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「スバルをデザインするということ」を読了

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三栄書房の「スバルをデザインするということ 企業を変えるストラテジーデザイン
難波 治 著を読み終えました。

著者は2008年から2015年までスバル(当時・富士重工/現・SUBARU)の
デザイン部長を務めていた方ですので、親しみを込めて難波さんと記述することにします。
とはいえ、一緒に顔を突き合わせての喧々諤々の議論をしたことも
一緒に手を合わせてのなんらの作業をしたこともないのですが、
それでも社長なども参加する大きな会議やイベントでも同席したこともあり
お互い面識はありました。

難波さんはそのような席でもどこか飄々とした雰囲気があり
また時折居眠りしてるんじゃないかと思われるようなところもあるくらいで
肝が据わっているというか大したもんだなぁと思っていたものです。

そのことよりも難波さんで思い出すのは、この時に偶然にも一緒に
映画「PINK SUBARU」を観たことなんですけどね。

 

この本の内容はというと「まえがき」にこう書いてあります。(以下引用)

 この本は私が2008年にスバルのデザイン部長として招聘され、スバルのブランドを確立
するためにデザインで貢献できるパートにおいてさまざまを考え、行なったことを綴っている。
スバルの過去を繙き、そこからスバルらしさを見出し、スバルのスタイリングの土台を作り上
げたストーリーである。
 スバルがメーカーとしての生き残りをかけて、会社自身とマーケットを冷静に見つめ直し、
分析をし、お客様の求める商品へとクルマづくりを変化させるための改革を始めた時期。
 やりたいことをするのではなく、やらなければならないことをどう表現するかが問われてい
た。しかも、それをスバルとしての固有の価値観を見出しながら進めなくてはならなかった。
                             (引用終わり)

スバルが突如「プレミアムブランドを目指す」とか言いだして
欧州の某コンサル企業に言われるがままに醜悪なフロントデザインを
スバルR2、R1、2代目インプレッサのマイナーチェンジ、
トライベッカなどに採用していたのが2005年頃までで、
ここでGMの業績不振から筆頭株主がトヨタに移り
ようやく「プレミアムブランド」とか「走り」とか言わなくなって
上記のように「お客様の求める商品へとクルマづくりを変化」させたたわけです。

ですから、難波さんがスバルに来る前には既に“ブタ鼻”グリルは廃止されていて
3代目インプレッサ、3代目フォレスターなどスバルも
そこそこ嫌みのないデザインに変革しつつあったのですが、
それでもその後のエクシーガ、5代目レガシィなどまだまだ
スバルのデザインとして統一性は生まれてはなかったですし
「お客様目線」の機能・性能をデザインで表現するまでには
至っていなかったと思います。
そこを確立したのが、難波さんの最大の功績だったのでしょう。

 

ただ、スバルがデザインに限らずプレミアムとか、走りとか、レガシィ病やWRC病から
抜け出して真に「お客様目線のクルマ造り」を(再び)目指すことになったのは
2005年頃からで、本当の混迷時代はそれ以前だったのですよ。
ボクにとってもある意味暗黒時代だったのはその頃ですしね(苦笑)

それでも、ボクはこの本ではじめて知りましたが、
その当時にフリーランスであった難波さんも
スバル車のデザイン関連業務を委託されたりしていたそうなので
そのあたりの経緯もよく分かっていたんでしょうけどね。

 

それらの他にもいろいろと社内事情やら難波さんの考えなど書かれていて
とても面白く、時に感心しながら時にニヤニヤしながら読むことが出来ました。
中でも、カーデザインについて、そしてスバルについての難波さんの考え方が
よく表れているなと感じたのは以下のマツダとの比較のくだりです。(以下引用)

 スバルはマツダのようなやり方ではないと考えていた。スバルのデザインはスバル車の機能
的な特徴、使用価値をいかにカタチに表すことができるかだと思っていた。例えばAWDの
クルマづくりをしているメーカーだから、しっかりとしたタイヤ周りを感じさせられているだ
ろうか、とか、低重心・安全・安心の走りを感じさせる造形になっているか、と常にチェック
した。自然と守られている感じがする運転のしやすさということを魅力的に見せねばならない
のだ。                            (引用終わり)

また、こうも書いている。                   (以下引用)

 逆に安全とか全輪駆動であるとか信頼性が購入理由の上位にこなくなったら、その時はスバ
ルは危機かもしれない。デザインが一番になったらヤバイだろう。スバルがデザインで買われ
るようになったらダメだ。デザインで売れるようになると、売れ行きが安定しない。
                               (引用終わり)

いかがでしょうか?
税抜1,500円とけっして安くはない本ですが
(元)スバル社員でなくてもスバリストなら納得の一冊だと思いますよ。

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コメント

アルシオーネオーナーとしては「スバル」「デザイン」という言葉に激しく反応してしまいます
最後に書かれている「スバルは機能」と仰っていることに感動します
アルシオーネの空力を追及したがゆえのデザインは正に機能美
カッコ良いとか悪いという次元ではなく、機能美と思っています
機能という言葉の主旨は違うのでしょうが、これからもスバルには「機能」という必然性に拘ってほしいと思います

投稿: 五条銀吾 | 2019-04-23 13:13

>五条銀吾さん

ラインナップの少ないスバルといえども色々なジャンルの車種があり
それぞれジャンルによって求められる機能は違いますから
当然ながら機能美の表現方法も違ってくるでしょうね。
その意味ではやはり初代アルシオーネもスバルらしいデザインですね。

ただ、あのハンドルだけはちょっと首を傾げるとこですけど(笑)

投稿: JET | 2019-04-23 13:51

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