文庫「古代日本人と朝鮮半島」を読了
関裕二氏の著書はこの時に少し取り上げましたが
純粋に事実かどうかはともかくとして面白いのでよく読んでいます。
古墳時代から平安時代あたりくらいまでの古代史に詳しい人ですね。
なので、帯に書いてあるような「日本と半島の気質の違い」などについて
直接研究している専門家じゃないですよね。
確かに、最後の章で少しばかりそれらに関するようなことも触れられていますが
内容的にはちょっと飛躍しているし妄想的に感じられましたし、
著者の真骨頂部分はそこじゃないだろという感想をもちました。
1000年、2000年前のことから現代の日本人と韓国人(朝鮮民族)の気質の違いを
どうこういう内容でもありませんし、日本人の正体を探るような内容の本ではありません。
そういう意味ではどこのぼんくらがこの帯を書いてんの?という感じですよ。
いちおう日本人がどこから来たかとか、
旧石器時代・縄文時代の日本と半島との交易などから話ははじまっていきますが、
やはり話のメインとなるのは古墳時代・飛鳥時代あたりになります。
その時代にどうして日本は百済救済に突き進み、唐・新羅連合軍との戦い(白村江の戦い)に敗れ
日本国滅亡の危機にまで至ったのか、について詳しく書かれています。
そして、結局は関氏のいつもの中臣鎌足(藤原鎌足)を悪者とする論調になってきます(笑)
関氏がいうには、中臣鎌足の素姓は百済最後の王の王子・豊璋(ほうしょう)ではないかとしています。
これ以上書くと完全なネタバレになってしまいますからここまでとしますが、
その鎌足=豊璋説の真意は判断しかねるものの
関氏の説だと日本が百済救済に突き進んだ不可解な謎がすっきりするのもたしかです。
この本読むとますます藤原一族嫌いになりますなぁ。
もっとも現代の藤原さんにも、伊藤さんにも、加藤さんにも、佐藤さんにも……
なんら怨みはないんですけどね(笑)
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