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新書「生物学ものしり帖」池田清彦著を読了

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角川新書の「生物学ものしり帖」池田清彦著を読みました。

人間も含めた生物についての雑学を集めたような本です。
帯にも書いてあるように、
無駄な(子孫繁栄に結びつかない)セックスをするのは人間だけとか
他にもゾウはがんにならないとか、
ティラノサウルスとトリケラトプスは親戚とか
いろいろと面白いことが書かれています。

中でも面白いと思ったのが、
ブラジルの洞窟に棲む4種のチャタテムシ(シラミの近縁の昆虫)は
メスがペニス様の器官を持ちオスにはなく、メスが積極的にオスと交尾するのだそうです。
このこと自体も面白いのですが、さらに面白いのは
これを発見したのが日本人らの研究チームで、この研究でイグ・ノーベル賞を獲得したそうな。
イグ・ノーベル賞というよりちゃんと生物の研究に価値がありそうな気もするんですけどねぇ。

このような雑学めいた話ばかりでなく、
もう少しなるほどと思ったのは次の進化論に関する話です。         (以下引用)

 これに対して、私は能動的適応という考えを提唱した。突然変異を起こして、現在棲
んでいる場所で、より適応的になった個体が生き残りやすくなるのは確かとして、適応
的でない突然変異を起こした個体であっても、おめおめと死なないで、より適応的な場
所を求めて移動するのが普通だろう。結果的にある場所に棲んでいる生物が適応的だっ
たとしても、それは受動的適応の結果とは限らず、能動的適応の場合の方が多いのでは
ないかと私は思っているのだ。                      (引用終わり)

 

さらに、外来種による生態系破壊や絶滅について著者の意見が述べられてていて
これなどはあぁ面白いで済む話でもなくなかなか示唆に富んでいて考えさせられるものです。

例えば、以下のようなくだりがあります。                 (以下引用)

 外来種が在来の生態系を破壊するといった意見が人口に膾炙して久しいが、私は事の
最初から、特殊な場合以外は外来種排斥原理主義者の誇大妄想の産物ではないかと思っ
ており、最近ますますその思いを強くしている。自分たちがよく知らない異分子を排斥
したいという漠然たる感情は、ヒトの社会に深く刷り込まれているドクサだが、人類の
余り長くもない進化史の中で、自分が属する集団の崩壊を防ぎ、ひいては自分を守るた
めに、異分子を排除するのは多くの場合適応的な意味があったのだろう。   (引用終わり)

我々現代人の多くがホモサピエンス以外のネアンデルタール人などとの交雑の結果として
今存在しているわけなので、どの口が純血がどうのと言えるのかということでしょう。
そして、次のように言いきってます。                   (以下引用)

           在来種の純血を守りたいというのは、そう思う
人間の自分勝手な欲望であって、それが善だと思うのははっきり言って妄想なのだ。遺
伝子汚染の産物であるヒトが、他の種に関しては、遺伝子汚染は悪だと言い張る。不思
議なことである。                            (引用終わり)

 

そして、絶滅についてもなかなか強烈な自論が展開されています。
地球上での生物誕生から38億年と言われていますが、その38億年の間には
おびただしい数の種が出現したがその99%はすでに絶滅して久しいとのこと。
そう、いつかは絶滅してしまうのですから、それを人間がコントロールできるという考えが
おかしな考えというかおごった考えとも言えるでしょうね。

もっとも、だからといって外来種を積極的に入れて繁殖させたり
乱獲や人為的環境汚染で絶滅をさせることを肯定しているわけでもないのですけどね。

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