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テストパイロット

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昨日,BSテレビ(BS-i 19:00-20:54)で
「極限に挑むテストパイロット~精鋭たちが見た未知の領域」と題して
自衛隊のテストパロット訓練生の密着取材ドキュメンタリー番組の放映があり,
録画しておいたのを今観てました.

飛行機と自動車は文字通り天と地ほど違いますし,
ましてや戦闘機と乗用車なんて比べるのもおこがましいことですが,
でもレベルは違えどテストパイロットもテストドライバーも
求められることはまぁ同じだなぁという感想です.
 
何が同じかと言うと,先ずは飛行理論から始まるんですね.
物理・数学の世界です.
車のテストドライブでも同じで,
運動方程式,微分・積分,ラプラス変換なんかの概念を理解してなきゃ
どんな入力(例えばハンドル操作)に対してどんな出力(例えば車の曲がり方)があったのかを
理論立てて説明することはできません.
理論立てて説明できなければ具体的な改良を設計に落とし込むことはできません.

次は飛行データの収集,そしてその解析・分析まで自らがやるというところも同じです.
まぁ,自動車メーカーによっては,
データ計測する人と解析する人は別々というところもあるらしいですが,
それでは作業効率は良くても事象の本質に迫ることは難しいと思います.
また,自分で計測したデータを自分で解析するということで,
自分自身の計測能力=運転操作の再現性・精度を客観視して反省するいい機会になります.
テストドライバーとは速く走る能力が必要なのではなく,
いかに精度の高い運転ができるかが必要なのです.

そして,最後は官能評価です.
いくら計測技術や解析技術が進んでも全ての事象を定量データで表現できるわけではありません.
飛行機のような最先端の技術を集めたものでもそうなんですから,
車なんて定量データで表せられないものばかりです.
でも,定量データで表せられないからと言って神がかり的なものがあるわけではなく,
物理の法則には従っており理論立てた説明は不可欠です.
感性と理論を結びつけるのがテストパイロット,テストドライバーの仕事なわけです.
誰も気づかないコンマ数%の差を指摘する感覚の鋭さが必要なのではなく,
普通の人が気づくことを状況分析して理論立てて説明できることが必要なのです.

前述のデータ計測&解析を自ら行ないながら,同時に官能評価もする.
それこそ,感性と理論を結びつけることなのです.
 

飛行機(戦闘機)と乗用車が大きく違うのは,操作するユーザーのレベルのばらつきでしょう.
パイロットはある程度均質でしょうけど,車のドライバーなんて老若男女ピンキリです.
同じドライバーでも走る場面や気分でもガラリと変わります.
さらに好き嫌いによっても大きく左右されます.
 
テストドライバーは今自分はどんなタイプのドライバーになりきって
どんな場面・気分で操作しているのかを客観視しながら,
それに対する車の動きの良し悪しを判断しなければなりませんし,
どのくらいの割合のドライバーがそれを好むかどうかを想定して評価をしなければなりません.
客観的で幅の広い運転技術が必要ですし,
統計学的手法も理解していなければならないわけです.

 

ただ,某社のテストドライバーの現実は…(またの機会にしましょう)

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コメント

面白そうな番組ですね!
地上波にもこないいかな?


>ただ,某社のテストドライバーの現実は…(またの機会にしましょう)

って、一番大事な部分が(笑)

投稿: nasa | 2009-01-16 10:28

>nasaさん

地上波でも放送されるような内容だと思いますけどね.

まぁ,あまりトゲがあるのもなんですから(笑)
大事なことはワザワザ言わなくても分るでしょうし.

投稿: JET | 2009-01-17 00:32

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