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講談社現代新書「未来の年表」を読み終えて

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「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」
河合雅司著・講談社現代新書を読んでみました。

帯には女性の半数が50歳超え、全国民の3人に1人が65歳以上、
3戸に1戸が空き家に、自治体の半数が消滅など
かなり衝撃的というか悲観的な将来像が書かれています。
ちょっと煽り過ぎじゃないのかとさえも思えますが。

以前に読んだ「人口と日本経済」吉川洋著と似たような内容の本ですが、
そちらが楽観論的とも取れる立場で書かれているのに対して
こちらはかなり悲観論的な立場で書かれています。

経済ということだけでなく、日本の社会・政治・生活全般への影響など
広範囲に渡って未来予想がなされています。
ただし、筆者自身が未来予想しているというよりは
各機関が推測した予測を引用してきてその未来像を
分かりやすく説明しているという内容です。

ですから、その各機関が推測したものの中にも
楽観的なデータや悲観的なデータが混在しているでしょうから
ここに書かれていることがすべて将来現実のものになるかどうかは分かりません。

どちらかというとこのまま無策で放っておくと
こんなになってしまうよという警鐘を鳴らしているということですね。
こんなになっちゃうというのは最終的には日本という国が消失してしまう
日本人が地球上から消えてしまうというようなことまで言及されています。

ただ、そんな悲観論だけで終わってしまうのではなく
筆者なりの日本を救う10の処方箋を提言しています。
それらは「戦略的に縮む」という考えを基本としていて
そこについてはアグリーなんですけど、
いきなり「高齢者の定義を75歳以上として75歳までは働け!」
と提言されても反発されるだけではないですかねぇ。

少なくともボクはまっぴらごめんだと思います。
もちろんいつまでも身体が動く限り働き続けたいという人もいるでしょうが。
また、今の子供や若い人にとっても
年寄がいつまでも働いているのを良いと思うかどうか
あるいは自分たちも将来死ぬまで働かなくてはならないのかと
さらに悲観的になってしまうんじゃないかと心配しちゃうんですが。。。

また、第3子以降に1000万円支給なんて提言もありますが、
確かに経済的に子供を作れない・作らない夫婦もいるでしょうけど
今の少子化の問題はそれだけではなくもっと根の深い話ですし
逆に金欲しさに子供ばっかり生んでまともに育児しない親が増えたら
それこそ深刻な社会問題になりかねませんよね。

もう少し人間の心理を巧く突いた策がないもんですかねぇ。

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