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グリーン税制のウソ

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現行の自動車のグリーン税制と言えば,
ある一定の基準で排ガスがきれいで燃費の良い自動車は自動車税が安くなるっていう制度です.
具体的にガソリン乗用車の場合,次のようになります.
 ・排ガスが☆☆☆☆で,燃費が平成22年燃費基準の+25%以上ならば,
   自動車税(1年限り)50%減,自動車取得税15,000円減税
 ・排ガスが☆☆☆☆で,燃費が平成22年燃費基準の+15%以上ならば,
   自動車税25%減,自動車取得税7,500円減税

燃費の良い車に買い換えた方が税金が安くなれば,燃費の良い車の普及につながり,
それはCO2の削減につながるので地球環境にとっては望ましいことです.
本当に燃費が良い車ほど税金が安くなればの話ですけどね.

ちょっと具体的に見てみましょうか.
例として,スバル・エクシーガの2.0LノンターボのFF車,
2.0i-Lを新車購入する場合を考えてみましょう.
オプションを付けなければ消費税込みで2,205,000円,
車両重量1480kg,10-15モード燃費は14.0km/Lとなっています.
ただし,オプション装着によって車両重量が1520kgを超える場合は
13.2km/Lになるとも書いてあります.

オプションとしてHIDヘッドランプ,クリアビューパック,ガラスルーフ,CDプレーヤーを選ぶと,
車両価格は2,425,500円となります.この仕様では車両重量が1500kgを超えますが,
1520kgには達しないので,10-15モード燃費は14.0km/Lです.
平成22年燃費基準(13.0km/L)に対して+5%以上ですが,
グリーン税制の優遇対象には届きません.
従って,自動車取得税が103,900円となるそうです.
また,重量税が75,600円,1年間の自動車税は39,500円です. 
 
次に,CDプレーヤーは後から好きなのをディーラーで付けてもらうことにして,
替わりにパワーシートやクルーズコントロールがセットになっている
クルーズパックというオプションを付けてみると,
車両価格は2,446,500円と21,000円高くなります.
この仕様だと車両重量は1520kgを超えるので,
10-15モード燃費は13.2km/Lに悪くなってしまいますが,
平成22年燃費基準(10.5km/L)に対して+25%以上の達成となるので,
グリーン税制の優遇の恩恵にあずかれます.
それによって,自動車取得税が15,000円減税になって89,800円になるそうです.
また,重量税は75,600円で変わらないけど,
1年間の自動車税はなんと半額の19,750円に減税されます.

なんか分かりづらいですけど,要するにオプションを少し付けて重くしてやると,
燃費が悪くなってるにもかかわらず,税金が32,850円も安くなり,
車両本体価格も含めたトータルの値段も安くなっちゃうということです.
グリーン税制と言いながら,グリーンじゃない車の方が脱税できるんです.

何故このように燃費が悪い車の方が税金が安くなるということが起こるのか?
理由は簡単,“燃費基準”というのが車両重量が重いほど甘くなっているからです.
さらに,10-15モード燃費の計測にはイナーシャウェイト・ランクというトリックがあるから,
同じ車でも装備仕様によってちょっと重量が変わるとこうも大きく燃費表示値が変わるからです.
つまり,車両重量が1266kg~1516kg未満の車はどれも同じ重量の車と見なされて
同じ負荷で燃費計測されるんです.
1516kg~1766kg未満の車も同じ重量の車と見なされます.
で,それぞれのランク毎に平成22年度にはこの燃費を達成しなさいという“燃費基準”が設定されていて,それをさらに+何%達成しているかでグリーン税制の優遇が決まるわけです.だから1500kgちょうどぐらいの車は実際よりもとても軽い重量として燃費計測できるから良い燃費の値が出てくるんだけど,燃費基準がきついから税制優遇はなかなか受けられない.一方,1520kgぐらいの車は逆に税制優遇が受けやすくなるというわけです.

