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新書「働かない技術」新井健一著を読了

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日経プレミアシリーズの「働かない技術」新井健一著を読みました。
まぁ、ボクは早期リタイアしてもう実質3年ものあいだ働いていないので
働かない技術は必要ないというか働かない技術は得てしまったとも言えるのですが、
そういう意味での働かない技術ではなく就業していながら長時間働かない技術という意味ですね。
もっともその意味だとしても早期リタイアして今後も働くつもりのないボクにとっては
今さら読んでもためにならない内容の本であることは確かですが(汗)

ただ、現役サラリーマン時代から帯に書いてあるように
自分も含めてまぁサラリーマンってのは無駄な時間を会社で過ごしているなぁと思っていたので
それが少しでも整理されるとすっきりするなと考えて読みはじめたのです。

ただ、最初のプロローグとして
本書で想定する読者は、特に30代後半~40代のミドル世代、
 働き方改革のキーマンとなる課長世代だ。
」と書かれてるんですよね。
完全に20年くらい遅れた著者の想定外の読者ということになってしまいました(汗)

 

この本の概要としては、日本型人事制度の良い部分は残しながら
役割給人材と職務給人材の2つの人材タイプから構成するハイブリッド型人事管理と
その役割給人材(課長)は「徳」の価値観が必要だという主張になってます。

役割給人材というのは多くの部下をマネジメントする人材育成のプロフェッショナルであり
職務給人材とはそのポストで自ら働くプロフェッショナルという意味のようです。
ここで間違えてはいけないのはハイブリッド型人事管理と書いてあるけど
個々の課長がハイブリッド型人材になれという意味では決してないことであり
むしろそれはどっちつかずのダメな例ということになっていることです。
ハイブリッドといっているのはあくまでも人事管理の制度のことを指していて
ハイブリッドというより役割給人材/職務給人材を別々に人事管理せよということです。

ボクが働いていた頃を振り返ってみると、大昔は職務給人材というような概念すらなく
職制になったらみんな役割給人材である課長という感じでした。
それでもボクが職制になる頃には部下がほとんどいないような主査という課長級のポストも多くなり
実際にボクは職制になってからの大半は部下数名の主査として仕事をしていました。
またその部下も新人や若手ではなく中堅からベテラン社員であり人材育成の比重も低かったです。
(STI出向時代はいちおう部長でしたけど、それでも部下は10名もいませんでしたし)

なので、職務給人材に近い状態にあったと言えるかも知れませんが
かといってマネジメントが皆無でよかったわけでもありませんから
その意味ではどっちつかずのダメ人材だったとも言えるでしょうし、
会社の人事制度も依然として役割給人材だけを念頭に置いたものを拡大解釈しただけで
役割給人材/職務給人材を分けたものでもなかったからこれまた
今の時代では遅れた人事制度であると言えるのでしょうね。
今現在は改められているかも知れませんけど、、、そうだと良いですけどね。

また、「徳」というのをいきなり持ち出されても困ったなぁという感じもしました。
ボクなんてこれっぽっちも「徳」を持ち合わせていませんからね(汗)
まぁ、著者もあとがきで自ら「徳」を出す羽目になって困ったと書いているくらいで
「徳」のある人とか「徳」を語れる人なんて課長レベルじゃほとんどいないでしょうが、
それでも「徳のない」行為や思考は誰でも思い当たることは多いでしょうから
「徳」に意識を持って「徳のない」ことを止めるだけでも成長なんでしょうね。

 

その他にも幾つか面白いことが書かれてましたので断片的になりますが紹介しておきましょう。

「判断しない」「承認しない」上司は、できる部下をメンタルヘルス不全に追い込む“ハラスメント”
だということを肝に銘じなければならない。

基礎的な実務能力を育むための「時間でなんとかする働き方」は最長3年で卒業しなければならない。

自分で仕事を抱え込み、部下に振れない役割給人材・課長は成果を出していない。

残業を助長する個人の「性格」とは、すなわち完璧主義のことを指す。
完璧主義を、管理職が職場に押し付けたら、その職場は残業体質を強化こそすれ(以下略)
それに職場内でコンセンサスのない完璧主義は、パラハラやいじめに直結する。

ドイツの場合は、(中略)1日の労働は10時間まで許されているが、6ヶ月間の平均労働時間は、
1日8時間以下にしなくてはならない。 ※つまり残業は貸し借りでしかないということ

いやー、完璧主義なんて完璧にその通りですねぇ。
実際にそんな上司とまったく完璧に出来ない「時間でもなんともならい」中堅部下との
板挟みで苦労したのを思い出しましたよ(汗)

 

と大体においては納得でき賛同できるような内容となっていましたけど
唯一それどうなのよと思ったのが、有休5日取得義務化をうけて、その5日を
役割給課長は「徳」を高めるために自己研鑚を積むことが求められるし、
職務給課長は職種の「専門性」を高めるために自己研鑚すべきだと筆者は考える。

って、こればっかりは素直に賛同はできませんね。
これだとワークライフバランスではなくて
結局、有休で休みの日も仕事中心で生活しろって思考に繋がっちゃいますよね。

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