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RAのその後、でも極めて私的な事

レガシィ10万km速度記録挑戦(RAプロジェクト)は
無事に世界記録を樹立したことはこの記事で書きました。

また、その前にボクはヘンテコ部署から
発足したばかりのSTI(スバルテクニカインターナショナル)へ
作業応援という形で異動になっていたことや、
そのSTIでは当時ほぼ10万km速度記録挑戦のマシンの
エンジンセッティングしかしていなかったことなどをこの記事で書きました。

STIへ異動となったのは厄介払い的な側面もあったと自覚してましたが
それでもいちおう表向きはRAプロジェクトのためと説明を受けていましたから
そのRAプロジェクトがいちおう成功裏に終了したわけですから
ボクのSTIでの作業応援も終了し元のヘンテコ部署に戻るはずでした。

しかし、そのヘンテコ部署にボクが戻るポジションはありません。
ポジションといってもまだまだペーペーですから役職という意味ではないのですが
まぁにボクにやらせておいてもよい仕事がないということですね。

どういうとかというと、ボクはヘンテコ部署では高速開発グループにいたのですが
そのグループリーダーをしていた人、つまりボクの直接の上司のSさんが、
アメリカにある開発研究所であるSRDに駐在(出向)となっていたからです。

ヘンテコ部署でボクが好き勝手(?)なことが出来ていたのも
たぶんにSさんのお蔭というところがあったわけですし、
なにかと理屈を捏ねる(本人は理論的・科学的・技術的に正論を言っているつもり)
ボクをコントロールできる人はSさん以外にはいないと思われていたのでしょう。
そして、ヘンテコ部署の裏事情にも勘付いているボクを野放しにしては
ヘンテコ部署そのものも親分とか呼ばれてる人もその上司の課長にとっても
まずいことになってしまうので戻ってくることを阻止したかったのでしょう。

どうして課長が出てくるのか……
まぁ親分の犬みたいな言いなりの存在だったみたいです。

 

というわけで、RAが終了してもSTI作業応援は延長と言われてしまいました。
と書くとボクがヘンテコ部署に戻りたがっていたようにも聞こえてしまいますが
当然ながらそんな腹黒い部署に進んで戻りたかったわけでもありません。

そうそう、SRD駐在になったSさんとアメリカ出発前に話をしたんですが、
Sさんも自分が異動したらボクの立場がかなり危うくなることは察知して心配してくれて、
でもSさんは元々航空機部門に配属されるはずで富士重工に入社したのに
直前で色々あって意に反して自動車部門に配属されてしまったような人で
根は理論派技術者でありまた初めからモータースポーツ好きだったわけでもなく
かつ正義感も常識もちゃんと持っていた人なので
Sさん自身もヘンテコ部署からなんとか抜け出したいと常々考えていたようで、
なのでSRD駐在はヘンテコ部署からの脱出に格好の機会と捉えていると語ってました。
(まぁ、そのSさんは今はSTIに居るんですけどね)

ですから、ボクもヘンテコ部署に積極的に戻りたかったわけではありません。
しかし、この記事でも書いたようにクルマのエンジンだけ弄っているのも嫌でした。

そこで、STIの開発部門はRAプロジェクトまでは
エンジンのセッティングしかやっていなかったが、
RAプロジェクトの後には
WRC(ワールドラリーチャンピオンシップ)への参戦をするのか? 
その時はSTIがエンジンだけでなく車両全体の開発をするのか?
などいろいろと訊いたら……答えは、
サファリラリーとか以外にWRC本格参戦の計画も
ツーリングカーレース参戦のつもりも一切ないし
サファリラリーは従来通りのやり方(つまりヘンテコ部署)で続ける、でした。

プロドライブの話なんかはまだまったく出てない時期ですからさもありなんですが、
これではSTIに居続けてもエンジニアではなくて単なるエンジン屋でしかありません。
しかも、量産車・実用車にはまったく繋がらないエンジン・チューニング屋です。
だったらヘンテコ部署に戻って舞台裏は見て見ぬふりをしながら
ひとりでも高速開発につながることを続けていた方がまだマシです。

 

そう考えたボクは、労働組合に訴えることにしました。
当時の労働規定では確か作業応援は原則6ヶ月間となっていて
既にそれを超えていましたし、RAプロジェクトも終了して
作業応援の大義名分も無くなっているのに戻れないのはおかしいと。

労働組合なんてあまりあてにならないけどまぁダメモトでいいかと思っていたら
なんとそこから急転直下でヘンテコ部署に戻ることになりました。

しかし!そこでもまた大どんでん返しが待っていたのでした。
でも、長くなりましたので今日はこの辺にして
続きはまた別の日の記事にしたいと思います。

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コメント

思いの外、組合って役に立つ時があるんですね。ちょっと驚き。
これが中小だと会社の犬程度の組織ですから、さすが大企業です。

投稿: はら坊 | 2018-08-08 20:14

>はら坊さん

まぁ騒がれて面倒なことになるくらいなら戻しておけってくらいだったんでしょうけどね(笑)

投稿: JET | 2018-08-09 02:14

今回も楽しく拝読させていただきました。
ふむふむ、へえーっ、という感じでした(謎)。
続きも楽しみにしています。

投稿: よっさん | 2018-08-09 02:31

>よっさん

どうも毎度です。
続きはどんなストーリーにしようか思案中です。
ってフィクションではないんですけどね。

投稿: JET | 2018-08-09 08:20

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