前のめり効果
先日,ハンドル高さを低くしてみたサーモン号ことコナ・ジェイクです.
その後しばらく通勤で使ってみてのフィーリングなぞを書いてみます.
まぁあくまでも個人的な感想なので他人の参考になるとは思えないですけどね.
結論から言えば,確かにペダリングしやすくなりました.
ただ,それより意外だったのはハンドリングが劇的に良くなりました.
なんででしょう?
バイクのライディング・ポジションを考えるには
「出力」「空気抵抗」「重心位置」の3つの項目に分けると理解しやすいらしいです.
「出力」とはライダーである自分の身体から
いかに効率よくペダリングしてパワーを出せるかということです.
トルクではなくパワーが大切なのでちゃんと回せるかどうかも重要です.
脚の長さや腕の長さなどの体型の他に筋力や柔軟性なども影響しますので
人それぞれによって最適なポジションというのは変わってきますし,
その時々によって変わっていくこともあるでしょう.
実際に,より楽な姿勢で快適に走れるようになった気がします.
ただ,具体的にどこがどうなってどんな理屈でそうなったのか,
となるとこれがよー分からんのです.
理系のエンジニアとしちゃぁこれでは失格ですねぇ(恥)
無理矢理こじつければ,
脚の踏み込む力の反力は自分の体重だけでなく腕でハンドルを引く分もあるわけで
上体が寝てくるとハンドル引く力の鉛直成分が増えるから効率よくなるとか,
上体が寝てくると自分の重心がペダルの踏み込み位置に近づき
体重を使った踏み込みがしやすくなるとかあるのかもしれません.
あるいは骨盤が後傾しにくくなり安定することで
ペダリングがしやすく回しやすくなったのかもしれません.
次の「空気抵抗」とはライダーが受ける風圧による走行抵抗です.
上半身と頭をいかに前傾にして前面投影面積を小さくするかが
そのほとんどを占めるといってもいいでしょうね.
両腕の広げ方などによる前面投影面積もあるでしょうし,
背中の丸め型などによっては空気抵抗係数Cd値も変わるのでしょうけどね.
高速巡航,といってもボクの場合は平坦路で30km/h程度ですが,
それでも全抵抗のうち空気抵抗は8割くらいにもなるので蔑ろには出来ないのですが,
前回の日記に書いたようにこのハンドル下げの目的は
「空気抵抗」低減ではなく「出力」アップというか効率改善です.
単純に空気抵抗だけを狙うのであれば,
何もハンドルを下げずとも自分自身が前すぼみになっていればいいだけのことです.
事実,向かい風などではそうしていますしね.
まっ,その姿勢を維持するのが楽かどうかという意味では
考察する必要はあるかもしれませんけどね.
最後の「重心位置」ですが,これはライダーの重心位置だけでなく
バイクも含めた全体の重心位置によるバイク全体の運動性能という話になります.
ここで,ロードバイクとシクロクロスバイクの違いについてですが,
シクロクロスレースは未舗装路や泥濘地で開催されるので
高速巡航性能や高速での操縦安定性よりも
悪路での低速でのトラクションや安定性が重視されます.
そのために,ハンドルが高めでアップライトな乗車姿勢になっているわけです.
しかし,ボクの場合はそのシクロクロス用バイクで
ほぼ平坦な舗装路のみの通勤に使おうというのですから,
ポジションもシクロクロスのそれとは違ってきて当然です.
さらに,ボクは通勤用の荷物をシートポストの後方に
オーバーハングさせて装着しています.
普通のママチャリの荷台と同じような位置ではありますが,
元々それを考慮して設計されているわけではありませんし,
車体の質量が軽いだけに荷物の重さの影響も少なくありません.
事実,このような荷物の搭載方法にした途端に
かなりリヤヘビー,トップヘビーな感じとなってしまい
自分自身とバイクとの一体感が希薄となってしまっていました.
前輪側の荷重が少ないのでターンインで
フロントが外に逃げていきそうになり素直に曲がってくれない.
なので,それに合わせてバイクの倒し込みも出来ずに
ライダーの身体だけ無理矢理リーンインする形になる.
遅れてバイクが倒れてくるので後輪側の上の荷物の質量が
慣性となって余計に倒れ込もうとする.
コーナリングを終える時は逆にお釣りが来る.
きっとこんなことになってました.
これでは全くもって気持ちよくないんですね.
それが今回のハンドル下げではっきりと改善されたのです.
今までの状態は明らかに後輪側に重心が偏り過ぎていて,
逆に言えば前輪側の荷重が足りなかったのでしょう.
いや~,バイクのジオトリーって奥が深いんですねぇ.
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