久々の高経大リレー講義(6)と麺処鶴舞屋
本日は久しぶりに高崎経済大学のリレー講義を聴講してきました。
前回はこの時でしたからもう1年以上もご無沙汰だったことになります。
リレー講義は隔週で開催されているようですが
ボクの場合はタイトルからかなり面白そうな講義だけに絞って
しかも天気など含めて当日行く気になったら行くというスタンスですからね。
今年の冬もこの時に行こうか迷った挙句に寒いので止めちゃいましたし。
高崎経済大学までは22km超の距離がありますし
公共交通機関の便はあまり良くないですし駐車場も限られていて停められないことも多いので
軟弱な精神のボクはどうしても天気の良い日に自転車でないと行く気にならないんですよね。
そして、今日は天気も良かったし風も強くなかったですからサーモン号での出撃です。
今日のタイトルは「次世代自動車開発における日本の現場力・事例からの考察」で
講師はいま話題(?)となっている元日産の山﨑雅史氏となっています。
こりゃぁ聞きにいかないとね(笑)
おっと、講義は14時20分からですからその前に麺紀行です。
高崎市内の「麺処 鶴舞屋」というラーメン屋さんです。
自販機で醤油そば¥750の食券にラーパスで味玉1コ追加です。
見た目はさっぱり系にも見えましたが香りは芳醇、味は濃厚、そして意外にもオイリーです。
ただ、後味は思いの外すっきりしていて油もくどさのないもので好ましいです。
麺は中細のやや縮れのある丸断面の麺です。
なぜかかなり茶色っぽかったので全粒粉入りか他の何かを入れているのかもしれません。
食感はつるつるだけどパツンとした歯応えもあって濃いスープでもちゃんと主張してきますね。
レアチャーシューや大ぶりのメンマなども含めてとっても美味しい一杯でした(^O^)/
さて、リレー講義ですが、自動車業界は「100年に一度の大変革」といわれており、
電動化、自動運転、シェアリング、コネクティッドなどひとまとめにした大変革が起きているわけです。
それによって自動車の商品や存在も変革があるんですけど
どちらかと言えば自動車業界の構造そのものが大変革していくということに焦点が当てられてます。
まぁ、自動車業界に居た人間からすればそういう内部からの発想になるのは仕方ないでしょうね(笑)
そして、今回は電動化(ハイブリッド、EV、燃料電池車)の話と自動運転の事例説明があり、
最後になぜか働きがいみたいな話が出てきました。学生向けなのでそれは大切でしょうね。
いくつか面白いと思ったことを書いておきましょう。備忘録にもなりますし。。。
トヨタ初代プリウスは21世紀に向けて燃費2倍(CO2半減)を目標に7年で開発することになったが
COP3京都会議に合わせて発表するために3年前倒しで4年が突貫開発したのだそうです。
基礎研究でどこまで出来ていたかにもよりますが、新規システム含めて4年の開発期間は短いですね。
それにしてもCOP3に合わせるなんてやはりトヨタは技術そのものより商売が上手です(笑)
ただ、トヨタHEVシステムは特許がガチガチに防衛したためにホンダ、日産のみならず
欧米で「ハイブリッド外し」の政治的な動きに繋がったというのはその通りで、
結局トヨタが地球環境のためとか綺麗ごと言っていてもトヨタだけ儲かれば良いという理論ですからね。
というか、そもそも地球環境のためとかいうなら年間走行距離が多い商用バンやタクシーを
真っ先にハイブリット化しないと効果は薄いですからね(苦笑)
一方、日産はハイブリッドで出遅れたが2000年代初めハイブリッドの開発を急いだが、
ゴーン氏の鶴の一声でハイブリッド開発は中止(従業員含めて関連会社に売却)して
EV一本で行くことになったそうですが、当然反対の声も多かったらしいです。
外野から見ててもそうだろうなと思っていましたが、改めて証言を聞くと合点がいきますね。
実は、元日産の人が講師だからEV賛美でもするのかと思っていたんですがむしろ逆でしたね。
EVは思ったように売れず、各国政府や自治体の奨励策(補助金)なくしては
まったく販売は伸びないというのが実状なのだそうです。
日産の、というかゴーン氏の掲げた目標はその達成率30%でしかなく完全に失敗とされてます。
それに、EVに大量に使われているリチウムイオン電池は完全ドライルームでの製造が必要で
そのために製造時に大量のCO2を発生させているのだそうです。
従って、材料採取から廃車までのライフサイクルで比較すると
EVのCO2排出量はハイブリッドの1.4~1.5倍もあると言われているそうです。
これもあぁやっぱりね、というところですが、
日本で一番EVを作ってきた元日産の人がいうんですからさもありなんですな(笑)
また、テスラについては品質問題として車両火災の話が出ていました。
いままでに20万台売って50件もの車両火災を起こしているそうです。こりゃぁ酷い。
アイフォンよりは確率低いかも知れませんが、車はそういう基準で造ってはいけませんわな。
自働運転については、それほど突っ込んだ話はありませんでした。
講師が一線を離れた頃にはまだそれほど白熱した技術競争になってなかったのかもしれません。
まぁでも100%完全にどこでもいつでも自動運転になる誰でも買える自動車っては
まだまだ先の話でしょうというのが講師の考えのようでした。
ボクも免許返納しなければならない頃までに間に合えば嬉しいなというぐらいですかね(汗)
最後に、日本企業の従業員のエンゲージメント指数(ここでは「心の活力」としてます)が
最下位レベルにあることを講師が憂いて、いくつかの提言をしています。
でも、そこで「ワイガヤ」とか、「人材」でなく「人財」とか、全社一丸になってとか
そんなこと言われてもそれは時代錯誤じゃないかとボクなんかは思ってしまいますけどねぇ。
高度経済成長期やバブル期のイケイケドンドンの頃の思想に回帰しても
世の中はもうそうではなくなっているのでかえって乖離が大きくなるだけじゃないかなと思います。
むしろ未だにそういう旧い思想や体質から抜け出せない企業と
そうではなくなっている社会に生きる従業員との意識のズレがエンゲージメントを下げているのかなと。ね。
なにはともあれ、今日のラーメン同様になかなか濃厚な講義内容でした(笑)
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