５代目レガシィのパトカーは評判イマイチだった

先日のことですが、散歩中に信号のない横断歩道を渡ろうとしたら
右から一台の車が減速もせずに突っ込んで来るじゃないですか。
「横断歩道では歩行者絶対優先じゃ、ボケ！」と汚い言葉は頭の中だけで発して
ひるむことなくぶつからない程度にそのまま一、二歩前進すると……
その車はセンターライン側に避けながら横断歩道上で停止しました。
つまりボクの目の前で通せんぼするような恰好です。

何度も書いていますが、横断歩道は車道ではなくあくまでも歩行者のための歩道です。
そこを明らかに歩行者がいない場合だけ車両はそのまま通ってもいいですよ、ということです。

それなのに、横断歩行者を危険にさらしただけでなく完全に通行を妨害し続けるという形です。
頭に来たボクはその車の側面を邪魔だと平手打ちしてやりました。
いや、表向きは歩いていた勢いで前に停まった車に手が当たってしまったことになってますが(笑)

そうしたらその車の運転手に逆ギレされてギャーギャーわめいてきました。
ボクは面倒臭いのでそのまま無視して歩いて行くと
その運転手は引き返してきて車から降りてギャーギャーわめいてきます。
しかも「逃げるな、警察呼ぶぞ」とか威勢よく叫びながら。

売り言葉に買い言葉ではないですが
自宅周辺なのでこのまま家までついてこられてもさらに面倒なので
「警察呼べよ。お前が怒られるだけだから」と言ってやりました。

ただ、この運転手、外国人で日本語が少し怪しくて警察に電話しても要領を得ないみたい。
だったらということで、こっちも警察に電話してちゃちゃっと状況・場所を話して
さらに運転手も警察に電話してるよと教えてあげました。

そして、待つこと暫し、

レガシィのパトカーで警官２人が到着です。
赤矢印のところが事故、ではなくて事件現場です。
黄矢印の黒いトヨタ・ノアが横断歩行者妨害をしてインネンつけてきた運転手の車です。
ちなみに、その車にはトイプードル２匹が助手席に乗ってました。
むろん、シートベルトもリードもケージもなしです。

当然の成り行きですが、その運転手はしっかり警官２名から叱られて
逆ギレ時の勢いはまったく失せてしょんぼりしてました。
バカとしかいいようがないですな(笑)

まっ、手が腫れぼったいとか手首を捻挫したかもとか大袈裟言って人身事故扱いにすれば
その運転手には加害者として刑事責任を問えるし、よりお灸をすえることもできますが
無職の身ではそんなことやってもなんの得にもなりませんし（休業損害がないから）
病院行ったり面倒なことになるだけですから、違反者からの謝罪もないままそのまま別れました。

と、そんなくだらない一件の顛末が本記事の主題ではありません。

レガシィのパトカー、伊勢崎市に生息していることはずっと前にも目撃したので知ってましたが
稼働しているのをじっくりと見たのは初めてです。
ボクは警官から諭されることも問いただされることも何もないので
警官の一人と世間話しながらレガシィのパトカーについてもいろいろと聞くことができました。

交番ではなく伊勢崎警察署に配備されている車両で
伊勢崎警察署にはレガシィは１台だけで他はクラウンばかりだそうです。
どおりで滅多にみかけないはずですね。

運転席シートの背もたれの右側サイドサポート部分がボロボロに破れて穴開いているので
「拳銃が当たるから破れちゃうんですか？」と訊いたら
「そうだけど、レガシィは破れやすいかな」との答えでした。
パトカーのシートはファブリックではなく必ず革もしくはビニールの指定があるのですが
クラウンのシートの革は厚くて丈夫なものを使っているんですかね。
パトカー専用のシート表皮とかタクシー用のを流用とか何か対策してるのかも。

それにレガシィのシートの方がサイドサポートがタイトで邪魔になりやすいのかもしれないですね。

それ以外でも電装品のトラブルも多くてあまり評判が良くないですねぇとのことでした。

実はこの５代目レガシィのパトカーは現役時代に少し携わったことがあるので
聞いていて残念というか申しわけないという気持ちになりました。
スバルのパトカーなどについては基本的にはスバル本体ではベース車両を提供するだけで
あとは関連企業の桐生工業で開発・生産(改装)のすべてが行われています。

ですが、ある時、確かスズキとトヨタが立て続けにパトカーや捜査車両でリコール出した時ですが
トヨタもＴＲＤで開発・生産しているようですが、
それでも「トヨタのクラウン（のパトカー仕様）でリコール」と報道されて
一般のお客さんにも迷惑がかかるしメーカーの評判にも影響することから
桐生工業だけでなくスバル本体も品質確認はすべきということになりました。

当時はボクは様々な年改車種の色々な性能全体の取り纏めをやっていて
５代目レガシィも１年ほど担当車種になっていたので
このレガシィのパトカーにも携わったというわけです。

電装品などの信頼性の試験を専門部署に実験してもらったりもしたのですけど
それは赤色灯、サイレン、無線などの追加装備の影響を確認してもらうのが目的ですが、
やはりパトカーならではの使用方法や環境条件の違いもありますから
それなりの経験・知見がないとそれらにきちんと適応できる品質確保は難しいですね。
特にスバルってのはそういう地道なやり方で品質確保してきた企業体質ですし。

これは現役時代から聞いていた話ですが
パトカーは常にアイドリング状態で待機しているため（ＳＴＯＰアイドリングなんて糞食らえ？）
すぐに冷却水が蒸発して不足してしまうとのクレームも寄せられていました。
これなんかも、パトカー故の特殊使用方法のひとつですね。

結局、このようなことから、品証部はもうパトカー仕様の受注は一切禁止という判断をしちゃいました。
覆面パトカーとか捜査車両などは含まれませんから、今も製作しているのかもしれませんが……
でも、品質確保が難しいから受注しないというのはちょっと安易な判断というか逃げてるだけなので、
個人的にはそうじゃなくて品質確保すべく対策をして受注すべきだと考えるんですけどね。

確かにそんな対策をいろいろしていたら儲けなんて無くなっちゃうという計算もあるでしょうが
パトカーはやっぱり男の子ウケするからそれがレガシィならイメージアップに繋がるかもしれません。
駅伝やマラソンの先導車などに使われたり警察２４時（テレビ番組）などに登場してもイイですし。
一方、覆面パトカーとかだと捕まった人から逆恨みされ反感買うだけかもしれないですけどね(笑)

というわけで、もう製作されなくなって久しく貴重な（？）レガシィ・パトカーの話でした。