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「東国から読み解く古墳時代」を読了

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歴史文化ライブラリーの「東国から読み解く古墳時代」若狭徹著を読みました。
2015年初版発行となっていますが
2,3年前に群馬県立歴史博物館に併設された土産販売所で買った覚えがあります。
ちょいとマニアックな本ですので定価1,700円もしました。

著者は長野県生まれ、群馬県育ちで高崎市教育委員会所属の考古学者ということのようです。
ですから、この本はほぼすべて東国=上毛野(かみつけの)目線からの古墳時代の話となってます。
ただ、古墳だけ取り上げられているわけではなく古墳時代の社会など広く扱っています。

まず、古墳というとやはり世界遺産にもなった百舌鳥・古市古墳群など関西地区が本場で
上毛野の古墳はその模倣というか影響下にあっただけという感じもしてしまいますが、
単にそれなりの大規模な古墳などが多数存在しているとかでなく
古墳時代の榛名山噴火によってその当時のムラ、建物、生活がそのまま封じ込められたという意味で
非常に貴重な考古学的資料になっているという特徴があります。

 

そんな中で面白いなと思ったことを抜き出してみましょう。 (以下引用)

中筋遺跡の調査者大塚昌彦は集落内に夏家と冬家があったことを提唱しているが、たしかに竪穴建物が
寒冷期を乗り切る冬用の住まい、平地建物が風通しのよい夏用の住まいだと考えれば納得がいく
                            (引用終わり)
いやー、贅沢ですなぁ(笑) ももちん、今のように冷暖房のない家なのですけどね。

また、                         (以下引用)

家畜小屋が各単位群にみられるのは、けっして古墳時代集落の一般像ではなく、この地域、あるいは
上毛野地域の特質であろう。               (引用終わり)

馬蹄跡も見られることからこの時期すでに自然放牧による馬生産をしていたんですね。
ただ、この馬が直接朝鮮半島から渡来人によって直に持ち込まれたものなのか
大和朝廷の政治的な施策として上毛野の地が選択されて持ち込まれたのかは分かりませんけどね。

馬だけでなく、渡来人やその先進技術や文物などの伝播ルートについては突っ込んだ解説はないですが
①半島-日本海側-(山越え)-上毛野、②半島-(九州)-大和朝廷-(太平洋)-上毛野、
あるいは③-大和朝廷-(東山道)-上毛野 という3ルート可能性があります。

著者は「日本海側の広域文物交流ルートも押さえた(古墳の)被葬者像」も想定しているようで
その意味では①のルートの可能性を示唆しているのではと思いました。
この時の講座で疑問に思っていたわけですが少しすっきりしてきた気もします。

 

一方で、古墳そのものに関しては単なる墓というだけでなく
古墳のビジュアルそのものが、人々を精神的に結合させる『みせつけの装置』だった」との解釈ですが、
古墳そのものに限らずこの時代は湧水・河川などの治水事業が大々的に行われていたことも分かっていて
古墳築造もそのような治水事業の一環に組み入れられていたとしてもおかしくはないでしょう。
そういう説は前に読んだこの本で唱えられていたことですけどね。

そして、古墳は「在来者居住域の南限、移入者開発域北端、まさにその接点に配置されている。」とか
はるかヤマトから繋がる海・川の道を遡上した最上流の津(港)を臨む段丘上に選地され」とか
書かれていることからも、水耕稲作のために治水と輸送のための水運整備が絡んでいた
可能性はきわめて高いと考えられるでしょうね。

とすると、古墳時代の後期ともなると日本海側から山越えルートよりも
太平洋回りの大和朝廷から海運が盛んになったとも言えるのかもしれないです。
いずれにしても馬を使った東山道ルートは人間や情報など限られた物流しか担ってなかったんでしょうね。

 

そんなアレコレと思いをはせるようななかなか面白い内容の一冊でした。
なお、「あとがき」に書いてあったのですが、かつては古墳は
権力者が武力をもって土地の住人を強制的にこき使って築造したかのイメージで語られていたけど
どうやら実際には人々はみずから進んで築造に参加したのではないか。
それ故にどこか手抜きでいい加減な葺石だったり埴輪の作りだったりしてるようだとのことです。

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