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角川新書「日本人の遺伝子」を読了

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角川新書の「日本人の遺伝子 ヒトゲノム計画からエピジェネティクスまで
一石 英一郎 著を読みました。

一見、前回読んだ「核DNA解析でたどる 日本人の源流」と似たような内容みたいで、
確かに日本人の起源というか由来などにも触れられてはいますが、
著者は人類学者や考古学者でもDNA解析研究者でもなく医者ということのようで
ですから病気や医療に関係するような日本人(日本人に限らずでてきますが)の
遺伝子について雑学的にあれこれと書いてあるというような内容の本です。

それでも、帯面に書かれている「日本人のDNAは、古代ユダヤ人と共通」との文言は
かなり刺激的で興味をそそられますね。ただ、それ以上深堀りされてませんが。。。

日本人はもともと太りやすく糖尿病になりやすい遺伝子を持っているとか
ガンの遺伝子の話とかいろいろ書いてありますが
まぁ医者のいうことですから話半分くらいに聞いた方が良さそうですかね(笑)
他にも日本人には乳糖不耐症が多いとか、
逆に日本人ではなんでもない海藻類は欧米人には消化できない人が多いとか。

面白いなと思ったのは「おもてなし遺伝子」なるものがあるそうで
正式には「セロトニン・トランスポーター遺伝子」というそうですが、
その長さが短いS型と長いL型があって両親からそれぞれ受け継ぐので
もっとも短いSS型、中間のLS型、長いLL型に分類できるのですが
日本人の約68%がSS型、LL型はわずか2%以下なんだそうです。

このSS型は細かな気配りができて真面目でコツコツおもてなし上手だそうで
だから著者は「おもてなし遺伝子」と呼んでいるのでしょうが、
一方で細かい事を思いつめたり不安や恐怖を覚えやすく
鬱になったり自殺まで発展したりしやすくなるそうです。

セロトニンって幸せホルモンってな言い方もされているので
その情報伝達があまり上手くないのであればさもありなんですから、
「おもてなし」って喜んでいる話じゃないですよね。

ちなみに、アメリカ人(ってヨーロッパ系白人のこと?)は約3分の1がLL型だそうです。
ボクはそこまでおもてなし上手じゃないし細かい事を思いつめないので
さしずめLS型ってところでしょうかな(笑)

 

また、この本では「生まれた後に遺伝子は変わる」みたいなことが書いてあり
えっそんなことがあるわけないでしょうと反射的に思ってしまいましたが、
それが「エビジェネティクス」ということで
簡単に言えば環境や状況によってDNA情報の遺伝子を
オンにしたりオフしたりすることが起こるということのようです。

働きバチも女王バチも同じ遺伝子からできていて
ローヤルゼリーの摂取期間の違いで働きバチになるか女王バチになるか分かれる
ということなので、それを聞けばなんとなく理解しやすいですね。

だから、ガン家系の遺伝子を受け継いでいるからといっても
必ずガンになるわけでもなく環境(生活習慣)が大事だなんて
いかにも医者がいうようなことに続いていきます。
まぁ著者は医者ですからね。

そして、そりゃそうだよなぁと思っていたことも書かれてます。
歳とってからタバコやめても肺ガンになるリスクが非喫煙者並になるわけでもなく
ピロリ菌除去したからといって胃ガンにかからないわけじゃないってことです。

 

と、後半はほとんど遺伝子の話というより環境の話にすりかわってましたし、
日本人というより人間だれでも通用するような話になってしまってました。

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