 これが平成21年度の改正でどうなるのか.さらに加速されるらしいです.
 ・排ガスが☆☆☆☆で,燃費が平成22年燃費基準の+25%以上ならば,
   自動車重量税3年分が75%減,自動車取得税も75%減
 ・排ガスが☆☆☆☆で,燃費が平成22年燃費基準の+15%以上ならば,
   自動車重量税3年分が50%減,自動車取得税も50%減

これを前述のエクシーガの例に当てはめると,重くなって燃費が悪くなった方がなんと133,400円も脱税できるんですよ.こりゃぁ買わなきゃ損ですよね(?)
電動シートもクルコンも不要な人でも,とりあえず付けとけば13万円も安く買えるわけです.
あとで,2~3万円のCDプレーヤー付けたって10万円も浮きます.

ちょっと別の例も見てみましょう.
トヨタのヴェルファイアとかいうでかい箱車.
3.5V Lエディション 4WDとかだと車両重量2100kg,
10-15モード燃費は9.1km/Lですが,実際の燃費は6~7km/Lぐらいみたい.
でも,これは平成22年燃費基準+15%を達成しているので,
自動車重量税は50%=47,250円減額,自動車取得税も50%=概算で100,000円も脱税できます.

ちなみに,ボクのラリっ娘は車両重量820kg,
10-15モード燃費は測られてないけど
シトロエンAX GT辺りと同等と考えれば13.4km/L
,実際に坂bosoしつつも12km/Lはいきます.
それでも,自動車重量税は2年で25,200円,しっかり取られます.
一方で自動車税は10%割り増しされます.なんだよー.
全然,グリーンな税制じゃないでしょ.

地球環境とかCO2とか言うなら,ガソリンにCO2税を掛ければ良いんですよ.
ガソリン消費した分だけ,CO2排出するんだから.
車買っても不必要に乗らなければ良いんですよ.
ボクのラリっ娘なんて去年は74kgしかCO2排出してないんだからさ.
って威張る話ではないですけど(笑)
 
もちろん,新車だって作る過程でCO2排出されるから,
それは自動車メーカーが払うか取得税みたいな形で徴収するかは
検討する余地があるでしょうけど,
普通に考えればでかくて重くて高級な車ほど作る過程でCO2排出は多いでしょうね.

けれども,自動車メーカーはでかい高級車=重い車が売れた方が
1台辺りの利益が桁違いに大きくなります.
だから,絶対レベルで燃費が良くて環境負荷が小さい車が売れるよりも,
燃費が悪くて環境負荷が大きくても台当たり利益で美味しい高級車やSUVをたくさん売りたいんです.
ましてや,小さい車をいつまでも乗り続けられては商売になりません.
どんどんと新車を買ってもらわないと.「エゴ買え~♪」とね.

 

まっ,環境問題に熱心なポーズをしているヨーロッパ,
とりわけドイツなんかも自称プレミアムブランドメーカーの発言力が強くて
似たような状況ですから,日本だけを憂いてもしかたないですけどね.

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コメント

も~上辺だけのエコには辟易してます…。

って、リッター 5km の緑じゃ説得力ないですけどね。

投稿: さそっち | 2009-02-10 00:55

そんな裏があったんですね!?
呆れちゃいますね・・・

投稿: naoking | 2009-02-10 09:21

当然、メーカーもそうゆとこ計算してるってことですかね?
そうゆうの販売営業でも教えてくれればいいのにと思います。
税金よけいに払ってもどうせ無駄使いされるだけだし。

投稿: こてっちゃん | 2009-02-10 11:18

>さそっちさん

確かにリッター5kmは...

普通に走れば10km/Lは行くと思うのだけどね.

投稿: JET | 2009-02-10 19:40

>naokingさん

裏というか,業界ではもうこれが表になっちゃってるわけで…┐(´д`)┌ヤレヤレ

投稿: JET | 2009-02-10 19:45

>こてっちゃん

そう,メーカーさんは一生懸命計算しとりますよ.
気の利いたセールスさんなら当然いろいろとアドバイスしてくれるはずですけどね.

投稿: JET | 2009-02-10 19:50

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