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新書「バカの国」百田尚樹著を読了

B200805_21 
新潮新書の「バカの国」百田尚樹著を読みました。
安倍晋三親衛隊のひとりともいわれている百田氏でありますが
この記事で間接的に紹介したように過去にも百田氏の本は読んでいて
そのような政治的信条や活動とは別にして、それなりに面白かった印象があります。

タイトルが「バカの国」ですからどこかの国や国民を意味しているのでしょうし
帯には「日本、大丈夫か。」となっているので、その国はおそらく日本のことでしょうし
パンデミックうんぬんとか書かれているので、新型コロナ騒動を受けてのことでしょうし、
とすると、安倍晋三親衛隊の百田氏がどう書いているのか見物(読み物?)だと思ったわけです。


ただ、この本の内容は2015年からやっている「百田尚樹チャンネル」という
有料メールマガジンの文章に加筆・修正してまとめたものとして発刊しようとしていたところ、
そこに新型コロナ騒動が起こったのでそれに関する「バカ」をまえがきに緊急追加したとのことです。

しかも、その加筆も今年の3月20日の日付に書き上げたことになってますから
緊急事態宣言発表前のごたごたもアベノマスクも給付金のごたごたも、さらにその後のアレコレも、
それらすべての安倍晋三政権の決定的な失策の連続はまだ発生していない段階までです。
それらの前だったので安倍晋三への名指しでの「バカ」という記述はありませんでした。
今これを書いても安倍晋三親衛隊としては「バカ」と書かないのかもしれませんが(汗)

それでも著者は新型コロナ騒動について、まず次のように記述した上で、  (以下引用)

 あ、その前に「新型コロナ肺炎」などという呼び方はしっくりきません。中国の武漢発
ということで、
以下、「武漢肺炎」と呼ぶことにします。        (引用終わり)

トランプ大統領なみの口の悪さとも言えますし
そういう呼称は差別を生みかねないというのも一理あるとは思いますが、
だったら香港風邪とかスペイン風邪とかいう呼称も遡って修正すべきではないかと思いますけどね。
まぁ、でもここは本題ではないのでこれ以上は踏み込まないことにしましょう。

著者は1月25日の時点で次のようにツイートしていたのだそうです。   (以下引用)

「今回の日本政府の対応は、まったくダメ! 安倍政権の危機管理能力はゼロに近いこと
が露呈した。もちろん野党もメディアもだ」              (引用終わり)

安部政権と書いてはいますが、その政権の総責任者である安倍晋三氏は名指ししてないですね。
でも、それよりも1月25日の時点で百田氏がここまでの危機感を持っていたということは驚きました。
ボクも2月上旬あたりまではほとんど危機感はなかったので他人のことをいう資格はないですね。

そして、新型コロナ関連はそのまえがきだけで終わってます。



「バカ」ということでは、その元となるニュース素材としても
森友・加計・桜を見る会などについては完全にスルーしているのは安倍晋三親衛隊だからなのか
ただまだ決着を見ない案件なので触れられないのかは分かりませんが……
ですから以降に書かれている(時系列としてはそれ以前に書かれた)
「バカ」はさほど重い話ではありません。
幾つか興味深いものをピックアップしましょう。             (以下引用)

 ゴキブリ愛護バカ    (中略)
神戸市立小学校に勤務する五十六歳の女性事務員  (中略) は営業中のスーパーマー
ケットの鮮魚コーナー前で、ビニール袋に入れたゴキブリ十数匹を放し、店内の衛生状
態を悪化させたのです。  (中略)
 彼女は警察の事情聴取に対し、「自宅で捕まえたゴキブリを殺せず、食べ物がたくさ
んあるスーパーに逃がした。生かすためだった」と供述しているのです。 (引用終わり)

この事件は知りませんでした。動機が凄すぎます(呆)
それにどうやって自宅でゴキブリを生け捕りしたのでしょうかねぇ。

                                  (以下引用)
 下ネタバカ       (中略)
「女子ハンドボール世界選手権大会」のPRのために熊本市中心部に掲げられた垂れ幕(中略)
「ハードプレイがお好きなあなたに」
「手クニシャン、そろってます」
 まるで夜の繁華街でエロおやじを店に誘い込む看板のようなキャッチコピーです。
                                  (引用終わり)
なんてのをここに取り上げるとボクも下ネタバカの一人、エロおやじの一人にカウントされるかも(汗)
いちおう中学・高校とハンドボール部に在籍していたので取り上げました。
確かにハンドボールは“球技の中の格闘技”と言われるほどハードプレイですけどね。
なお、著者は「必ずしもメジャースポーツとはいえないハンドボールですが」と書いてますが
ヨーロッパではそこそこメジャーなスポーツとなっている国も多いので
「必ずしも日本ではメジャースポーツとはいえない」と書いてほしかったですかね。
というのも、「バカ」も日本だけでなくたまに海外の「バカ」も取り上げていますから。


