« 新書「空気を読む脳」中野信子著を読了 | トップページ | 日清カップ麺「三宝𠅘 全とろ麻婆麺」を実食 »

レガシィ系操安乗り心地担当時代の北米走行試験

3代目レガシィに新開発水平対向6気筒エンジンを搭載したのは2000年発売のC型からです。
日本国内ではランカスター6の名称でしたが主要市場のアメリカではアウトバックの名称です。
今では6気筒エンジンは世界的にかなり数少なくなってきましたが
この時の6気筒エンジン搭載はその後のスバルのプレミアム路線(に行きたい)の布石というよりは
当時のアメリカ市場では排気量の大小やターボの有無よりも気筒数で車のランクが決まるという
(トラックでも8気筒が最もすごい)そのように単純に考えるユーザーが多かったので、
スバルにも4気筒より上の6気筒の車が欲しかったということだったと記憶しています。

この後に、プレミアム路線を目指すとしていた頃はBMWやアウディみたいにより高い価格の車を
金持ち相手に売って1台あたりの利益率をよくしたいという魂胆でしたけど、
この6気筒を出した時はアメリカ製大衆車でもトヨタカムリでも6気筒エンジンはあったので
それらと同じ土俵に上がりたいというだけでプレミアム路線という概念はまだなかったわけです。

そうはいっても、今までの4気筒に対して6気筒となればより高価格で上級と位置づけされるので
装備・性能などもそれに見合うものになっていなければなりません。
そこでそのようなものになっているかどうかを北米で実際に走行して確認しませんか?
という話が北米の現地研究実験部署(SRD=SUBARU Research & Development)から出て
その時にたまたまそのレガシィの操安乗り心地担当になっていたボクが
それならばいちおう行って確認してきますか、という感じで出張することになりました。

ちなみに、3代目レガシィの開発符号は66Lでしたから2回目の年改となるそのC型は
最初の6、次の6に2を足して8、最後のLをアルファベット順で2つ戻してJということで
68Jという開発符号となり、6気筒のは68J-H6と呼ばれてました。
H6はもちろん水平対向6気筒の意味です。



実は、それまではSRDはカリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を構えていたのですが
ちょうどこの頃にこれまでのロサンゼルスが排気ガス関連主体のサブ拠点の位置づけになり
代わりにミシガン州デトロイト近くのアナーバーをメインの拠点とすることになったので、
確かボクが初めてそのアナーバーを起点にした走行試験をする出張者となったのです。

また、これは現地に出張して初めて知ったことなのですが
この時SRDで現地アメリカ人技術者として長年勤めてくれていたJ.B.氏が
とうとうスバルに見切りをつけて(?)クライスラーに転職することになっていて
そのJ.B.氏の最後のご苦労様慰労会を兼ねた試験走行トリップとの意味もあったようなのです。
もちろん、現地での試験ルートなどはそのJ.B.氏の調査と経験により選別されていたものなので
スバルを去るにあたって置き土産としてアナーバー周辺の試験コース確立という意味もあったでしょう。

逆に言えば、ボクもその他の部署の人も6気筒になったからといって
わざわざ北米で走行試験しなくてもそれほど問題はないと考えていたということで
そういう意味でもボクもあまりみしめて走行試験してきたわけではなかったんですよねorz

 

そして、1999年9月下旬~10月にかけてミシガン州主体で一部オハイオ州まで走ってきました。
メンバーはSRDのJ.B.氏と駐在員のK氏(彼も早期退職しましたな)そしてボクの3人で
68J-H6の3次試作車の他にフォードトーラスとアコードを比較として使いました。

A990925_002 
いちおう、真面目にスピードバンプでの評価試験をしようとしている体です(笑)
そう、66L系はこの前の記事のようにリアサスのリバウンドストロークが絶望的に短いので
こういうところで乗り心地や音・振動が酷くて市場不満の声が上がっていましたから
少し改善策を織り込んでの効果確認もしていたんですね。
もっともこんなの日本のテストコースでも確認できるんですけどね(笑)

あとは基本的に問題なしと出張報告書には書いてありました。ボクが書いたんですが。
ただ、「もう少しゆったり感を加味したい」とも書いてますが
サスストロークが短いのにゆったり感なんて絶対に出せないのは分かっていながら
確信犯でこんなこと書いていたんですね(笑)

 

A990930_002 A990930_001 
トリップの途中に泊まった閑静な森の中のホテルはこんな感じでした。
広~い部屋の中にジャグジーがあるプチリッチなリゾート別荘型のホテルでした。
逆にテレビや電話はなくてCDプレーヤーだけが置いてあるという
俗世間のことは忘れてのんびり寛いでくれというリアイアした人が泊まるようなホテルですね。

実際にボクらオッサン(といってもボクはまだ30代でしたが)3人組以外の宿泊客は
みんな老夫婦ばかりでしたね。
それで、夕食の時は一斉にレストランに集まって
シェフの挨拶と本日の料理説明から始まるというおそらくそれなりに高級なディナーを
その老夫婦たちに取り囲まれたド真ん中のテーブルで
全員に日本から来ているエンジニアとして紹介されて注目された中でディナーを食べると言う
なんとも分不相応な小っ恥ずかしい経験をさせていただきました。

確か、ここ1人1泊で500$ほどしたような覚えがありますね。
トリップルートも宿泊先も完全にSRD任せだったのでボクの意向ではありませんでしたけど。
とプチ贅沢した出張の話になってしまいましたが、
それでも飛行機はエコノミークラスなんですからなんだかなぁですな。

|

« 新書「空気を読む脳」中野信子著を読了 | トップページ | 日清カップ麺「三宝𠅘 全とろ麻婆麺」を実食 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 新書「空気を読む脳」中野信子著を読了 | トップページ | 日清カップ麺「三宝𠅘 全とろ麻婆麺」を実食 »