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スーパーコンピュータ富岳でのマスク検証報道に?

先日ですが理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」を使用してマスクの効果を検証したとの
ニュース報道を目にして、なんか違和感を感じたので、その辺りのことを記事にしてみたいと思います。
※富岳での計算はマスクだけでなく換気やパーテーションやフェイスシールドなど多岐に渡りますが。
ただ、ボクはコンピュータの専門家でもないし、感染症の専門家でもマスク製造の技術者でもないから
単なる与太話でしかありませんので、あしからず。

先ず最初に違和感を感じたのは、
①なんで今さら世界一のスーパーコンピュータを使ってマスクなんかの効果検証してんの?ということ。
と同時に、②なんでわざわざ「富岳」を使ったなんてのがニュースタイトルに入ってんの?ということです。

②について少し補足すると、一般の人にとって富岳で計算したかどうかなんてまったく関係ないでしょ。
富岳はまだ試行運用中だから理化学研究所の宣伝にしたいのかもしれませんし
蓮舫氏の「2位じゃだめなんですか」発言への当てつけかもしれませんが(笑)
ちなみに、蓮舫氏はいろいろアレですが、あの発言は予算統制者側としては当然の質問で
その質問にきちんと応えられるかどうかが予算申請側の能力と責務だとボクは認識してますけどね。

少し脱線しましたが、②についてはさらには
富岳の名を持ち出すことでなんとなく凄そうなという結果の権威づけをしたいのかもしれません。
ただ、いずれにしてもそういう魂胆が垣間見えると天邪鬼なボクなんかは辟易してしまうんですよね。
科学的であるべきことに非科学的な感情を乗せてくるわけですから正しい情報とは感じられなくなります。
まぁその辺の魂胆が理化学研究所のものなのかメディアのものなのかは分からないですけど。


戻って、①についてももう少し補足すると、少なくとも今の日本ではほとんどの人が
新型コロナ感染に対してマスクの効果を信じているような風潮であるにもかかわらず、
今さらそんなことをするってことは実はまだまだマスクの効果は科学的に証明されてない
ということの裏返しだなということです。

実際にこれまでもマスクの効果を検証したなんて幾つかの報道もありましたが
強制送風した小部屋にマウスを入れたとかあまりに現実社会とは乖離したような話だったりします。
それに対して、スペイン風邪でもマスクマスクと騒がれたわけですけど
その後のインフルエンザなどでも大規模な実生活での検証が行われて
それによればマスクは効果なしどころか感染ルートになっている可能性があるという結果になってます。

新型コロナは無症状者が多いとかエアロゾル(微細粒子)化するとか言われ出しましたが
先の実証実験は無症状者ですし、実はインフルエンザもエアロゾル化するとも言われています。
そのような結果があるにも関わらず、だから当初はCDCもWHOもマスクは推奨しなかったのが
おそらくジャパン・パラドックスからその要因がマスクではないかと推察されて
そこからともかくマスクでもなんでもそれにすがろうというのが世界中の今なのではないかと思います。

また、マスクの効果、ここでは飛沫の拡散防止効果くらい世界一のスーパーコンピュータを用いなくとも
計算できるんじゃないの?というのも冒頭の①の違和感につながってます。
どの程度まで詳細なモデル化をしているかによって計算時間や実質的に計算できるかどうか決まりますが
それが世界一のスーパーコンピュータでなければできなかったのかどうか何も示されてないですからね。

 

そう、どのようなモデルで計算したかが一番重要なことでそのモデルがリアルな現実を反映してなければ
いくら世界一のスーパーコンピュータで計算しようがその結果はまったく無意味なんですよね。
そして、次に重要なのが結果をどう解釈するかという部分です。
コンピュータの専門家でも、感染症の専門家でもないので具体的にどうこう言えませんが
それでも自動車のエンジニアとして実験もシミュレーションもしてきた経験から言えるのは
このモデル設定(実験なら実験条件設定)と結果の解釈を間違えたらすべてがオジャンです。