                                  (以下引用)
 人望の問題   (中略)
 道路交通法違反で起訴された香川県三本町の男性職員の公判において、多くの同僚か
ら寛大な判決を求める嘆願書が、高松地裁に提出されているというニュース
 (中略)     その署名数は町長や副町長、教育長を含めて全職員の四分の一に
あたる約百二十人分といいますから、相当なものです。
 (中略) 深夜、同僚を乗せて乗用車に運転中、信号待ちの車に追突したのです。
 (中略)呼気からは基準値の三倍以上ものアルコールが検出されました。(中略)
 これでは町を挙げて憎むべき「飲酒運転」を容認しているのと同じです。現在、多く
の会社では「飲酒運転」は発覚しただけでクビの厳しい処分となります。それに対して
地方公務員法では、執行猶予を含め禁固刑以上が確定しなければ公務員失職となりません。
                                  (引用終わり)
いやはや、最初は良い話かと思いきや有権者含めて町中が腐りきっていますね。これは。
そういうボクもずーと昔は飲酒運転してましたけどorz


                                   (以下引用)
 ガソリン代詐欺  (中略)
 彼は二〇一四年度の政務活動費の調査旅費(車の燃料代)として、約六万六千キロを
一年間で走行したと報告したのです。この距離はざっと地球一周半以上に相当するもの
で、一年間毎日休まずに車を走らせても一日あたり百八十キロ以上になる計算です。(中略)
 大分県議会の場合、自動車を使った調査には燃料代として一キロあたり三十七円を支
給することになっているそうですので、                 (引用終わり)

これ読んで30年以上前の入社時のヘンテコ部署自称・親分という担当(係長)を思い出しました。
技術部門では社内ライセンス(テストコースライセンスとは別物で主に若手を分類する)として
年齢・免許暦・総走行距離・事故歴などでランク分けしていたのですが、
ベテランも含めて全員が一年ごとに毎年見直しをすることになっていました。
するとどれだけ総走行距離が増えたか、つまり一年での走行距離を申告することになります。

それが自称・親分ともなると年に10万kmとかの距離になってるんですよね(呆)
いやー担当さんが運転しているところなんて滅多に見かけないんですけど。
もちろんこの走行距離は公私含めてですけど、耐久走行試験などで毎日のように走ってなければ
プライベートで1~2万km、仕事で多くても1~2万kmがせいぜいでしょう。
そもそもその担当はライセンスとしては上限に張り付いているので過大申告しても意味はないはず。

けれど、実験部門では仕事で運転すると走行手当というのが当時はもらえたのです。
たしか通常走行なら1km当り1円、高速走行などなら1km当り2円とかです。
そしてその担当さんは残業代が規制されると走行距離を過大申請して走行手当を過剰に貰ってたんですね。
だから、そことの辻褄が合わないとおかしくなってくるので年間走行距離を過大申告したのでしょう。
ただ、そんなことやっても年間20万円にもならないんですけどねぇ。セコ過ぎ(笑)

一方で、こちらの事件の議員さん。
リッター10kmの燃費の車でリッター100円のガソリンなら1km当り10円です。
37円も支給されるなら1km当り27円も儲かりますね。
走行距離を3万km過大申告すればそれだけで80万円以上も儲かります。
まぁいい商売ですなぁ。それでもセコイと思いますけどね


                                   (以下引用)
 ふるさと納税のパラドックス  (中略)
そこには「ふるさと」なんてまったく関係のない、ただのカタログ・ショッピングが出来
あがってしまったのです。                       (引用終わり)

ボクなんかはこれは「ふるさと脱税」だと最初から考えているのでこうなって当たり前で
それは各自治体の首長をどうのこうの言ったりそれを利用して脱税する国民をどうこういうのでなく
制度自体に欠陥があるのですから政府がそれを抜本的に修正する必要があるはずです。
そこにまで著者は言及していないのが不思議です。
不思議ですというよりこの制度は第一次安倍政権の時に出来たのですから
安倍晋三親衛隊の著者としてはそこまで言及できないのは不思議でもなんでもないですが(笑)

 

他にも後半にいくほど軽く笑っていられないような内容になっていくのですが
ここに書くのも余計に胸くそが悪くなるのでこのくらいにしておきましょう。

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