新書「神社崩壊」を読了
タイトルだけを見て、田舎の小さな神社が資金難や管理する人がいなくて
どんどんと衰退し荒れ放題に放置されてしまうようなことが
書かれているのかと想像しました。
確かにもそのようなことにも触れられているのですが
もっとドロドロと根が深くかつもっと恐ろしいことが扱われていました。
ですから、この前読んだ本とは“神社”ってだけで
内容的にはなんにも繋がりはありません。
帯に書いてある「あの凶行の背景は?」のあの凶行とは、
2017年末に富岡八幡宮で起きた
元宮司の弟が宮司(代行)の姉を刺殺し自殺するという事件を指しています。
そういえばそんな事件があったなぁというのは記憶してましたが
あまりその事件の背景などにまで詳しく分かっていませんでした。
神社の宮司というのは世襲で親から宮司を継承するのに
姉弟で争いになったのが発展したとか、
弟の方が一方的に狂気の沙汰でない人間だったのかとか、
まぁそのくらいにしか認識してませんでした。
元宮司の弟(富岡茂永)が女遊びや金遣いの荒さから宮司を辞職し
父親(興永)が宮司を再度やるも急死して今度は姉(長子)が宮司代行となるが
その姉も金遣いが荒く神社本庁より宮司となる承認は得られず
富岡八幡宮は神社本庁から離脱する。
そんな折にこの凶行が起きたということです。
金遣いが荒いっていってもクラブやホストでひと晩で
数100万円使うってなレベルみたいですし
数億円のほぼ自分専用社宅を建てたり
10億円を超える程の神輿を造ったりとかなので
ボクなんかには想像を絶するような話ですが、
それがまた父親も相当な金遣いの荒さであったようです。
それでもそれを支えるだけのお金が富岡八幡宮には集まっていたということです。
茂永の祖父にあたる盛彦は神社本庁の設立に奔走し
その事務総長にもなった人物であり、かつ
日本会議の生みの親ともいわれている人物だというのです。
日本会議ってのはこの時の記事でも最後に触れた
安倍政権の後ろ盾にもなっている保守系・右翼系団体ですね。
だから神社が政治団体化しているわけです。
どうしてそうなってしまうのかもこの本に書いてありますが
簡単に言えば権力と金ってことですよね。
もうなんか神社になんか行きたくなくなってしまうような話です。
もちろん、日本全国のすべての神社が神社本庁にはいっているわけでもなく
もちろん日本会議を通じての政治関与を肯定しているわけでもないのですが。。。
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コメント
大きい寺社仏閣になればなるほど集金システムとも言えるお金が集まる仕組みが大変巧みです。ある有名なお寺では参道に並んだお店から月々いくらというような集金の仕組みが長い歳月に渡って続いています。
投稿: おおたけ | 2019-02-23 19:53
>おおたけさん
もうそうなるとテキヤというかそれを仕切る89ザと変わらないくらいですかね。
実際そういう集団と繋がっている寺社も少なくないでしょうし。
投稿: JET | 2019-02-24 05:46
まあ確かに賭場の場所代を寺銭って言うくらいですから。
投稿: TOMO | 2019-02-24 16:33
>TOMOさん
確かにそうでね。寺といっても神仏習合時代だから寺社ですしね。
それに寺社内は治外法権になっていたのも大きいのでしょう。
そこもある意味で現代になっても似た構造になっているわけです。
宗教法人、それは非営利団体のはずなんですが……(-_-メ)
投稿: JET | 2019-02-24 16:43