書を無くさない限りはハンコだけ無くしても意味がないということですね。

なお、④電子印は、電子承認・電子決済ではなくて単に画像コピペだけなので簡単に偽造できます。
ですからISO9001などのための使用は認められないので何の意味もありません(笑)
何の意味もないけど、事務手続きで決まりになっているだけの押印の代用にできたので
便利と言えば便利でしたけどね。ただ、それってやる気になればすぐ廃止できるってことですが。

結局のところ、文書の承認・発行・受領・確認すべてをデジタル上で出来るようにしなければ
紙の資料もハンコも無くせないし完全なテレワークも成立しないというわけです。
まぁ自動車の開発現場で完全なテレワークはどのみち成立しないですけど。

 

ボクがサラリーマンとして勤めていた会社は上述のようなIT化は遅れていたと感じてました。
実際には他の会社のことは知らないので断言はできませんし
もしかしたら今はすごく進んでいるかもしれませんけど。

例えば、技術報告書などはMS-Wordで作成するよう定型フォーマットがありますが
作成者は最終的にそれをプリンターで紙に印刷してから上司に見せて承認を得ることになってました。
機密レベルや配布先もWordで記入したとしてもその情報がデジタルで処理されるわけではなく
それ以降はすべての情報は紙ベースで、つまりアナログで伝わるようになります。
上司はハンコを押して、さらに上司に渡って行き、そして管理部署へと社内郵便で送られていきます。

管理部署ではその紙の文書をスキャナで取り込んで画像データとして文書管理システムに入力し
機密レベルや配布先も入力していくわけです。
そして必要枚数を紙でコピーしてそれらをまた社内郵便で配布先に送るのです。
そうやって送られてきた紙の文書に受領印を押すわけです。
まぁ面倒なことですし効率も悪いですね。

紙で印刷してコピーするのでモノクロ以外のカラーの使用は避けるように通達されてました。
別にカラフルで人目を惹く報告書にする必要はないのですが
技術報告書であればグラフ等も載せるのでカラー化はとても有効なんですけど。
というかそのようなグラフのほとんどは解析装置でデジタルデータとして存在しているはずで
それを一度紙に印刷した上で報告書に添付していること自体がナンセンスなんですよね。

開発部門の社員は基本的にほぼ全員にパソコンが支給され社内ネットワークにアクセスできたので
やる気になれば紙の文書を一掃することがとっくの昔にできたはずなんですが
なかなか進まずにアナログな紙の文書が主流であったわけです。
だからどこの職場に行っても周りは書類棚(キャビネット)だらけで
個人のデスクの引き出しもさらにはデスクの上にも書類がぎっしりという人が結構多かったですね。
ボクはスカスカ・ガラガラでしたけど(笑)

紙の文書なんて一旦ファイルに閉じてしまうともうほとんど誰も読まないことも多く
なのに検索システムもないので必要な文書はなかなか見つからなかったりして
そんな状態だから捨てるに捨てられずに場所だけ取っていたりと良いことは何もないんですよね。

 

それから直接的に脱ハンコに繋がるわけではないですが
とにかく承認のために幾つものハンコが必要になるというのには辟易しましたね。
特に若くて平の時なんかは技術報告書ひとつ出すにも
チームリーダーのサイン、担当(係長)のハンコ、課長のハンコ、部長のハンコが必要ですし
そこに次長とか副部長とかがいるとそれらのハンコも必要になると……

これなんかはハンコがどうのこうのではなく組織の問題でしょう。
もっとフラットな組織にして簡略化・効率化してスピーディに仕事が進むようにしないとね。

 

というわけで、脱ハンコといってもただハンコを捨てて自筆サインにするだけでは
あまり意味がなく場合によってはかえって面倒くさくなるということですし、
脱ハンコするなら併行して紙文書のデジタル化・IT化が必要ですし
企業でも行政でも組織や手続きの簡素化が不可欠だということでしょう。

脱ハンコが目的ではなく企業でも行政でも効率化が目的であり
脱ハンコというのはそのためのひとつの手段でしかないわけですからね。
そこを間違えない限りは基本的にボクは脱ハンコは賛成の立場です。

一部に「ハンコ文化を守れ」とか言ってる人もいるようですが
“文化”という言葉の定義はともかくそこには“精神論”が垣間見えますわな。
外野が“文化”という時には“嘲笑・軽蔑”の意味合いがあるかと思いますけど。
なんにしても、企業や行政の効率化の問題に文化論・精神論を持ち出すのは違和感しかないかな。

 

とは言え、タイトルに書いたように無職の身にはもうハンコを使う機会もめっきり減りましたので
あまり関係ないですね。
退職直後は諸手続きやハローワークなどでそれなりにハンコ使いましたし
父親の遺産相続ではかなり実印を押しましたし一時は実家に置きっぱなしにしてましたけど。
銀行などもほとんどネットとATMで済むので窓口で届出印使うこともないですし。

今は宅配便の受け取りの時ぐらいですかね。
これなんかは一時期タッチパネルにサインする方式などをとる業者もありましたけど
最近はハンコ(もしくは自筆サイン)に戻った感じです。
ワンタッチ式(シャチハタ式)のハンコの方がはるかに簡単で衛生的ですからね。
ということからも、脱ハンコといってもそうそうすぐに
日本の世の中からハンコが根絶されることはないでしょう。

まぁこれも生体認証とか生体埋め込みマイクロチップが普及すればなくなるでしょうけど。

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