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文庫「日本人とユダヤ人」イザヤ・ベンダサン著を読了

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角川文庫の「日本人とユダヤ人」イザヤ・ベンダサン著を読み終えました。
ちなみにこちらの「すみませんの国」という本を読んでこの本の存在を知り、
楽天ブックスで中古の本を探して購入したのがこの本になります。

著者はこの本の中で日本生まれ・日本育ちのユダヤ人ということで自己紹介しています。
この本が書かれた当時(1970年 山本書店、後に角川書店で文庫化)は謎の人物とされていたが
今となっては「『空気』の研究」の著者である山本七平(=山本書店の店主)と同一人物であり
そのペンネームであるとされている人物です。
つまり、山本七平の処女作がこの「日本人とユダヤ人」ということになります。

で、イザヤ・ベンダサンこと山本七平はクリスチャンの両親のもとに東京で生まれたのですが
その両親が特にユダヤ人であったというような事実はなかったようなのですし、
この本がユダヤ人に向けてヘブライ語などで書かれたわけでもないです。
つまり単に日本人がユダヤ人と日本人を比較考察することによって
日本人そのものの特質などをあぶり出そうと書いたということのようです。

前回紹介の本が日本とユダヤの共通点をあれこれ挙げて
日本人とユダヤ人のルーツなどの探究をしているのに対し、
こちらは日本人とユダヤ人の違いから日本人の精神性などを考察しているとも言えます。

 

本書では、ニューヨークの一流ホテルを住まいにしているユダヤ人一家の話からはじまります。
大富豪一家ではなくそこでホテル代以外は実に質素な生活をしているのですが
それはニューヨークで唯一安全な住まいがそこだから安全に一番お金を掛けるからとのこと。

ユダヤ人からすると日本人は「安全と自由と水は無料で手に入ると思い込んでいる」とし、
恐いのは「地震・雷・火事・おやじ」なんていっていて
戦争も伝染病も集団殺戮も差別も迫害もないのは不思議ということです。

 

また、次のような記述はなかなか説得力があります。          (以下引用)

 日本人の大きな特徴の一つは牧畜生活を全くしなかったこと、遊牧民と全然接触しなかった
こと。従って遊牧民的思考と牧畜民的行き方が全く欠如していることである。その一例として
あげられるのが奴隷制度と宦官がなかったことであろう。  (中略)
 奴隷とは人身ではないからである。これは家畜であって、家畜の中に牛や馬や羊がいたよ
うにヒトもおり、家畜が売買されると同様に奴隷も売買されたのであって、これを不思議と思
う者がいるわけがなかった。実質的に奴隷がいなかったのはイスラエルだけだといえる。これ
はモーゼの律法特に申命典が奴隷をもてないようにしていたからであって、むしろ例外である。
                                   (引用終わり)
イスラエルも日本も奴隷はいなかったが、それはイスラエルは法で持てなかったのに対し
日本では牧畜・遊牧の家畜≒奴隷の発想がなかったから奴隷制度がなかったとのことです。

この発想によってアウシュヴィッツも生まれたとして次のように書かれてます。(以下引用)

もしヒト家畜の中に、奇妙な「思想」というヴィールスをもった家畜がいると思われた(また
は誤認された)場合はどうなるか。その伝染を防ぐためヒト家畜を全部焼き捨てるのが当然の
措置であろう。        (中略)              だから、このユダヤ
人という、伝染病にかかった家畜は殺されて焼かれた。そして家畜だから、当然なことに、そ
の骨は肥料にされ、その髪は何かの原料にされ、その他、利用しうるものはすべて利用され、
その上、遺族には屠殺料が請求された。                  (引用終わり)

むろんこれはアウシュヴィッツを正当化しているわけでもなんでもないんですが
潜在意識であるにしろ言い訳であるにしろこのような思想背景があったのでしょうね。

 

また、稲作民族といっても日本のそれはかなり特殊であると指摘しています。  (以下引用)

パレスチナ周辺でアラブ人が行なっていた農業とは、麦をばらば
らとまくと家畜をつれて移動してしまい、稔ったころ来て刈り入れるといった行き方であり、
また同じ稲作といっても、フィリピンに行けば、米は年に三度もとれるのだから、みなそれぞ
れ自分の好む時期に適当にもみをまいているにすぎない。こういった農業と日本の稲作を比べ
れば、日本の農業はまさにキャンペーンであって、私はこれを「キャンペーン型稲作」と名づ
けている。そして稲作だけでなく、現在では、日本人はすべての事業を、この型でやっている
のも事実である。                            (引用終わり)

だから、GOTOキャンペーンなんかも無理矢理やっちゃうのかな(違)
けれども、日本は四季折々で梅雨・台風など自然災害も多い中で稲作をする故に
遊牧民的生き方から見れば、日本人の行き方(特に時間を切るという行き方)は全く不可解で
気違いじみたものに映っても少しも不思議ではない。」と。
その割にGOTOキャンペーンの開始時期は完全に時節を外してしまっていますけどね(笑)

そして、日本人はこの稲作農業によって
全員一致して同一行動がとれるように、千数百年にわたって訓練されている。
 従って、独裁者は必要ではない。」とし、一方で遊牧民のユダヤ人では
一定の方向に向かって統一行動を取らせようとすればコーランと剣、すなわち宗教と強権が
 絶対に必要であり、打ち勝たねばならぬ強大な敵か競争相手が必要であった。
ということだそうです。

ボクなんかは日本人でありながら、この全員一致して同一行動をとるのが嫌だけど
かといって宗教や強権にすがるのも誰かと敵対するのも嫌なので
だからこうして早期リタイアしてどちらからも距離をとって生きているんでしょうね(爆)

 

とまぁ、これはこの本のまだ序盤のところまでの紹介に過ぎず
その後もどんどんと面白いことがたくさん書かれているのですが
それをひとつひとつ紹介していくと何日分、一週間分以上の記事になってしまいますから
この辺でやめておきましょう。

興味ある人は是非この本を中古で買って読んでみてくださいね。

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