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新書「『消費増税』は嘘ばかり」を読了

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PHP新書の「『消費増税』は嘘ばかり」髙橋洋一著を読み終えました。
別段、髙橋洋一氏のシンパとかいうわけでもないのですが
この本この本など比較的読むことが多い著者のひとりになってますかね。
なんか面白そうだなと書店で手に取ると髙橋氏の書いた本だったりするので。
と前にも同じようなこと書いてますけど(汗)

それに本書は内容的にも「消費税」って切り口ですけど
以前に読んだ「年金問題」にも「官僚の問題」にも大いに関係していて
要するに前に読んだ2冊をまとめたようなものとも言えるものでしした。
ですからすんなりと入ってくるような内容でしたね。

概略としては、消費税の論点は、主に以下の三つあって、

 1.財政破綻論
 2.社会保障論
 3.景気論

それで、財政破綻論は2018年にIMF(国際通貨基金)の発表したレポートで
ウソであることが世界中にバレてしまったとのことです。
それはもともと著者が主張していたことですが、
1000兆円の国の借金というがそれと同じくらい国が保有している資産があるので
バランスシート(貸借対照表)で見ればバランスが取れていて健全であるとのことです。

1000兆円の借金といっても我々国民が借金しているわけでなく
国が国民に借金しているので我々が返す必要のないものだと認識してたし、
1000兆円の借金している相手は外国投資家でなく
ほとんどが日本国内の国民・企業だから安全だという議論も聞きましたが、
国有資産が1000兆円ほどもありその半分ほどが金融資産だとは知りませんでした。

けれども、官僚が自分たちの天下り先としてそれらの資産を
国民から隠して手放そうとしないから
それらが明るみになっていないだけなのだそうです。
マスコミが無能なだけとも言えますが。

 

そして、膨大する社会保障費を消費税でまかなおうというのは筋違いとしています。
ボクもその通りだとかねがね感じていたのですが
社会保障費は基本は保険料でまかない、それではどうしても不足する分、
つまり保険料も払えないような場合の救済として
累進課税である所得税を使うべしということだそうです。
それが世界じゅうの国々の基本の考え方でもあるとのことです。

よく引き合いに出される北欧の国々は世界的にはかなり特殊な例であることと
なぜそうならざるを得ないかなどにも触れられています。

 

そして、景気論としてはインフレ状態の時にインフレ抑制として消費増税はありだが
デフレ状態やインフレ移行期に消費増税はあり得ないとしています。
まぁそれはそうでしょうね。

 

著者はなにも頭ごなしに消費税・消費増税の否定論者ではないようです。
特に消費税が理論的に持つ優れた点として「脱税がしにくい」を挙げています。
「クロヨン」や「トーゴーサン」と呼ばれたように
個人事業主や農林水産業者などの税逃れは昔からいわれていて
(もちろん、全員が脱税しているわけではないですが)
(元)サラリーマンのボクとしては消費税導入(所得税減税)には賛成でした。

けれども、著者によると日本は消費税を導入してもインボイス制を導入しなかったので
結局消費税の脱税も野放しなってしまっていて意味がないといいます。
なんとなく感じていたことでしたが、改めてそうだったのかというところです。
インボイス制については2023年ころに導入されるようなので期待しましょう。

それに、今やマイナンバー制度が導入されて徐々にではあるが
サラリーマン以外でも所得の捕捉率が上がってきて
所得税も脱税がしにくい仕組みになりつつあるので
それを強化してきちんと公平に税金を取るようにすれば
消費増税は必要ないだろうと提案もしています。

さらには、消費税は全額地方税として
地方に直入するようにすべきとの提案もしています。
確かに、消費税の一部はいまでも地方に直入されますが
その大半は国が吸い上げて社会保障などに補填しつつ
別の税収から地方交付金として消費税と同じくらいの額を
地方に分け与えているわけですからおかしなものです。

まぁこれも国(政府や官僚)が地方にいうことを聞かせて
支配したいからなんでしょうけどね。

 

それにしても、なんとなく今まで感じていたけどはっきりせずもやもやしていたことが
この本ではズバッと明快に具体的な数値や証拠をともに書かれているので
うーん、やはり髙橋氏の本は面白いですな。
それでも、すべてにおいてもろ手を挙げて賛同しているというわけでもないですけど(笑)

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コメント

高橋先生のお話はわかりやすいですよね。
この人の滑舌はそんなに良くないので、本の方がいいのかも。
日本は世界の中でも稀有な純債権国なので、破綻のしようがないのはそうなのですが

世の中、国だろうが無借金の大企業だろうが、黒字赤字はリザルト(結果)でしかないのですよね。
無借金の企業でも会社を運用するときには、時には先にお金がたくさん出て行くことがあって、それは短期だけど銀行から借り入れます。そう、賞与の時とかです。
国はこういった時代には市中にじゃんじゃんお金を回さねばなりません。だって、儲かるとみんな銀行に預けて塩漬けになっちゃうから。
税収は期初に一気にくるわけじゃないので、運用には手元資金がいるのである程度の国債の発光はやむなしなんです。
↑ここのセンテンス、知らない人というか知ろうとも思わない人が日本破綻論を言うんですよねぇ。
もしくは洗脳された人。
高橋先生にはもっともっと頑張って欲しいです。

投稿: 並さん | 2019-03-26 21:12

>並さん

そうですねぇ、ただこのような本を読む人はそうそう多くはないでしょうから
髙橋氏ががんばったところで政府も官僚も動かないでしょうねぇ。

投稿: JET | 2019-03-27 06:13

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