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「とんでもなく役に立つ数学」を読了

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角川文庫の「とんでもなく役に立つ 数学」 西成 活裕 著を読みました。
以前の読書記事に続いてまた数学関連の本ですね。

今年買った本ですが文庫版の初版が4年前であり
もととなった朝日出版社からの単行本は2011年ですから
それなりに古いものになっています。
けどまぁそんなに急に陳腐化する分野の話でもないので
読んでいても特に古臭さは感じませんでした。

著者は東大教授なのですが、そこの研究室に高校生を招いて
特別授業を開講してその授業の様子を書籍化したものが
この本の内容になっています。
ですから、基本的に高校で習う(というより中学までの)レベルで
理解できるような内容ですから難しいことはほとんど出てきません。

しかも、著者はこてこての数学者というよりも企業や様々な団体から
実社会で数学を使った解析・分析などを依頼されているようで
数学――物理――工学――実社会という流れやループの中で研究をしているので、
元・技術者であるボクにとっても馴染みやすい考え方になっています。

その辺りについてこのようなことが書かれていて面白いです。(以下抜粋)

 理想郷に慣れた数学者は、現実のゴチャゴチャしたいい加減な世界を嫌って、物理のほ
うに歩み寄ることをためらう人も多いです。そうなると、数学の武器が閉じた世界の中だ
けで使われ、眠ったままになってしまうこともある。
 さらに、物理から工学の間にも壁がそびえていて、それぞれ頭の使い方が違います。物
理など理学系の人は、「なぜこうなるか(WHY)」という原理を明らかにするところに興
味を持っています。それに対して現実社会と関わりの深い工学では、問題が先にある場合
が多く、「どうすれば解決するのか(HOW)」という具体的なアイディアを考えることが
重要な仕事です。
 最後の工学と実社会にも、もちろん壁があります。当たり前ですが、いくらすごい研究
でも、社会のニーズがなければ注目されない。そして、実社会の現場では、「なぜかわか
らないけど、こうすればうまくいくんだよなぁ」という職人芸の技術がたくさんあります。

                                        (抜粋終わり)

もっとも著者の専門分野は渋滞学だそうでボクにはあまり馴染みがないのですが、
本書でも高速道路での渋滞とか受付窓口への人の誘導とか
東京マラソンの(3万人の)スタートとか
メッカ巡礼の(300万人)の人の流れなどの話がでてきます。

例えば、高速道路の渋滞ではある程度車間距離を開けて
前車との速度差を緩和できる「渋滞吸収車」と名付けされた車が
10台に1台程度でもいると渋滞が発生しにくくなる効果があることが
数学的に分かっているそうです。
普段からボクなんかはそんな(渋滞吸収車のような)運転を意識してますから
感覚的にも分かる気がします。

 

ただ、この本の本筋はそういう個々の事例についての話ではなく
数学をどのように使って実社会に役立てていくのかとか
学生に向けてそのためにどのような意識で数学を学ぶかということが書かれています。

例えば、ちょっと考えても解けないような難しい問題でもすぐに答えを見るのはダメで
絶対に答えを見ないでずーと考えるのが良いと書かれています。
そう言えば、ボクも受験勉強でもだいたいこのスタイルでやってましたね。
さすがに1週間考え続けてもお手上げのは答え見ちゃってましたけど。

他にも論理的思考の大切さや
その反面で「えいやっ」と簡略化するなどの数学的考え方、
そしてそれらの思考方法が実社会で生きてくることなどが書かれています。

 

最後にはちょっと飛躍的なのですが、
経済成長率ゼロ社会は可能か?なんて話題も出てきて
振動状態の社会で可能なんじゃないかなんてアイデアも出てきます。
ここなんかはかなり興味があるところですかね。

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