排ガス・エバポ業務は1年も続かなかった
今日の記事はいちおうこの記事の続編というあつかいになります。
つまり30年ほど前のボクが社会人になったばかりの頃に
STI(スバルテクニカインターナショナル)への作業応援を終えて
ヘンテコ部署に復帰したら途端に排ガス・エバポ関連の部署へ異動させられた、
というその後の顛末です。
排ガスとはもちろんクルマが走行するときに
エンジンから排出される排気ガスの成分量の規制(対応)のことで、
エバポとは一般の人はあまり馴染みがないかもしれませんが
燃料タンク等からのガソリンの蒸発成分量の規制(対応)のことです。
排ガスについては当然ながらエンジンが主要因になりますから
エンジン開発部隊(つまりスバルなら東京事業所=三鷹製作所)の主業務になります。
ただ、触媒などをはじめとする排ガスデバイスの10万マイル耐久試験など
排ガス耐久とよばれる部分は当時は群馬で請け負っていました。
ですから、ボクもいちおう2直勤務とかしてその排ガス耐久をやったりもしました。
と書くと、10万km速度記録挑戦みたいなことを10万マイルでやってたのか
と勘違いされる方もでてきてしまうかもしれませんがそうではありません。
(もっとももっと昔の時代には実際に走行していたらしいですし
チャイナでは実際に走行するなんてこともあるのですが。。。)
CDM(シャーシダイナモメーター)のドラムの上で車を固定して
通常の運転を模したパターンを全自動で走らせているだけです。
全部自動でやってくれるのでただ監視しているだけです。
せいぜい燃料補給とかMT車のシフトをするロボットの微調整くらいですが
大きなトラブルがなければまぁウトウト寝ていてもOKってな楽な仕事です。
それでも夜間勤務や時差勤務などの手当が大きく付くのでおいしい仕事でした(笑)
ただ、ボクは排ガス耐久の方はメインの業務ではなかったので
そうそう何度もそのおいしい仕事はしませんでしたけどね。
では、その頃のボクのメインの仕事は何だったかというと
新しいエバポシステムの研究開発でした。
ちょうど当時は給油時のエバポ発生(大気放出)についても問題視されるようになり
それに対して新たな技術が必要となり試行錯誤をしはじめた時期でした。
それに対してとある先輩の下に就いて二人で研究開発をすることになったわけです。
ちょっと補足しますと、燃料タンクはガソリンの蒸発を抑えるために
ある程度加圧されるようになってます。
実際には加圧するというよりガソリン蒸発が進むと大気圧より高くなるということです。
ただその状態で給油キャップを開けると何の工夫もなければ
タンク内の蒸発したガソリン成分が一気に大気に放出されてしまい
大気汚染の一因となってしまうわけで、それを規制しようということです。
暑い日にガソリンキャップを開けるとプシューと音するのもそのエバポですね。
それだけでなく給油中はずーとガソリンが蒸発し続けるので
それを抑えるのも課題になります。
その給油時のエバポ抑制システムについては
いろいろとアイデアを出して幾つかの特許も取りました。
ほとんど実用に至らないものでしたけど(汗)
ルーチンワークではなく未知な技術分野への挑戦という部分もあって
ボクとしてはけっこう楽しんでやっていたと思います。
特別にやりがいがあったというほどでもないですけど。
ヘンテコ部署の時みたいな自分を“親分”呼ばわりさせるような
権威主義の上司もそれにへつらうような先輩や同僚もおらず
とても居心地のよい職場環境でした。
もっとも、それが普通なだけだったのですけどね。
そうそう、ヘンテコ部署から排ガス・エバポ担当へと異動の際に
「課内の移動は課長権限でできるんだ(ニヤッ)」と言い放ったその課長は
その後しばらくしてからSTIに出向となってしまい(笑)
ボクの目の前からは居なくなっていましたので
なおさら普通の職場になってましたね(爆)
さらに脱線しますが、そういえば、
ヘンテコ部署から排ガス・エバポ部署へ異動する直前くらいに
入社3年目の社員対象に一斉に人事面接が実施されて、
その際にボクはあれこれ暴露してやったらその面接官は
「君の課長は誰だっけ?」と訊いてきたので
「□□さんです」(□□は□□八方などに使う漢字です)と答えたら
「□□くんかぁ、あいつじゃぁ、しかたねぇなぁ、ガッハッハッ」と
ダジャレで返されましたね(笑)
ただ、そんな排ガス・エバポ業務も長くは続きませんでした。
1年もしないうちに異動の話が突如降って湧いてきたのです。
それは、操縦安定性乗り心地の研究・実験・開発をする部署への異動の話でした。
突然の話で(まっ異動の話はいつも突然なのですが)
まさに晴天の霹靂(へきれき:まず書けないよな(笑))って感じでした。
上述のように排ガス・エバポの仕事もその部署(の人間関係)も
良かったので特に異動の要望を出していたわけではなかったのですが
将来的にはクルマ全体に関わるような業務がやりたい、
感性と理論とが交錯・融合するような分野の業務がやりたい、
という生意気な希望は持ち続けていましたから
その意味ではまた一歩前進するかなとも思い喜んで受諾することにしました。
ということで、次回(?)はどうしてまたすぐに異動になったのか、
その理由は定かではありませんが自分なりにちょっと推察してみたいと思います。
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コメント
名前と顔が一致して分かってしまう、この怖さ(謎)。
投稿: よっさん | 2018-09-29 20:40
>よっさん
あはは、やはり分かりましたか。しかも顔まで。
投稿: JET | 2018-09-30 01:55