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新書「働かないアリに意義がある」を読了

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前回読書の「仕事なんか生きがいにするな」つながりというほどではないですが
イソップ寓話「アリとキリギリス(セミ)」が引き合いに出てきましたので
アリつながりということで読んでみました(笑)

メディアファクトリー新書「働かないアリに意義がある」長谷川英祐著です。
副題として「社会性昆虫の最新知見に学ぶ、集団と個の快適な関係」とあります。

働きアリはとても勤勉に一生懸命働いているように見えますが
巣の中のアリ全員が常に働きまくっているわけではなく
休んでいるアリが多いということや、
まったくといっていいほど働かないアリがいることは
以前に読んだ以下の本などでも知っていることでした。

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光文社新書の「昆虫はすごい」と「昆虫はもっとすごい」丸山宗利著です。
これらの本はアリやハチなどだけに限定したものでなく
もっと摩訶不思議なディープな昆虫にまで話は広がっていますが、
今回の新書はアリやハチなどの社会性昆虫に的を絞ってますから
それはそれで面白いのかなと思い読んでみたわけです。

なお著者の長谷川英祐(えいすけ)氏は生物学者ですから
副題や帯の「サボっているやつがいる組織こそが強い」などから連想されるような
人間社会の組織論や経済学などとの結びつきを研究している
専門家ではありませんので、まぁそういったことに関しては
本書でも触れられてはいますがあくまでも想像というか
そういうことは人間にも当てはまりますねという程度に捉えた方が良いでしょうね。

アリなどは人間のように発達した脳をもっていないので
働く/働かないに対して個々が意識的に高度な判断をしているわけではありません。
働かざるもの食うべからずのように働いた分だけ個々に食べ物が貰えるのでもなく、
ましてや人間のようにお金などの報酬が貰えるわけではありません。
逆に生物としての根源的欲求である子孫を残すという点においても
女王アリ以外はいくら働いても叶わぬ夢であり死ぬまで一生働くわけです。

ちなみに、多くのアリやハチではオスはただ女王との性行為のみに存在するらしく
受精後は殺されたり巣の外に追い出されるそうで、
働きアリのほとんどすべてがメスなんだそうです。
こちらの事実の方が働かないアリがいることより衝撃的でしたが。。。

 

それで、どうして働かないアリがいるのかというと
それぞれのアリには刺激に対する反応の違い(反応閾値)があって
それはいわば仕事に対する腰の軽さの個体差があるということで
すぐに腰を上げて働く個体となかなか腰が上がらない個体がいるということです。

なぜこんな個体差があるのかというとこの反応閾値の違いにより
仕事が少ない(刺激が小さい)ときは少ない数のアリが仕事をし
仕事が多い(刺激が大きい)ときはにはたくさんのアリが仕事をするようになり
巣の全体としては継続的に効率よく仕事ができることになるとのことです。

ですから働かないアリも働くことを拒否しているわけでも
働く能力がまったく備わっていないわけでもなくただ働けていないだけで
いざとなったら働くようですし、働かないアリばかりを集めて巣をつくると
働かないアリの中からまた何割かはよく働くアリになるそうです。
面白いですねぇ。

 

しかし、社会が形成されると必ず裏切り者が出てくるように
チーター(cheat=騙す)と呼ばれる利己的に騙してタダ乗りする個体や
紛れ込んで乗っ取りをする種が出てくるらしいのです。

それ以外にもいろいろと面白いアリやハチの生態なども書かれてますし、
DNAの遺伝や進化論についてや、群れ/個についてや、
多細胞生物の人間をひとつの群れとして考えるとどうなるかなど
興味深い思考が紹介されています。

 

この本をもって、働かないアリに例えて早期リタイアしたボク自身を
肯定したりも否定したりもするつもりは一切ありませんが、
まぁ昆虫も人間もそれぞれ大変だし面白いなぁと思うのは共通してますかね(笑)

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