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新書「神社の起源と古代朝鮮」を読了

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平凡社新書「神社の起源と古代朝鮮」岡谷公二著を読み終えました。
初版2013年の本ですからおそらくブックオフで安く買ったものでしょう。
5年前の内容ですからもしかしたら最新研究の成果とは齟齬があるのかもしれませんが
まぁこの分野にも正解はあってないようなものなので
面白半分で読んでみるのも悪くはないでしょう。

ここのところ神社にまつわる本の読書が続いていますが
これまたこの本とは全然異なる内容の本ですし、
この本とは同じ古代の切り口ですが見方がまったく異なる内容ですね。

表紙裏(表紙を一枚めくったところ)には以下のように書かれてます。(以下引用)

 日本固有のものとされてきた神社信仰だが、
 その起源においては、新羅・伽耶を出自とする
 渡来人の痕跡が拭い難く刻まれている。
 好評の前著『原始の神社をもとめて』に続き、
 日本海沿岸から韓国の慶州へと至る旅路のなかで、
 原始神道における始まりの謎に迫る。
                 (引用終わり)

と、引用した部分がこの本の内容のすべてを表しています。
といいきってしまうとつまらないのですが、
もちろんこういうタイトルの本ですから
神社あるいは日本神道は渡来人がもたらしたものという流れの内容です。
ただ、これだっというほど強い根拠が示されているわけではなく
いろいろな事柄や他の人の指摘内容が紹介されていく中で
そういう可能性がとても高いのではないかという話の流れになっています。

縄文時代から神道に直接繋がるような信仰・宗教観があったわけでもないので
弥生時代から古墳時代にかけて渡来人によって
原始神道や神社がもたらされたというのは他にも聞いた話ですし
べつに驚かないしまぁそうなんだろうと思います。

むしろ、日本神道は日本古来の宗教などというのは
戦前の国家神道・天皇崇拝そのものではないでしょうか。

 

ただ、著者のいろいろな書き方からは
渡来人が大挙して日本列島各地に住み着いて
渡来人中心の集落を形成してそこに神社を祀ったかのような印象を受けるので
そこにはちょっと違和感を抱きました。

先進技術をもった渡来人が尊敬され重宝され崇められ
その彼らの信仰形態がもともと住んでいた日本人にも広まった
と考えるのが自然かなと思いますが、どうなんでしょうかね。

 

なかでも面白いなと思ったのは、第四章の「出雲と新羅」の部分です。
ここで、出雲の特殊性として、
出雲は朝鮮半島色とりわけ新羅色が意図的に消されていると
著者は考えているようです。
そこには大和朝廷による記紀によって
出雲神話(真実)が書き換えられてしまったことへの
抗議の意図があるのではないかとの指摘です。
信憑性はともかく興味深い指摘ですね。

さらに様々な調査によってそのあたりの真相に迫ることができれば
古代日本の歴史も明らかになってくるかなと思います。

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コメント

古代日本と朝鮮半島は研究すればするほど興味深いです。
関係書籍もかなりありますのでおもしろいですね。

投稿: おおたけ | 2019-03-01 18:27

>おおたけさん

そうですね。
かといってそれで朝鮮半島まで行ってみようとは思いませんが……
あっそれに今は韓国への渡航注意喚起が出てますしね(笑)

投稿: JET | 2019-03-01 23:27

どちらかというと日本が半島に進出していたのですが。
任那とか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%BB%E9%82%A3

多分高麗の頃に民族が入れ替わっています。
北から馬賊が来ているはずなんですが…。

投稿: 並さん | 2019-03-03 14:35

>並さん

それはもう少し後の時代の頃だと思いますよ。
それに、どのみちそのころはまだ国家という概念はほとんどないので
あまりどうこういっても意味がないかなと思います。

投稿: JET | 2019-03-03 16:16

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