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文庫本「秦氏の謎とユダヤ人渡来伝説」を読了

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PHP文庫の「秦氏の謎とユダヤ人渡来伝説」坂東誠著を読みました。
2016年発行の書き下ろしの本ですが
おそらくその頃に新品で購入して積読していたものと思われます。

著者は日本・ユダヤ比較研究家となっていますがどの程度の研究家なのかよくわかりません。
おそらく生粋の日本人で日本在住だと思われますが
イスラエル滞在でヘブライ大学で学んでいたこともあるようです。

そのことからも想像できるんですが、
本書は「秦氏の謎」というより「ユダヤ人渡来伝説」の部分に
さらに日本とユダヤの奇妙な繋がりについての話が大半になってます。
どちらかというと、個人的には「秦氏の謎」の方に興味があったのですけどね。

ということは、裏表紙に次のように書いてあることですけどね。     (以下引用)

二千年以上前に、九千キロ以上離れた地からユダヤ人が渡来していた?日本には、ユダヤ
教の風習と瓜二つの習慣が全国各地に残されていたり、「創世記」とよく似たエピソード
が記紀に存在したり、偶然とは思えない類似点が多くある。渡来人は中国や朝鮮から来た
と考えられているが、実はより広範囲の土地からやって来たのかもしれない。秦氏はユダ
ヤ系だったのではないか?文庫書き下ろし。              (引用終わり)

ユダヤとの類似やユダヤから来たのではというものの中では、
「虎の巻」は、実は「トラー(モーセ五書)」の巻物のことである、から始まり、
伊勢神宮の参道の灯篭にはダビデの星マークがついているとか
菊の紋章はユダヤ民族の紋章でありユダヤ教会堂にも必ず菊の紋章があるとか
神社の建物の配置が古代ユダヤの神殿とそっくりであるとかの話が続きます。

特に、へぇーと思ったのは、次の記述です。               (以下引用)
そして面白いことに、ヘブライ語の方言であるアラム語では「入り口」のことを
「トリイ」というのだ。                       (引用終わり)

鳥居の語源は「通りいる」ではなくてユダヤの言葉だったのなら驚きですね。
本当かどうかは分かりませんが。

 

さらに、日本とユダヤの奇妙なつながりは記紀の神代の話にもおよびます。
例えば、イザナキはヘブライ語のイザヤ(神の救い)・ナギッド(王子)であるとか
イザナギとイザナミが出会ったところで「あなにやし」と言ったが
これはヘブライ語の「アニーアシー(私は結婚します)」であるとか
アブラハムは西アジアのタガーマ州ハラン町に住んでいたがそれが高天原になるとかとか。

そして、秦氏の話になり、秦氏は渡来人であるが実は元々はユダヤ人ではなかとの説になります。
ヘブライ語で「ヤマトゥ」は神の民の意味であるとか
秦氏が作った平安京と琵琶湖の位置関係がエルサレムとキネレット湖と似ているとか
そのキネレットはヘブライ語で琵琶や竪琴の意味であるとか
ここでも奇妙な関連性を示している内容になります。

秦氏だけでなく聖徳太子=厩戸皇子→馬小屋で誕生→イエス・キリストの誕生?とか
この当たりになってくると本当か?と疑心の方が大きくなってきてしまいます。

きわめ付けは次のような記述の箇所です。               (以下引用)

 そのようにして西の涯から東の涯まで進んだイスラエルの人々は、やがて日本まで到達した
と考えられている。イスラエル王国が滅んだのは、約二千七百三十八年前である。そして日本
の建国がなされたのは皇紀で数えると、今から約二千六百七十六年前である。つまり、二十五
年ほどかかって中国まで辿り着いたイスラエルの十部族の人々が、海を渡って日本に辿り着き、
その後、天孫民族として九州から東征し、大和に至って日本の国を建設したということも、年
数から考えるとピッタリ一致する。
 イスラエルの人々が大和に辿り着き、やがてエルサレム(「平安の都」の意)を思って平安京
を建てた、ということなのだろうか?                 (引用終わり)

高天原の話と合せれば、もう明らかに天皇家はユダヤ人であると言っているようなものです。
実際にこの本の中でその可能性について著者は言及しています。
もちろんそんなことはあり得ないとボクは主張するつもりはないですが
それならもう少し明確な証拠なりを提示してほしいなというところです。

 

他にも神社のしきたりや各地の祭りの風習などでユダヤの伝統やヘブライ語との奇妙な一致が
あれやこれやと書かれています。
確かにそれらを読んでいると不思議だなぁからユダヤから持ち込まれたんだと思いがちになります。

でもたまたま一致したとか解釈次第というところもたぶんにあるかと思うので
こういったことは反対意見も同時に検証していくということが大事です。
大事なんですがその点に関しては著者は一切触れていません。
学術論文ではないので読み物としてはそれでもいいのかもしれませんけど
ボクは根がひねくれているのであまりに主観的な表現だとにわかには信じられませんね(汗)

そもそも神社という日本神道も古代では今のような形とは全然違っていたでしょうし
記紀の記述でも神代の話は縄文・弥生の日本の伝承だけでなく
世界各地の伝承・伝説などが意図的にミックスされて作りだされた作り話とも言われてます。

ですから、秦氏をはじめとして渡来人の中にはユダヤ出身であった人がいても不思議ではないですし
彼らがそのような話や様々なユダヤのしきたりや習慣、言葉などを日本に持ち込んでいて
彼らの技術とともに日本の朝廷が重用した結果、一般にも広まったのも十分あり得るでしょうね。
でも、だからと言って、日本人のルーツはユダヤ人とかは明らかに言い過ぎかなと思います。
実際に本書の帯の背表紙部分には「日本人は失われた十部族なのか?」なんて書かれていて
いくら帯は著者以外が勝手に書いたものだとしても、あきらかに煽り過ぎかなと。

この「日本人の遺伝子」でも似たような煽り文言の帯がありましたが
どうも日本人とユダヤ人を結びつけると売れるようになるとかあるんですかねぇ。

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