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「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」を読了

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集英社新書の「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」
水野 和夫 著を読みました。

著者は経済学者ですが、民主党政権下において
内閣官房内閣審議官を務めた人らしいです。
だからなのかアベノミクスに対しては手厳しく一刀両断していますが、
ボクは政治的には中立の立場ですからあくまでも経済としての
しかも知的興味の対象としてこの本を読んでみました。

先にアベノミクスうんぬんと書きましたし
この本ではそこにも少しだけ触れてはいますが、
基本的には日本の今の経済政策にフォーカスした内容ではなく
世界経済といいますか世界の資本主義と民主主義について
さらに時間軸としてもここ数年レベルではなく
100年、200年というスケールでの内容になっています。

そして、そういうスケールで世界を見る時、
まさにこの本に書いてあることあれこれがストーンと腑に落ちるんですよね。

なぜ日本だけでなく世界的にこうも経済成長が行き詰っているのか
なぜ経済は成長し続けないといけなくなったのか
経済成長とエネルギー政策の関係はどうなっているのか
EU,USA,チャイナは何を考えているのか、、、

こういったボクがいつの間にか抱いていた疑問が次々と氷解していくんですね。

 

だからといって、どうすれば良いかという具体的な解決策はここには書かれていません。
「閉じていく帝国」というのはEUをモデルと見立てており、
閉じていくとはその域内だけで経済圏が成立して
ゼロ成長でも持続可能という意味であり
帝国というのはひとつの国より大きいけれども
全世界=グローバルほどは大きくないという意味で、
EUですら諸問題は内包していつつも基本的には閉じていく指向であるが
USAはトランプ政権も未だに旧来の成長資本主義の回顧であり
日本に至ってはアメリカ従属&旧来資本主義回顧に過ぎないという内容です。

世界はどうなればいいのか、日本はどうすればいいのか、
その具体的な答えは書かれてはないわけです。
ただ、閉じていく帝国を目指して構築するにはどうすべきかを考えましょうということです。
それはそれで、独りよがりな持論を展開するより信頼できるスタンスですね。

 

ボクは若い頃は、世界の国々、あるいは民族同士がいがみ合っているのは
なんとも醜く惨めな状態だと思っていましたが、
やがてグローバル化の流れの中で国境というものはなくなり
人種も民族も垣根は取り払われてひとつの地球の人間として
存在していくものだと安易に呑気に想像していました。

TVアニメの影響なんですかね。
でも、歳をとればそんな時代はそう簡単には到来しないということも悟ります。
そして、そういう時代になったとしても地球として閉じた空間にいる以上は
成長し続けなければならない今の資本主義は成立しないわけです。

つまり今の資本主義のどこかの成長は別の
どこかの犠牲をもとに成立しているわけです。
それが先進国vs発展途上国なのか一国内での格差社会なのか様々ですが。

 

そうは言っても、EUですら閉じていく帝国として確固たる道を固めるのは難しいですし、
USAがそのような指向に転回するのはかなりのきっかけが必要でしょうし、
ましてや日本がどのような形でどのような位置づけで閉じていく帝国を目指すのかは
とっても難しいというかもう絶望的な気持ちにすらなってしまいますね。

まぁ100年後とか早くても50年後とかのスパンの話ともいえますから
ボクはほぼこの世にいないので関係ないと言えなくもないですが、
不謹慎ながら知的好奇心としてどうなっているのか
この目で見てみたい気もしますね(笑)

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