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「スノーデン 監視大国 日本を語る」を読了

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集英社新書の「スノーデン 監視大国 日本を語る」
エドワード・スノーデンほか著を読み終えました。
本書は「デジタル時代の監視とプライバシー――市民によるコントロールのために――」
という日本で開催されたシンポジウムを翻訳し書籍化したものだそうです。

ですから、著者といいますかそのシンポジウムで講演や対談した人としては
エドワード・スノーデン氏ほか、国谷 裕子 氏、ジョゼフ・ケナタッチ氏、
スティーブン・シャピロ氏、井桁 大介 氏、出口 かおり 氏が連なっています。

内容的にはデジタル社会でのプライバシー問題ということで
前回読んだ本(デジタル・ポピュリズム)とも関連するものとなってます。

ただし、この本ではIT企業によるビッグデータ収集という問題よりも
国家権力により監視されるプライバシー問題に焦点を当てています。
さらにタイトルに“監視大国日本”とあるようにその国家権力は日本国です。

もとはアメリカから発覚したものですが
大量監視システムXKEYSCOREなるものが
アメリカ政府から日本政府に譲渡されていたことが暴露されました。

日本政府はそれを肯定も否定もしていませんが
なんとなしにそれはテロ対策の一環として導入され
(なんらやましいことのない)一般市民なら
安全と引き換えにプライバシーを侵害されてもしかたないとでも
いわんとしているかのような国家権力のおこないとも言えそうです。

しかし、これは日本政府主導での監視ではなく
アメリカ政府からの要求に応えるためのものだというのだから
たちが悪いですね。
共謀罪制定もこの大量監視システムを正当化するために必要だったというのです。

 

さらに、そのアメリカではいちおうプライバシー保護の観点から
「通信内容は令状なくして傍受されてはならない」とされることになったのですが
日本にはそのような監視システムを規律する法律がないですし
具体的にどのような監視をしているのかのいかなる情報開示もしていません。

もっとやっかいなのは、そのアメリカでの
「通信内容は令状なくして傍受されてはならない」という法律は
アメリカ人とアメリカ国内にいる人にしか適用されないということです。
つまり、アメリカに住んでいない日本人を含めた非アメリカ人に対して
アメリカ政府は通信内容もすべて大量監視することができるということです。

おそらくこれはアメリカだけでなくチャイナもロシアもやっているのでしょうねぇ。
もちろん日本政府もやっているのでしょう。
いやですねぇ。
なんだかテロより怖い世の中になってしまった気がします。

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