新書「日本のミカタ」ほんこん著を読了
ところで、この本のタイトル、あれっ「たけしのニッポンのミカタ!」のパクリ?って思っちゃいました。
「たけしの……」(テレビ東京)が全国放送なのか関東地区限定なのかどうか分かりませんけど
少なくとも関東地方に住んでいる方ならほとんどの人が「日本のミカタ」と見たら
「たけしの……」のテレビ番組を連想するんじゃないでしょうかねぇ。
しかし、どうやら関西で放送されている「教えて!NEWSライブ 正義のミカタ」という番組に
ほんこんがパネリストとして出演していることから「日本のミカタ」というタイトルにしたようです。
パクリであるかいないかは個人的にはどうでもいいですけど、
見方と味方の両方を兼ねて「ミカタ」としているのはどちらも同じですが、
ただ「たけしの……」は2009年4月スタート、「正義の……」は2014年4月スタートです。
タイトルはまぁおいておくとして、ほんこんが政治・社会問題などについて
パネリストとしてコメントをしているということは初めて知りました。
関西以外の地方でそのようなメディア露出はほとんどしていないのではないでしょうか。
ただ、この本読んだ正直な感想としては、浅いというか表面づらだけでワーワー騒いでいるだけで、
それを忖度せずに思った事をはっきり言うと言われても
あぁそうですか、というだけで終わってしまう感じでした。
本人は「ネトウヨ」と間違われて心外だとこの本でも書いていますし
たしかにネット発言や他人攻撃しているわけでも過激なほどの右翼思想ではないようですが、
それでも十分に国家主義的で保守的ですからいわゆる右寄りなことは明らかですね。
それより、本人は様々な意見を聞いているとしていますが
そこから一歩も二歩も深堀して整理して多角的に分析して
さらにそこから自分なりの視点で自分なりの意見を構築するという知的作業をせずに、
自分の好きな意見や情報だけをつまみ食いして表層だけでワーワー騒いでいるだけなので
そういう反知性主義に見えてしまうところは「ネトウヨ」と共通しているところなのでしょう。
まぁ本人は否定するでしょうけど、少なくともボクにはそう映りましたね。
ビートたけしもたまに政治・社会問題にコメントしたりしますけど
奥の奥というか裏の裏というかそういうところに迫って
たけし独自の視点からチクリと核心を突くことを言うので
感心もするし刺激も受けるのですが、
そういうレベルにはまったく届いていないので残念な人になってしまってます。
しかも、たけしはそこに笑いの要素もしっかり入れてきますから。
この本では笑いの要素はほぼゼロです。むしろほんこんの怒りの要素で満ちています。
もうひとつこの本で疑問なのはほぼすべて口語体、しかも関西弁で書かれていることです。
対談や講演などから文字起こししたなら口語体でもいいんですが
そうでなく政治や社会問題について意見を述べる本を書くならきちんと文語体で書くべきでしょう。
それが出来ないなら本を書く資格はないとボクは思っています。
しかも日本全体の政治や社会問題について書くのにどうして関西弁で書くねん(笑)
関西人だから関西弁使うてなにがあかんのや!というスタンスなのでしょうが
読み手(聞き手)を無視して伝えることなんか出来ませんからね。
そうは言っても、読んでいて面白いところもないわけではありません。
特に最後の章ではもう少し軽い時事ネタ・芸能ネタがらみの話題ですから少し笑いの要素も加わります。
例えば、「人の下半身の問題まで、そんなに口出さんでも」と不倫バッシングに反論したり、
「テレビの世界にコンプライアンスを持ち込まんでも」とその通りだと思うことも多々あります。
また、「アクセルとブレーキを踏み間違った事件を取材してるお前(メディア)が
アクセルとブレーキ間違ってるんちゃうか?」なんてうまいこと書いてます。
それでも、「『上級国民』だから捕まらない」と「……納得できないことが多いよね。」と
これまた単細胞的な思考回路になってしまってます。
政治も経済も様々な社会問題もそんな単純なものじゃなく複雑に絡み合っているわけだし
正義を振りかざして正論言っているだけでは何も解決しないんだよね。
そういうボクもある意味同レベルかも知れませんけど
ボクはただ自分の庭であるこのブログでこじんまりと書いているだけですから。
テレビでコメントしたり本を書くのならばやはりそれなりのものを身に付けて欲しいですね。
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