前橋の生そば近留の「こんこんせいろ」

近代こけし展を観た後、あっ、県庁まではじゅごんで出かけて行ったのですが、
県庁の無料駐輪場にじゅごんを停めたまま歩いて麺紀行してきました。
県庁から１ｋｍもないところにある「生そば 近留（きんとめ）」という蕎麦屋さんです。

 
街中の蕎麦もうどんもある定食屋さんのようでもあり
でも生そばと看板掲げるような拘りの蕎麦屋さんのようでもあり、
でも建物は蕎麦屋らしい風情があるわけではなく……
なかなか微妙な感じの雰囲気のお店ですね。

いちおう、生そばと書いてあるのは十割蕎麦なんですかね。
そして、店内には自家製粉石臼挽きであると説明されてます。
メニューにはうどんも丼定食もありましたが
まぁそれでも蕎麦がメインという暗黙の主張を見てとれます。

そんななか、「こんこんせいろ」というのが気になります。なんでしょうか？
他にも「ぽんぽこせいろ」というのも見つけましたので、勘の良い人なら想像できるでしょうね。
いちおう、店主さんに確認したら、こんこん＝きつね＝油揚げ、ぽんぽこ＝たぬき＝揚げ玉だそうです。
せいろなので温かいつけ汁に油揚げまたは揚げ玉が入っているのだそうです。

面白そうなので頼んでみました。

「こんこんせいろ」税込６３０円です。
蕎麦は薄茶色でホシのほとんどない更科に近い感じで香りや味もあまりありません。
太さは不揃いでやや平べったいものが多いようです。
残念なのはかなり短くブツ切れ気味なことと水気が多くベチャっとしていること。
ただしコシはしっかりしていて歯応えや喉越しは悪くないです。

つけ汁はご覧のように大きめの油揚げが入ってます。
かけそばのきつねと似たようなものとなりますが
こちらはあくまでもつけ汁なのでやや濃いめの汁となっています。
でもそれだと油揚げにとっては汁を吸って味が濃過ぎることになるのですが
そこは絶妙の味加減で巧く両立させている感じですね。
出汁の旨味をしっかりと感じられるつけ汁になってますし
油揚げの油分で蕎麦の肌がつるつるになって食感も良いですね。

薬味のネギも大量にあって大満足です。
ただ、温かいつけ汁なのでワサビは合わないかな。

蕎麦湯もなかなか美味しかったです。
蕎麦湯そのものというよりつけ汁のダシの旨味を引き立てるような美味しさです。

最初に「こんこんせいろ」のメニューを目にした時の印象よりもはるかに普通のメニューでしたが
それでもどこかありふれてない不思議な美味しさのお蕎麦でした。
ただやっぱり蕎麦は長いのがいいかな(^^ゞ