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新書「自動車会社が消える日」を読了

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文春新書の「自動車会社が消える日」井上 久男 著を読みました。

ボク自身は元・自動車会社の社員であったわけですが
早期リタイアして退職金も一括でもらってしまったので
残るは健康保険くらいしかしがらみはなくなってますので
その自動車会社が消えてしまっても切実な問題はないのですが、
まぁそれでも元社員としても一ファンとしても周辺地域住民のひとりとしても
そうそう簡単に消えてなくなってしまって欲しくないわけでして……

どうして自動車会社が消えるのかというと
本書では自動車がEV(電動)、自動運転などパラダイムシフトの時期にあたり
急速にスマホ化、ロボット化されており、
既存の自動車メーカーの手に負えずにIT企業や新興企業の参入が相次ぎ、
それに対応できない自動車会社は消えていかざるを得ないということです。

まぁもう何年も前からよく言われてきた論調ですから
いまさら驚くような内容もあまりありませんが……

本書ではそのような全体的な話が第1章から第3章にあり
それに続いてはトヨタ、VW、日産、ホンダ、マツダについて
個別に踏み込んで書かれています。
そう、スバルは相手にされてません(笑)

タイトルで煽っていて、全体としても既存自動車メーカーの危機感を煽ってますが、
個別のメーカーの話になるとそれぞれ懸念点はあるけど
こんな新しい取り組みをしていて対応をはかっている
みたいな少し持ち上げた内容になっているのが少し拍子抜けです。

逆に言えば、ここに取り上げられていないメーカーが危ないと言いたいのですかね。
確かにスバルはかなり危ない気もしますけどね。

 

ちょっと面白いなと思ったのは、これは本書の本筋からずれた内容なのですが、
VWの例のディーゼルゲートの後にVW社長はドイツ・メルケル首相とともに
チャイナ・習総書記と会談してVWがチャイナ国内に蓄えておいた
数兆円もの資金をドイツへ流出する許可を得たらしいとの情報です。
また、チャイナでは必ず現地で合弁企業を設立して進出しなければならず
しかもそれが各社2社までしか認められていないにも関わらず
VWはこの後に例外的に3社目の合弁が認められています。

脱線しますが、数年前にスバルがチャイナ進出しようとしたときに
チャイナ政府から合弁企業設立が認められませんでしが、
その時の理由がスバルはトヨタの子会社でトヨタは既に2社の合弁があるから
というなんともな屁理屈だったんですけどね。
確かにスバルの筆頭株主はトヨタではありますが子会社ではないのにねぇ。

話を戻しますが、VWのこの逸話は自動車会社・自動車産業は
まだまだ国の経済にとっては非常に大きな存在であり
国家元首にとっても最重要課題のひとつともなり得るもので
自動車産業は巨大であるが故にそうそう数年単位くらいの期間で
消えて無くせないということを示してもいるわけです。

なので、スバルくらいの規模のメーカーはさておいたとしても
巨大メーカーがそうそう簡単に消えちゃうと思わせるようなこの本のタイトルは
まさに煽り以外の何ものでもないなと感じちゃいますね。

そうはいっても、一方で日本のメーカーがVWと同じような状況になったとき
果たして日本の首相が動けるかというと今現在も将来も期待できそうもないですけど。
教育勅語を唱和する学校には計らいがあるのにねぇ(笑)

 

いずれにせよ、10年後、20年後には答はでるでしょうから
少なくともそのくらいまでは長生きして結果を見てみたいなと思います。

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コメント

自動車は衝突安全性とか、耐久性とか、樹脂に関する知見、鋼板に関する知見が折り重なっていて、更に設備産業でもあるわけです。
しかも今までECUやその他制御でのソフトウエア系のノウハウもあるのに、ちょこっとスマホが出てきただけで簡単にひっくり返せるわけがないって思っています。
そうそう、忘れてはいけない多数の従業員。スマホだけでその労力を補えるわけではないです。

は、誰でも思いつくと思うのですが、テスラが出てきている関係で本気で自動車産業が消えると思っているらしい人が多いのが気にかかります。

スマホのエンジニアが知見が凄くて一気にひっくり返せると思っているのなら、既存の自動車産業に勤めている人って軽く見られているんだなぁと、ちょっと残念に思います。

投稿: 並さん | 2018-05-05 22:30

>並さん

本書の著者もそのような短絡思考な内容では書いてないのですが、
それでも目立つタイトルにしたり刺激的な帯を付けたりして
結果的に煽り本みたいになっちゃってます。

まぁ、自動車産業がパラダイムシフトの時期にあるというのは
その通りで、適応できない自動車会社も部品会社も
遅かれ早かれ消えていくのは仕方ないないことですけどね。

投稿: JET | 2018-05-06 00:09

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