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新書「蕎麦屋の常識・非常識」を読了

B181009
朝日新書の「蕎麦屋の常識・非常識」片山 虎之助 著を読みました。

蕎麦は噛んじゃいけない、喉越しで味わうもの。
蕎麦つゆにどっぷり浸してはいけない。
三たて(挽きたて、打ちたて、茹でたて)がうまい。
新蕎麦は最高。
などなどというのが本当なのかどうなのか?というようなことが書いてある本ですが
常識・非常識ということだけでなく蕎麦についてのあれこれが書かれていて
なかなか面白い内容の本でした。

また、蕎麦屋だけにとどまらず蕎麦の品種や栽培の土地や栽培方法、収穫方法、
また挽き方、打ち方、蕎麦つゆにも内容は及んでいて
随分勉強にもなりました。

 

蕎麦のうまさは「素材由来」であって、
ソバの実を挽いて麺にして茹でて……蕎麦として食べるまでに
幾つものハードルを倒していってその素材由来の味は劣化する
その劣化をいかにさせないかが蕎麦職人の技であると書かれています。
なるほどです。

だからこそ、食べる方にもその素材由来の味を劣化させないような
食べ方が必要とされることになるわけですな。

しかし、その素材となるソバの品種や栽培環境はそれぞれであって
故にそれにあった蕎麦もつゆもそれぞれ異なるものになり
結果的に食べ方もそれに合わせていろいろだということになるようです。
つまり、蕎麦屋の常識はあるのだがそれはどの蕎麦にも当てはまるものではない
ということが結論になるわけですね。

例えば、蕎麦は噛んじゃいけないといっても
田舎蕎麦のような蕎麦の香りや味が濃厚で太くて短いような蕎麦は
噛んでその蕎麦の香りや味をよく味わった方が良いし、
更科そばのようなものは喉越しで味わった方が良いというものです。
まっボクなんかは自然とそうして味わっていましたけどね。

 

それと面白いなと思ったのは、新蕎麦についての話です。
ソバの実や粉は高温になると著しく風味が劣化するそうで、
それで昔は夏場になると蕎麦は美味しくなくなってしまうから
新蕎麦が重宝されるようになったとのことです。

現代では保管設備をちゃんとしていればソバの劣化はないので
新蕎麦の方が美味しいということはなくなっているそうです。
むしろ、収穫してすぐのソバよりも数ヵ月寝かせた方が
美味くなるという話もあるそうです。

まぁボクもそれほど新蕎麦に拘って麺紀行していたわけではないですが
もう新蕎麦をありがたがるのは止めようかなと思いましたね。

 

それにしても蕎麦はほんとうに奥深いですねぇ。
だから、付け焼刃の知識で蕎麦の常識やらウンチクやらを
自慢げに語らないように気を付けなきゃいけませんね。

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コメント

あ、やばい・・・付け焼刃だ・・・。

投稿: おおたけ | 2018-10-19 19:21

おおたけさんから蕎麦のウンチクを聞かされたことはないので大丈夫かと。

投稿: JET | 2018-10-19 19:49

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