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「トヨタの闇 利益2兆円の『犠牲』になる人々」を読了

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ビジネス社の「トヨタの闇 利益2兆円の『犠牲』になる人々」渡邉正裕 林克明著を読み終えました。
これもブックオフで中古本を買ったもので、2007年発行となっています。
ですから、富士重工(現スバル)との提携の後ということになりますが
例のアメリカでのプリウス暴走問題(最終的には白判定)はまだ顕在化してませんし
豊田章男氏が社長に就く前のことですから
まぁ現在のトヨタとは違っているのかもしれないですけどね(と願いたいですが)

ちなみに、著者の渡邉正裕氏はジャーナリスト、
林克明(まさあき)氏はノンフィクション・ライターという肩書のようです。
著者たちもビジネス社というのも全く聞いたことがなかったですが
なかなか引き受けてくれる出版社がなくてやっとビジネス社になったことなども記されてました。

要は大手メディアではトヨタの莫大な広告宣伝費を盾にした圧力により
このようなトヨタにとって都合の悪い情報は報道できない状態になっているということです。
そして、その都合の悪い情報とは、そのメディアへの圧力そのものの実態であったり、
社員の自殺の多さ、労使の癒着体、社員洗脳、過労死、パワハラ、セクハラ、下請け虐め、偽装請負、
さらにはリコール隠しの疑いなど……出てくる出てくるというところです。

まぁ、あれだけ大きな企業ですから叩けば埃が出てくるのはある意味仕方ないかもしれませんが
元・同業者であり親会社(提携企業)として少しは関わった経験もあるボクからしても
トヨタってのはたぶんにそのような傾向が強くてスバルよりも酷いなと感じることも多々ありましたから
この本に書かれていることもさもありなんと思うところですね。

スバルもこんなことあんなことで決して他人のことは言えないのは事実ですけど。

 

全トヨタで運動会とか駅伝とか(おそらく)いまだにやっているというのなんかは知ってましたけど
ボクなんかの感覚ではもうそれだけで北朝鮮のマスゲームみたいな気色悪さを感じ取ってしまいます。
スバルでもボクが入社した当時は所内(全社ではないし関連会社もない)で
駅伝大会とかありましたけどすぐになくなりました。
生産工場の中だけで運動会とかあるかも知れませんし
部門ごとのなんらかのスポーツ会はあるでしょうが。

従業員とその家族をまるまる囲み込んでトヨタ思想に洗脳して会社と運命共同体にしていく、
というのは何もトヨタだけのことではなく戦後の日本企業がやってきたことなのでしょうが、
それをこれだけの大企業がいまだに強力にやり続けているというのは恐ろしいことです。

そして、その忠誠心をつなげているのが、
遅くとも40代には全員1000万円もらえるという給料だろうと書いてありますが。
著者としては会社の儲けの割にはそれほど大した給料でなくて
商社や大手マスコミよりかなり低いと書かれてます。
そこは、個人的には商社やマスコミが給料貰いすぎというか儲けすぎじゃないかとさえ思うし
商社やマスコミの闇もそうとうなものなんじゃないのとも思いますが……(汗)

トヨタの給料が良いことは当然知ってますし、そりゃぁ優秀な人も多いんでしょうけど、
自動車メーカーで働いている人ならその能力なんて(最初は)それほど違いはないはずなのに
この差(スバルとの差)はなんなんだ、と思ったことは何度もありますよ(笑)
だから、スバルと提携したトヨタはスバルを安い人材派遣会社よろしく
定期的にトヨタに出向させて安い人件費でトヨタの仕事をさせているわけですから(@_@)

本書ではそれには触れられていませんが、デンソーからトヨタに出向とかと同じ構造をなしていて、
つまりトヨタは、人件費は一切支払わずに他社の社員の一切の管理をするのです。
 いくら残業させてもトヨタが残業代を支払うわけではないので、
 まったく自分たちの懐は痛まない。」と書かれているとおりなわけです。
それが原因でうつ病になってトヨタから返された人をボクも何人も知ってますし。。。

 

また、ボクも知らなかったのですが、リコール隠し案件でトヨタ本社に家宅捜索が入っていたんですね。
それなのに、主要メディアはまったく報道しなかったそうですから、ボクが知らないのも当然ですが。
三菱自動車の家宅捜索にはテレビ中継されたのとは大きな違いがあります。

もっとも驚いたのは、フィリピントヨタの会社内でのストリップショーという話です。
“PT”(Personal Touch of Boss:ふれあい活動)という名目で
会社建物内でプロのダンサーを呼んでストリップショーというか
見るだけでなくお触り会を慣行していたという
なんとも呆れてしまう事実が発覚してしまったそうなのです。
これも日本では報道されてませんよね。
※スバルでPTと言えば、真面目にProject Teamで新車開発PTなどの意味です。

しかもそのPT活動が労働組合の抱え込みの動きの中のひとつとして起きていたのいうのだから
単なる悪ふざけで羽目を外してしまったというレベルではなく
それこそもっともっと深い闇の事件の一端だったということになりますね。

 

まぁ、ボクなんかから見たら、自動車業界に入る前から
トヨタなんてろくな会社でもなく、ろくなクルマも作ってない会社というイメージでしたし、
それは業界に居た時も、辞めた今では大して変わらないですから、本書の帯に
「あなたはまんまと騙されている!」と書かれても、騙されてはいませんと言いたいですけどね(笑)

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