ボクは理化学研究所の結果を論文などを読んだわけじゃなく
単に報道から概要を読んだだけなのでそのメディアのバイアスもかかってるかもしれません。
それによれば「マスクの効果検証。布マスクでも同等の効果。」みたいなタイトルになってました。

B200828_1 
「布マスクでも同等の効果」と言われてこの図を見せられても
どこが同等なの?全然ちがうじゃん、としか見えませんけど……

不織布のサージカルマスクはマスクと顔の隙間から多くの飛沫・エアロゾルが噴出するのに対し
布マスクは布を通過して多くの飛沫・エアロゾルが漏れるのでその総量は大差ないという結果です。
そして、ポリエステル・マスクはその中間でやはり総量は大差ないと。
ただ、総量だけをもって布マスクも同等の効果というのは明らかに解釈が間違ってますよ。

というか、そもそもこのモデルでは勢いよくクシャミをした場合の飛沫拡散となってます。
この時節にリアルな現実社会で、人前あるいは人混みで勢いよくクシャミなんかしますか?
まぁ世の中にはそんなテロ行為のようなことをする輩もまったくいないとは言いきれませんが
普通はそんなことしないですし、そのような人から感染したなんて事例もまず聞きません。
人前や人混みではクシャミどころか咳だって大人なら我慢します。
生理現象といってもオナラだって我慢するんだから当然ですよね。

一方で、会話や歌唱(カラオケ)などで感染拡大してるのが多いとみられているのだから
どうしてそういうモデルで計算しないのか理解に苦しみます。
一般論としてクシャミや咳よりも会話などではより細かい粒径のエアロゾルが主と言われますし
当然ながらクシャミや咳よりもその飛沫の勢いは弱くなります。

大きな粒径の飛沫はすぐに落下するから2m以上離れていれば直接飛沫を受けることはほぼない、
だからソーシャルディスタンスを保ちましょうということでしょ。
一方で細かい粒径のエアロゾルは空気中を数時間も漂い続けるので密閉された空間では
ウイルスの濃度が高くなりエアロゾル感染(空気感染)の危険性が高まるわけで、
だから密閉を避けて換気よくしましょうということでしょ。

ソーシャルディスタンスは個人個人が意識すれば保てますが密閉空間はそうもいかないところです。
まぁボクなんかは密閉空間と感じるところにはほぼ行かないですけど
社会的には、あるいは生理的・精神的にそうはいかない人も多いのだと思います。
なので、密閉空間が避けられない時にはマスクをしましょうという話になるわけです。

 

だとしたら会話や歌唱の場面で細かい粒径のエアロゾルが
どれだけ捕捉できるかでマスクの効果を判断すべきです。
前述のように勢いよくクシャミした計算しかないので判断が難しいですが
クシャミの場合の粒径ごとのマスク捕捉量の結果からある程度検討することができます。
B200828_2 
エアロゾルは粒径0.1(≒コロナウイルスの大きさ)~1μmぐらいとも言われていますけど
この計算で0.3μmまでしかないのが残念ですが、
おそらく細かくすればするほど計算が膨大になってしまうので
それ故スーパーコンピュータの出番でありかつこれが限界だったのかもしれないですが……

この結果ではエアロゾル粒径を0.3~5μmとやや大きめに定義しているようですが
それでも「両者ともエアロゾル粒子は全体の約40~50%程度が漏れる」と書いてあります。
つまり、これってマスクの効果は半分くらいと結論づけされているんですよ(笑)
これを大きいと捉えるか小さいと捉えるかは人それぞれかもしれませんし
これをもって「マスクは効果がある」というのも間違いではないけれども
同時に「マスクは半分くらいしか効果がない」というのも正しいわけです。

 ※不織布の網目が3~5μm、ガーゼの網目が約100μmとか言われているので
  エアロゾルを捕捉できないのは当然のことだし
  むしろ数10%も捕捉できるのが不思議でその理屈を知りたいですけどね。

