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文庫「外来種は本当に悪者か?」を読了

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草思社文庫の「外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD
フレッド・ピアス著、藤井留美訳を読み終えました。
400ページに近いほどもあるかなり分厚い文庫本ですが
内容的にはそれほど難しい理屈が書かれているわけでもないので
途中で挫折することなく読み終えることができました。

話しは変わりますが、「池の水ぜんぶ抜く」というバラエティ番組があって
大胆な水の抜き方やら様々な生物の捕獲などが斬新な感じで当初はよく観ていましたが、
そのうちに在来種と外来種を差別して外来種は全て悪として徹底駆除するような姿勢に違和感を覚え
それ以来なんだかつまらなくなってしまいほとんど観なくなりました。
※実家近くの佐布里池の時は幼馴染の人が教えてくれたので録画して観ましたけどね。
 だって子供の頃に自殺者が出たとか埋められたとか時おり話題になった池ですから
 ヤバイものが出るんじゃないかとハラハラしたのでね(爆)
 もっともそんなもの放送されるわけないのですが、実際には……だったそうです(怖)


閑話休題。
著者は環境問題や科学、開発に関するジャーナリストだそうです。
環境問題というと何かと感情論が優先している感じ(!)ですが
著者の文章を読む限りかなり科学的・論理的・客観的な思考をしていると感じます。
ただし、著者は研究者そのものではないので科学的データを直接持っているわけではなく
ジャーナリストとしてそのような科学的データや客観的データを閲覧・収集して
論理的に判断しようという姿勢ですが、そのデータそのものが圧倒的に少ないのが実態のようです。
つまり、そのことが環境問題とか自然保護とかが感情論に終始していることの証なんですよね。

 

様々な事例を取り上げて書かれている本ですが、著者の主張は以下のようなことです。

・在来種=善/外来種=悪ではない。
・そもそも少し遡れば在来種でも外来種であったりして両者の区別はない。
・外来種によって滅びる在来種は僅かで、逆に外来種により生物多様性は広がっていく。
・バランスや秩序ある生態系というものは存在しない。個々の生物が生きたいように生きている。
・現在の地球上で人間の手の入っていない未開の地なんて存在しない。太古には原住民がいた。
・オールドワイルド(太古の原生林など)には人間の多大な介入でも戻らない。
・自然は絶対に後戻りしない。前進するのみ。外来種により再野生化しニューワイルドとなる。
・希少動物の保護はあくまで人間の欲求を満たすため。自然が求めているのではない。

なるほど、どれもこれも今までもやもやしていたことがすっきりしました。

もちろん、だからといって人間も身勝手な強欲や無責任な行動などやりたい放題して
生物の乱獲をしたり故意にあるいは不注意で外来種を持ち込んで広めていいわけではないし
ジャイアントパンダやトキの保護活動が無意味だと言い切るつもりはないですけどね。

ただ、自然保護にしろ自然破壊(開発?)にしてもどちらも表裏一体の関係であって
どちらもほどほどに節度をもって取り組むという姿勢が必要なのでしょうね。
そのほどほどに節度を持つというのが多くの現代の人類には難しいことのようですが……

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