これなら、マスクしてパフパフさせながら喋ってるよりは小声で破裂音を抑えて喋る方が
よほど、おそらく桁違いに効果的と言えるんじゃないですかね。
流水手洗いでウイルス残存率1%、石鹸手洗いで0.01%と劇的な効果があるとされるのに対し
このマスクの50%という数値は個人的にはほとんど効果はないと思えるんですけどね。

 

さらに、不織布マスクと布マスクの結果を比べるとかなり大きな差があると言わざるを得ません。
0.3μmのエアロゾル粒子でみれば、不織布マスクは60%ほど捕捉できているのに対して
布マスクは40%しか捕捉できていません。
布マスクの網目は不織布マスクより粗いから当然ですが粒径が小さいほど捕捉できなくなるので
0.1μmだといったいどれだけ捕捉できるのか相当に怪しくなってきますね。

不織布マスクのエアロゾル捕捉60%でもマスクの効果は絶大だと信じる人であれば
布マスクの40%という値は、こんなものはマスクじゃないということになるはずです。
そうでなければ何のためにマスクするのかという論理が破綻してしまいます。
まぁ、論理的判断でマスクしている人はほとんどいないということでしょうけど(笑)

 

また、今回の計算結果のみならず
(無症状者の)通常呼気(鼻呼吸)からどれだけのエアロゾルが噴出されるのか
さらにはそれがマスクでどれだけ捕捉できるのかの研究結果は見たことがないのですが、
普通に考えれば、会話よりもはるかに桁違いに少ない量のエアロゾルしか出ないであろうし
その僅かなエアロゾルの粒径は非常に細かなものばかりとなるであろうし、
であればマスクでの捕捉率はさらに下がってしまいほぼザル状態だと言えるでしょう。

もし超微粒のエアロゾルでもマスクが捕捉することができて効果があるというのなら
逆に自分が空気を吸う時だって空気中を漂うエアロゾルをマスクが捕捉してくれて
自分の感染予防にもつながるはずですよね
でも、今や巷ではマスクは自分が感染しないためには効果はないけど
他人に感染させないためにするものだと言われています。矛盾してきてますよね。

ですから、喋らない人はマスクは不要だし、喋らないことが一番の感染予防策とも言えますね。
もちろん、大前提として人前や人混みでクシャミや咳をしないというのがありますが。

 

というわけで、この富岳での計算結果から分かったことは
「マスクは効果あり」ではなくて「マスクの効果は限定的で半分ほどしかない」であり
「布マスクでも同等」ではなく「布マスクはエアロゾル粒子がだだ漏れ」ということです。
まっ、これをはっきり言っちゃうとアベノマスクは……となるので忖度が入ってるのかもね(笑)

そしてそこから言えることは、「マスクをしてれば感染させない」ではなくて
「マスクをしてても感染させる・感染する可能性は相当に高い」です。
だから、感染予防としてはソーシャルディスタンス確保と密閉を徹底的に避けることであり
やむなくそういう状況になってしまったら喋らない・歌わないということです。
そして、それでもマスクをするしないは個人の勝手ですが
(マスクするならマスクが感染ルートにならないように細心の取り扱いが必要ですよ)
少なくともソーシャルディスタンスを保って密閉にもなっていない場で
他人にマスクを強要したりノーマスクを咎めたりする行為は正義とはなり得ないことになります。

 

ちなみに、ボクは今でもほぼノーマスクで生活をしています。
都心などは環境が違うかもしれませんがボクの生活圏でのボクの生活スタイルでは
スーパーもコンビニも公園もサイクリングロードでもソーシャルディスタンスは十分に保てますし
密閉空間に居続けることにもなりませんからマスクはまったく必要ありません。
そもそもまったくといってもいいほど会話しませんし、カラオケにいたっては大嫌いですし(笑)

まっ、だからといってマスク警察に出遭ったこともないんですけどね(笑)

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